▼それはどうも、おめでとうございます
年齢を問われれば、私は23歳。
大学を卒業して、すぐに今の会社に入社して1年と少しになる。
まだまだ社会の酸いも甘いも噛分けるすべすら知らない若輩者で、近しい友人が結婚しますなんてSNSの書き込みを見て、そんな年齢なのか私はと考える様な甘い人間。
「よかったー!ノンノが見せてくれた写真赤ちゃんなんだもの!こんっな可愛い女の子なんて僕うれしい!」
もちろん赤ちゃんの時の君もモルト カリーナ!と猛烈なハグをされる私は茫然とするしかない。
ぐるんぐるんと頭もめぐるのは、過去の大学受験に悩む私で、どこに進学しようかと様々な大学のパンフレットを広げる私に向かって当時まだ元気だった祖父が、進めたのはなんだったか。
矢次に男の口から発せられる言葉がすんなりと読み取れてしまうのは、そうか。と今は天国でこちらを見て笑っている祖父の思惑が今やっとわかった。
国際交流学科、イタリア専攻。
最初からこれを目論んでいたのだろう。
最近やたらと恋人はいないのかと聞いてくるとは思っていたがまさか。
「改めまして僕のスポーザ!このマツノ トドマツが君のパートナーとしてイタリアから迎えに来たよ」
綺麗なウィンクをするトドマツという男は、私の手の甲に映画顔負けのさりげない所作でキスをする。
ただここが、純和風の和室でなければ、私がそういう事に夢見る女の子であればきゅんとときめきもできただろう。
再度ぎゅっと抱きしめられながら、それをほほえましそうに見てくる互いの父をじっとりと見つめてようやっと言葉はつむがれた。
「Oh… congratulazioni」
他人事じゃないですよとアイダの声が聞こえたきがした。
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20160818
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