見えないだろう
現在建築関係の事務をしているなまえは、その前までしていた力仕事との差により如実に変わるモノがある。
「腹ぷにってんじゃねえかよい」
「…う、うるせええええ!!!」
だんだんとベッドを叩きながら口からアイスの棒を離さないのは何かの意地なのだろうか。
夏場になると俺のハーフパンツとタンクトップ一枚で部屋にいるなまえの腹をタンクトップをめくりあげて軽く摘まむ。
付き合い始めた時もうちょっとくびれもあったのではないだろうか。
それを口に出せばめったに飛んでこない拳骨が脳天に向かってくるのは既に経験済みの為それ以上言わない。
というか言わずとも本人はわかっているだろう。
「今度、上半身裸の衣装だし、腹筋し始めたし」
「ああいうのは継続してこそだよい」
「マルコとご飯食べてたら同じ量食べようとしちゃうし」
「それは言い訳にしてんのかい?」
「食べられるときに甘い物は食べたいじゃああん!」
「嘆いたって体型はかわんねえよい」
「くっそう!」
そう言いながらタックルがごとく突っ込んできて俺の腹をまさぐるなまえはどうせ自分が後々ショックを受けることなどわかっているのにこういう事をするのがよくわからない。
「…!この!細マッチョがあああ!!」
体型維持を意識した事はないが、太りにくく筋肉になりやすい体質のおかげでなまえのセリフ通りの体格のままの俺に死角はない。
摘まめるほどの贅肉があるわけもなく、まあ気のすむまで嘆かせてやろうと軽く抱きしめたままぽんぽんと頭をなでてやる。
腹の方でぶつぶつとこの腹筋だけよこせパイナップルなどという暴言が聞こえてくるが気にしない。
気にするまでもない。
「二次元になりたい。お肌とぅるとぅるで太らない体になりたい」
「体微分してちょっとずつ送ったらいけるらしいよい」
「微分してくれ」
「そんな技術ねえよい」
「やはり分厚い!!二次元と三次元の壁!!」
ぎゅうっ。
と力をこめて腰に抱き着けば足だけがぱたぱたと布団を叩く音が部屋に舞う。
少し汗ばんで湿った髪が少し軋んでいた。
(ちなみに何やるんだよい?)
(こないだやった髭の夏限定描き下ろしイラストの水着)
(最近それしかやってなくねえかい)
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20130703
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