A trivial rumor is also OOO.
この時代がかの有名な戦乱の世、もとい戦国時代でである。と政宗さんから伺って、米沢城に住まう事早一週間。
私は、昼間は片隅の日の当たる部屋で夜中に失った電力を補う為に太陽光による充電を行う。
この時代のエネルギー元と言えば、移動に馬、農作に牛、伝書に鳥などの他はほぼ人力といったアナログなエネルギーのみとなる。
はじめ食事をしないと伝えれば、それでは体がもたないだろうと小十郎さんに諭されたものの今は口すらないのだから到底無理な話である。
「ん?なんだアイか」
「小十郎さんおはようございます。政宗さんでしたら中で執務中かと」
「ああ、すまん」
この城の人々も随分と私に慣れたと思う。
最初は、城主である政宗さんの命だからこそ素直に聞いていたが、皆が一様になんだこれはという動揺がにじみ出ていた。
しかしじきに私が言葉を放ち筆を使わずに文字を綴る以外自ら動く事も叶わないのだと察したのだろう。
今では見かけても笑みを浮かべて挨拶が降ってくる。
小十郎さんに関しては、私が居れば側に政宗さんが居るという目印にもなって便利に思われているに違いない。
「アイの噂が出回ってる?それに何の問題があるってんだ」
小十郎さんが部屋に入ってすぐ、機嫌の悪そうな政宗さんの声が響いた。
私の関係する内容のようだ、と集音マイクのボリュームをあげて聞き入っていれば高々と笑い声をあげる政宗さんが私の側にきてモニターを覗き込む。
「Wake up、面白い話だ。アイも聞いとけ」
さも楽しげな政宗さんとは違い、小十郎さんは困ったようにいついもならばキリリとした眉をわずかに垂らしすのがカメラの端に確認できた。
「面白い話とは?私の噂が何か?」
「聞いてたか。なに。外では俺がアイに憑りつかれてる事になってんだと」
「数日前の米沢城での対応となんら変わりませんが」
「それだけじゃねえ、政宗様は楽観視しておられるが、お前に奇異な能力があるとか手に居れたらば神仏的な加護が受けられるとか」
「それを理由に此処が攻め入られる可能性がある…と」
私の言葉に頷く小十郎さんを見て、政宗さんがそんなのは潰せばいいと吐き捨てる。
なるほど、それは政宗さんの反応は楽観的すぎるだろう。
もちろん私にはそんな宗教的なアプリケーションが備わっているわけでもなく、むしろ手で運ばなければいけないし太陽の昇る間はできる限りエネルギーの補給をしなければ起動すらできなくなる。
手間もかかるし荷物になる。
良い事がるとするならば、文字がうつせたりするので紙を無駄に浪費しないという事だろうか。
それだけの為に命をかけて戦などばかばかしい。
「やはり、私は早々に体を探すか作るかしなければなりませんね」
ほとんど希望もない体に期待するよりも自作でこの体から移動機能をプラスすればい。
タイヤとスプリングを基本にこの体の使っていない不要な部分のシステムや内臓コードを移動機能に変換、できるか?と内臓フォルダに新しく設計図を組み立てていく。
できなくはない。部品さえあれば…だが。
「絡繰りなら西海の鬼、四国だな。九州も絡繰りはいろいろあるみたいだが距離を考えてみりゃここ一本だ」
「小十郎の言う通り、種子島なら佐竹や雑賀がいるが絡繰りなら四国だ。アイ…」
私の考えを察したのだろうお二人が会話を続け政宗さんがより一層楽しげに笑みを深める。
「(どうする?)」
叶うならば、それは是非
「連れて行っていただけますか?」
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20130608
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