5

薫様に案内されて食堂の扉が開くと、中は白を基調にした優雅な空間が広がっていた。
金の縁を持つグラスや白磁の皿が整然と並び、そのひとつひとつが綺麗に光を受けている。
千鶴様はすでに席についていて、私たちが入室するとすぐに顔を上げてくださった。


『こんばんは、千鶴様。今宵、ご一緒できますことをとても嬉しく思います』


少し緊張が混じった声になってしまったかもしれない。
千鶴様はお優しい方で、何か冷たくされたことがあるわけではないのに、どうしても心がかまえてしまう私がいる。


「こんばんは、セラさん。こちらこそ、今夜は楽しみにしていたんです」


千鶴様は変わらぬ笑顔でそう言ってくださった。
その穏やかな声に胸の中の緊張が、少しずつほどけていくのを感じる。
私の隣にいた総司も一歩前に進み、静かに一礼した。


「王女殿下。今夜はお目にかかれて光栄です」

「総司さんもようこそ。今夜は四人で楽しみましょうね」

「じゃあ、座ろうか」


薫様の声が食卓の雰囲気を緩やかに変える。
私が座るのは薫様の隣。
向かいには千鶴様がいて、その横に総司が腰を下ろした。
席に着くと、薫様が白磁のボトルに手を伸ばした。


「今日は折角だし、俺が特別に晩酌してやろうと思ってさ」


白く艶のあるボトルが傾けられ、琥珀色に近い淡いワインがグラスに注がれていく。
透明なその液体は光を受けてふわりときらめき、私は少しだけ胸を高鳴らせた。


「北の葡萄を使った白だ。果実の香りがしっかりしてて飲みやすいんだよ。セラも少しくらいなら大丈夫だろ?」

『はい。ありがとうございます』


緊張で手のひらが少し汗ばむのを感じながら、両手でグラスを持ち上げる。
ほんのりと白桃のような香りが立ち上り、花の蜜と果実を溶かしたような香気に思わず鼻先を近づけたくなるほどだった。

皆で乾杯をしてそっと口をつけてみると、ひんやりとした感触のあと、やわらかな甘みとわずかに弾けるような酸味が広がっていく。
飲み込んだ後もほのかに甘くて、喉元があたたかくなるのが心地よかった。


『……おいしいです。とってもやさしい味』


つい小さくこぼした声に、千鶴様が目を細めて微笑んだ。


「セラさんはよくお酒を嗜まれたりするんですか?」

『いいえ、まだ今日で二度目なんです。ワインがこんなに飲みやすいものだなんて思いませんでした』

「ははっ、セラはまだ子供だね。ほぼ初心者じゃないか」

『もう、子供ではありません……』

「公爵邸では彼女の十五の誕生日に一度解禁しただけなんですよ。十六の誕生日の時も、飲まなかったよね」

「なるほどね。王宮には上等な酒が沢山あるから、お前も少しずつ慣れていくといいよ」

『お心遣いありがとうございます』


頬がほんのり熱を持ち始めていたのは、お酒のせいなのか、それとも周りの視線を意識しているせいなのか、自分でもよく分からなかった。

ふと視線を感じて顔を上げると、総司と目が合った。
総司はただ静かに口元を緩めただけだったけど、その表情がやけにあたたかく見えて、私は少し気恥ずかしく感じながらもグラスをもう一度持ち直した。


その後、穏やかな夕食の時間が始まった。
他愛のない話をしながら、一定間隔で運ばれてくる料理を頂き、ワインを嗜む。
微笑みながら皆の話を聞き少しふんわりとした気分でいると、薫様が空になった私のグラスにワインを注いでくれた。
お礼を告げてまたそれを一口飲むと、不意に総司が話しかけてきた。


「セラ」

『うん?』

「そろそろやめておいた方がいいよ。明日も妃教育があるんでしょ?」

『あ……そうだよね』


私が飲んだのはグラスの半分より下に注がれたワインを一杯だけ。
でも先程から頭がふわふわして、身体には熱が籠ったような感覚がある。
これが酔うということなんだと、はじめて実感した。
私は素直に頷いて、グラスをそっとテーブルに置く。
すると薫様が、笑いながら軽やかに言った。


「別にまだ飲んでもいいんじゃない?折角なんだし、セラの自由にさせてあげなよ」

「でも、これだけ赤くなってるんですよ。お酒に強くない子が、最初からあまり飲むのは心配じゃないですか」

「沖田は本当に心配性だね。でもセラが酔って立てなくなったら、俺が介抱してやるから問題ない。部屋にも一緒に戻ってあげるし、お前は気にせず飲みなよ」


二人の視線が私へと注がれて、思わず一度押し黙る。
でも総司の瞳はどこか不安そうで、それに気づくと胸が締めつけられるようだった。


『ありがとうございます。でも無理をすると良くないので、今日はここまでにしておきます』


微笑みながらそう告げると、薫様が少し不服そうにしている。
千鶴様はそんな私たちのやりとりを見て、くすくすと笑っていた。


「セラさんは、薫と総司さんの間に挟まれて大変ですね」

『いえ、そのようなことはないですよ。お二人に気遣ってもらって申し訳ないくらいです』


そう笑顔で答えながらちらりと千鶴様を見た。
笑ってはいたものの、その目元にはほんの一瞬だけ深い色が差したように見えた。
気のせいかもしれないけど……でも、心に小さなひっかかりが残ったのも確かだった。


「そういえば薫、昨日もお酒を飲んでいたわよね?」


唐突に千鶴様が問いかけると、薫様は「ああ」と軽く頷いた。


「昨日のは仕方なくね。夜まで使節団の相手してたから、沢山飲む嵌めになって大変だった」

「あの後、薫がずっと部屋に戻ってこなかったから、私探してたのよ」

「昨日はセラの部屋でそのまま寝たんだよ。朝になって、自分の部屋に戻ったんだ」


その言葉が落ちた瞬間、ぴくりと反応したのは千鶴様だけではなかった。
総司の指先が微かに止まったのが見えた。
私の心臓がいやな音を立てて鳴り始める。
酔いでぽかぽかしていた身体が、一瞬で冷えるような感覚が走った。

昨晩のことは総司に何も話していない。
それが余計に後ろめたく感じて、視線を上げられなかった。


「そう……セラさんのお部屋で。お二人の仲がそこまで進展していたなんて、知りませんでした」

『……いえ、そうではないんです。薫様は昨晩、本当にお疲れのご様子だったので……』

「でも一晩を共にする仲なのでしょう?」


場の空気が、静かに変わっていくのが分かった。
沈黙を割るように置かれた総司のグラスの音が、冷たく響いた気がして拳をきつく握る。
すると次に言葉を発したのは薫様だった。


「俺達は婚約してるんだから、親しくして何が悪いんだよ」 


薫様の声は、酔いのせいなのかいつもより熱を帯びていた。
だけど……このままでは、総司に勘違いされてしまう。
それだけは、絶対に避けたかった。


『違います。昨日は本当にたまたま……べつに薫様とはそういう関係ではないんです』


言葉がもつれて、追いつかなくなる。
否定すればするほど、必死になればなるほど、逆に妙な空気になってしまうのは分かっているのに。
けれど総司の視線が私に向けられていて、その瞳が揺らいでいることだけは感じとれてしまったから、背中に冷たい汗が滲んでいくのがわかった。


「セラ」


ふいに薫様が私の名前を呼んだ。
私が彼の方に視線を向けると、ぐっと距離を詰めてきたその動きに私は思わず息をのむ。


「そんなに否定すること?別に恥ずかしいことじゃないと思うんだけど」

『で、ですが……私は本当のことを話しているだけで……』


焦って言葉を返すけど、何をどう言っても裏目に出る気がして、心臓がどんどん速くなる。
薫様の顔がいつもより熱っぽくて、まるで空気までもが私に何かを試すように張りつめていた。


「じゃあ、セラは俺といるのがいやだったの?」

『……そういうことではなくて……』

「今朝だって、お前が甘えてきてくれて俺は嬉しかったんだけど」

『え?……あ……』


違うのに、あれはそうじゃないのに……。
でもあの過ちは間違いなく私が悪いから、後悔が押し寄せて視界が歪む。
どうしよう、本当に……頭が真っ白になって何も考えられない。
総司への罪悪感が溢れて今にも泣き出しそうになった時、穏やかな千鶴様の声が耳に届いた。


「薫、あまりからかわないで。セラさんが困っているわ」


もう顔を上げられなかった。
今総司の顔を見たら泣いてしまいそうで、そんな自分が嫌でたまらなかった。


「からかってないよ。ただ、セラの口から聞きたいだけだ」

「何を聞くと言うの?」

「俺をどう思ってるかだよ。ねえ、セラ。少しは俺のこと好きになってくれた?」


肩を掴まれて横を向けば、薫様の眼差しが真剣なものになっていた。
私が何も言えずに固まっていると、すぐ傍からは千鶴様のため息が聞こえてくる。


「薫、少し酔い過ぎてるわ」

「は?酔ってるわけじゃないんだけど」

「それなら、そういうことは二人の時に話して」


薫様は不服そうに舌打ちをしたけど、その頬は確かに赤い。
肩に触れていた薫様の手がようやく離れて少し安堵したのも束の間、千鶴様が再び口を開いた。


「それに私が意外だと言ったのは、それだけではないんですよ?」


千鶴様は穏やかな声色を崩さずワイングラスを指先でゆっくり回しながら、やわらかな笑みを浮かべて言った


「セラさんが、婚前に男性を自室に招き入れてしまうことや、一夜を共にしてしまうことが少し意外だったんです」


その言葉に胸の奥に冷たいものが降りて、私は反射的に目を見開いてしまっていたと思う。


「公爵家にいた時も、そうだったのかしら?」


まるでおしゃべりの延長のように、千鶴様は軽やかに言葉をつなぐ。
でもその瞳の奥には、わずかに意図を秘めた光が宿っているようにも感じられた。


『……いえ、違います。そのようなことは……』


うまく言葉にならないまま俯きかけた私を庇うように、今度は薫様が低く声を発した。


「千鶴、セラを虐めるのはやめろ。セラはそんな軽い奴じゃない」

「虐めているわけではないわ。ただ見かけによらず、色々と経験済みだったりしたらって考えたら面白くて。ねえ、その時薫はどうするの?」


まるで無邪気に人を試すような微笑を浮かべながら、千鶴様は問いかける。
その言葉に、食卓の温度がまた一瞬で張り詰めた。
なぜなら薫様の瞳が、一気に冷たい鋼のように変わったから。
柔らかな笑みを浮かべていたその顔が、ほんの一瞬で感情の温度を失っていくのが見てわかった。


「仮にそうだとしたら、その相手の男を引っ張り出して、二度と表に出れないようにしてやればいいだけさ」


その言葉が冗談ではないと感じたからこそ、私は背筋を凍らせたままその場に座っているのがやっとだった。
でもそんな緊張をよそに薫様はすぐに表情を緩めると、私の方へ顔を向けて微笑んでくれた。


「でも、お前はそんな軽い奴じゃないよね」


やさしい微笑だったけど、その問いかけには明確な意図があるように感じてしまう。
私は喉の奥がつかえるような思いのまま、小さく頷くしかなかった。


『……はい』

「良かった。俺はセラがいてくれればそれでいいし、側室を迎えるつもりもない。お前のことだけ大切にするから、お前も俺のことだけ考えて」


その言葉があまりに真正面からで、逃げ道がどこにもなかったから、返事を求めるように見つめられると私の心は更に苦しくなっていく。


『………』


隣には薫様がいて、目の前には千鶴様がいる。
この状況で否定の言葉を紡ぐことは到底できなかった。
本当は総司の前で、頷くことはしたくない。
でもだからといってこの場で背くような態度も取れず、迷いに迷った末、「はい」とできるだけ声を小さくして返事をした。
その瞬間、ふっとため息が聞こえて、視線を向ければ千鶴様が肩をすくめながら笑っていた。


「……私達、先程から何を見せられているんでしょうね。総司さんもそう思いませんか?」


その言葉に思わず身を固くしてしまう私がいる。
申し訳なくて心が痛くて、総司の方を見ることが出来なかった。
総司が今どんな顔をしているのかなんて、想像するのも怖かった。

けれどやっぱり気になってしまって、そっと彼の方に視線を向けてしまった。
すると総司は何食わぬ顔で、柔らかく微笑んでいた。


「本当ですよね」


それはまるで本心などどこにも見せないような、完璧な笑顔だった。
 

「ですが殿下がセラを大切にしてくれてるみたいで、僕も安心しましたよ。これからもセラのこと、よろしくお願いします」


その言葉に、私は胸の奥をぐっと掴まれるような感覚を覚えた。
だって、私が知っている総司はそんなふうに言う人ではなかったから。
彼はいつも自分の感情にまっすぐだった。
嫌なことがあれば眉をひそめるし、苛立てば言葉にすぐ棘が混じった。
誰に対しても忖度などしない人だった。

けれど今の総司はまるで自分を抑え込むように、穏やかな微笑を浮かべている。
私たちの関係が知られないようにと、誰よりも冷静に振る舞ってくれている。
それは総司にとって簡単なことではないと私には分かるからこそ、その優しさが心に沁みて痛かった。


「当たり前だ。それにセラを蔑ろにしたらお前が黙ってないだろ、沖田」

「僕ですか?」

「ああ。セラを悲しませたら、それこそお前に殺されそうだ」


薫様が冗談めかしてそう告げた声には少しだけ本気が混じっていて、総司の顔を思わず見上げてしまった。
でも総司はただ、笑っていた。
何も言わずに、まるでその言葉を否定するつもりもないように。
そんなやりとりのあとで、千鶴様がくすくすと笑って美しい唇をほんの少し開いた。


「セトも言ってましたよ。この前の試合では、本気で総司さんに殺されるかと思ったって。剣を落とした後も、セトを何度も斬りつけたそうですね?」

「ああ。俺が止めなければ、沖田はあの男を殺していたんじゃないか?」

「ふふ、怖い方ですね」


千鶴様はそう言いながらも、なぜか楽しそうに微笑んでいた。
けれど私はそれを聞いて、すぐには言葉が出なかった。


『……あの、何の話をされているのですか?総司とセトさんが試合を……?』


私の問いかけに、皆の視線がふとこちらに集まる
それから薫様が小さく溜息をついて、私をまっすぐに見つめた。


「セラの近衛騎士をかけて、沖田とセトが真剣で勝負をしたんだ。沖田から聞いてないの?」

『……え?真剣で……ですか?』

「ああ、沖田は強かったよ。でもセトの剣を弾き飛ばしてからも、何度も斬りかかってね。最後は心臓を狙って剣を振り上げたんだ。あれは俺が止めなければ、確実に斬っていたと思うよ」


知らなかった。
私の近衛になるために、総司がそんな危ないことをしていたなんて。
もしかしたら総司が怪我をしていたのかもしれないのに。


「僕はすべて、ルールに従っただけですけどね」


総司の声は淡々としていて、何の熱も怒りも含まれていなかった。
けれど、私は知っている。
総司がそういう顔をしているときは、心の奥で何かを押し込めているときだ。
私が思わず唇をきつく結ぶと、千鶴様が笑って涼やかな声で言った。


「セトはまだ療養中なのですよ?あまり私の大切な近衛騎士達を虐めないでくださいね?」

『……千鶴様、申し訳ありません。千鶴様の大切な近衛騎士の方を傷付けてしまったこと、深くお詫び申し上げます』


姿勢を正して、丁寧に頭を下げた。
けれど総司の行動は、私を護るためのものだった。
誰よりも私の傍にいたいと願ってくれたから。
それがきっと、剣の動きに出てしまったのだと思う。


『総司は、私の近衛騎士になるために、忠誠を尽くしてくれたのだと思います。ですからこの件は、全て私の責任です』


そう言うと、千鶴様は柔らかく微笑んだ。


「ふふ、気になさらないでください。勝負を持ちかけたのはセトの方だと聞いていますから」


優しい声、優しい瞳。
けれどその笑顔が綺麗すぎて、どこか心に引っかかった。
美しいものほど、ふとした時に残酷な何かを纏う。
そんな錯覚に陥ってしまいそうなほどに、彼女の笑みは完璧だった。


「でも……総司さんと薫って、少し似たところがあるかもしれませんね」

「は?どこが?俺はこいつみたいに戦闘狂じゃない」


薫様が小さく息を吐きながら答えたそのすぐ後。


「僕も正直、似ているとは思いませんけど」


総司が静かに口を開いた。
その声には特別な色はなかったけど、言葉を選んだ末の答えのように感じられた。

私自身も総司と薫様が似ているなんて、これまで一度も感じたことがなかった。
けれど千鶴様はそんな私たちの反応を楽しむように、唇に少しだけ弧を描いた。


「だって……薫も、総司さんも。欲しいものは絶対に手に入れないと気が済まない方ではありませんか?」


その言葉を聞いて、二人は互いに目を合わせることなく、視線を少しだけ逸らしていた。
きっとその言葉に思い当たることがあったのだろう。
それぞれの心の内があるのだと、その沈黙が教えてくれた気がした。
私はただその様子を見ていて、胸の奥が波打つのを感じる。
やがてその沈黙を破ったのは薫様だった。


「どうだろうね。俺は全部を思い通りにできるほど器用じゃない。でも諦めろと言われたら、それはそれで腹が立つ」

「ふふ、やっぱり。薫は昔から諦めが悪いもの」

「当たり前だ。本気で欲しいと思ったら、黙って引いたりなんてできないだろ」


そう呟く声は穏やかな語り口なのに、底には確かな意志がある。
決して情熱を言葉にしない人だけど、内に燃えているものは誰よりも強い。
そんな薫様の在り方を、私は改めて感じた。
そしてそれに続くように、総司が口を開いた。


「僕はその欲しいものが、自分の身の丈に合ってるかどうか最初に見極めますけどね」


その言い方は淡々としていて、感情をそっと包んで隠すような響きをしていた。


「自分の努力でどうにかなるものなら、手を伸ばすこともあるかもしれません。でも世の中には、熱意だけではどうにもならないこともあるじゃないですか。そういうものに関しては最初から欲しがりませんよ。割に合わないことは昔から嫌いなんですよね、僕」


それは一見して誠実で、冷静な騎士の言葉だった。
最後は敢えてふざけるように紡がれたその言葉が、意図的に本当の気持ちを避けていることは私にはわかった。


「お前らしいね。でも確かに、身の丈を考えることは大事なことだ」

「ええ。そもそも僕と殿下では立場も何もかもが違いますから。似ていると言われても、正直あまりしっくりはきませんよね」


冗談めかして言ったその一言に、薫様の目がわずかに細められる。
けれどそれ以上のことは口にせず、笑みを浮かべるだけだった。
総司は巧みに話を逸らし、曖昧な表現で場を収めてみせた。
けれどそこに込められた本音ではない想いに気付いてしまう私は、一人静かに聞いていることしかできなかった。


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