こんなにも
「女子の予定ねえのかよい」
「ねえよ」
スケジュール手帳をぱらぱらと見ているなまえを後ろから抱きかかえる様にしたまま覗き込めば、それは名前なのか?と言いたくなるような文字と共にアニメかゲームのタイトルだろう文字が並んでいた。
不思議なものでコスプレイヤーというのは数か月先、下手したら一年先の予定が埋まってくる趣味らしくすでの半年先まで何を誰とどこでやるかまで決定しているらしかった。
スタジオ!イベント!遠征!毎週の様にキャリーカートを引き歩くのも見慣れたものである。
「あ、下着撮影あるわ。ホテルで」
「それ、男くるのかよい?」
「カメラしてくれるのも撮られる側もみんな女の子ー。遊び人を囲う女1」
「ふうん」
「みんな要員バラバラなんだよー。胸、デコルテ、背中、足、手、唇ー。私足ね」
「生足?」
「ガーターベルト指定されてるー」
ガーターベルトと聞いてそんなもの持っているのだろうかと首を傾げていれば、ガーターベルトってどんなんかまだわかってないんだよねえなんて携帯で検索を始める。
画面にうつるのは海外の下着モデルだろういい笑顔の美女の写真が並び、腹は出したくないだの文句をいいながらひとつひとつ見ているようだ。
「マルコどんなのが好き?」
不意打ちだった。
画面の中でああ、これなんか似合うだろうなあなんて思っていた矢先に見上げられ少し目線が泳ぐ。
それがわかったのだろう、再度画面に目線をうつしてこれ?とどんぴしゃで見せてくる写真は、少し小柄な日本人女性がモデルのシンプルでレースの少ないデザインのもの。
ああ、もうと思い目を片手で覆い遮断してみれば、何を確信にしたのかうんうんと数回頷いて別のページへと画面は移り変わる。
「私のイメージは、かっこいい女だから!こんなじゃないから却下!」
じゃあ、なんで聞いたと言いたくなったが押し殺してそうかいと一言返す。
くるくると移り変わる画面の中、時折なまえの理想なのだろうシュッとした美人の下着写真が大きくなり停止。また探して拡大を繰り返していく。
不意にあ。と声が上がる。
何事かと思っていれば検索キーワードを変更してまったく別物の画像がずらりと並んだ。
「ちなみに私はこういうネタパンツ好きだから今度買ってきてあげよう!」
そこに並んだ一発芸の様なメンズの下着たちに、本当に一瞬なんでこいつと付き合ってるのだろうかと疑問がわいた。
(股間に薔薇とかどうよ)
(…ねえよい)
(モビー柄)
(…)
(あり?)
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20130706
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