Please wait a little until I can understand.
米沢城は、対応しにくい客人に対して対応を迷い、手をこまねいていた。
発覚したのは先日の事。
朝餉を、と呼びに行った女中は、光る板を持った主に失礼ながらそれは?と問うてみれば返答は簡潔に客人だ。とわけのわからない事を言う。
次いで、主から客人に飯をと言われるがどこからか聞こえた声に飯はいらないと遮られ女中は忍かと天井を一瞬見上げたものの音の元は主のすぐ近くだとわかる。
「なんだ、やっぱり食えねえか」
「今の私のどこに粗食機能がありますか?」
「Sorry、そういやそうだった」
主が板と喋っている。
女中は、どうにか平静を装いそそくさとその場をあとにして真っ先に向かったのは、厨ではなく主の信頼する従者である片倉小十郎の元であった。
すぐさま先程見た光景を告げる。
政宗様が妖に憑かれていると顔を青くする女中に対して、片倉は目を丸くし持っていた書をその場に棄てるように置いて駆け出した。
昨晩、何者かの侵入があったという報告は受けておらず、少なからずイラついてしまい眉間の皺が深くなっているのがわかる。
朝餉を食しているであろう障子の前に膝をつき、政宗様と声をかければいつもと寸分違わぬ主からの入室許可をいただけた。
開けた先には、漬物に箸をつけて口を動かす主がいるだけで別段変わったところはない。
「どうした小十郎」
「いえ、先程女中から政宗様が…その…板と話していた。と」
主が奇行に及んだと思っていたなど失礼にあたる、そう頭を下げながら言葉を萎ませれば片倉の頭に、少し言いづらそうに政宗は頬を指先でかいた。
「ah…あながち間違っちゃいねえがな」
「は?」
「客人、絡繰り板のアイだ」
「はじめまして片倉小十郎さん」
素っ頓狂な事を言う主に顔を勢いよく向ければ、反対側に置いていたのだろう白い板をこちらに向けられる。
アイだ。と紹介された板にはどこからか聞こえてきた何者かの声と同じ文が浮かび上がっており、片倉は声の出てくれない口をぱくぱくとさせながら主と板を交互に見やった。
「政宗様…それ…は」
「だからアイだっつってんじゃねえか」
「政宗さん、私もお伝えしましたが、この時代の方が私をすぐに理解して許容できるのは稀なのです」
「俺は受け入れてる」
「あなたは稀な人なのです」
淡々と主を貶されている。と、今思ったとしてもその怒りをぶつけるべきヒトがおらず片倉はきょろきょろと誰かにこの気持ちを伝えられないかと目線をふらつかせる。
それに気づいた政宗も、珍しい従者の姿に一瞬目を丸くしたかと思えばくつくつと喉奥を鳴らして笑い出した。
「Hey小十郎。間違いなくこいつが喋ってんだ。挨拶ぐらいできんだろ、You see?」
米沢城に突如現れた客人は、板。
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20130607
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