8

王宮から戻った夜、総司は眠りの世界に沈んでいく私を、後ろから抱きしめてくれていた。
けれど、気づいた時には寝着はすっかりはだけていて、総司の指先は私の身体を熱く火照らせていく。
私の身体に優しく触れてくる総司は、夢の中にいた私を現実へと引き戻した。


『……ん……ぁ……』

「あれ、起きちゃったの?」

『……総司が起こしたんでしょう?』

「セラは寝てていいよ。好きに触らせてもらうから」


そんなことを言われても、総司の手が身体に触れる度に熱くなる身体は、睡魔に襲われながらも込み上げてくる熱に浮かされていく。
いつのまにか潤ってしまった場所を幾度も撫でられると、身体はびくんと揺れ、小さな声が漏れた。


『あ……やあ……今日は何もしないって……』

「ごめん、セラが可愛いからどうしても触りたくなっちゃったんだよね」


くすりと笑う総司は、言葉とは裏腹に然程悪いとは思っていなさそう。
片脚を後ろから軽く持ち上げられた時、すっかり下着まで脱がされていることに気づいた。


『……あっ、総司……』

「ん?」

『……それ……気持ちいいの……』


ぬるぬると滑る場所を総司の指がゆっくり優しく往復する。
ただそれだけなのに次第に息はあがり、唇を割って甘い息が溢れた。


「……そんな可愛いこと言われたら、興奮する」


背後から触られているから総司の顔は見えないけど、総司の呼吸も僅かに切ない熱を持ち、お尻に彼の硬いものがあたると鼓動がより早くなる。
敢えてゆっくり、敏感な下半身の膨らみの上で指の輸送が繰り返されれば、限界が近づき身体が震えた。


『……ふっ……ぁ……もう……』

「イっていいよ」

『……ゃ、……あっ……、イっちゃ……っ……』


指の動きが早められ、胸の先端を同時に弄られると、じわじわと抗えない気持ち良さが這い上がってくる。
その瞬間は気持ちいいこと以外何も考えられなくなって、小さな痙攣と共に絶頂を迎えた。


『……っ、はあ……あ……』

「上手にイけるようになったね」


息を吸い込んだ時、すぐ後ろから総司の声が耳元に落とされる。
少しばかり荒くなった総司の吐息に身体がぞくりと反応して、目をぎゅっと瞑った。


「指、挿れるね」


ゆっくりと押し広げるように総司の指数本が膣内へと埋められる。
中を擦られる度に甘い疼きが広がり、刺激を求めるかのように下腹部に力が入った。


『あっ……そ……じ……』


大好きな人に触れられて気持ち良くならないわけがない。
総司にされるがまま身体を預けて、与えられる快楽に身を委ねるこの時間がたまらなく幸せだった。


「セラの中、すごくあったかい……この中に挿れたら気持ちいいんだろうな」

『ん……ごめん、ね……総司に我慢させて』

「謝らないでよ。それに僕の意思でもあるんだよ、きちんと夫婦になってからしたいんだ。それまで楽しみにとっておくのも悪くないでしょ?」

『本当にそう思ってくれてる?』

「勿論。それに想像するだけでも十分気持ちいいしね」


私は今、こうして総司に触れられるだけで気持ち良くて精一杯になってしまう。
いつか総司と最後まで肌を重ねたら……なんて、今はまだうまく想像出来ないけど、後ろから私を抱きしめる総司の腕に力が込められると、総司の唇が私の耳元に優しく触れた。


「セラは?」

『……え?』

「僕と最後までする想像、したことある?」

『ううん……まだ、ないけど……』

「じゃあ今してみたら?」


その言葉と同時に、私の中をやんわり動いていただけの総司の指が深く埋められた。


「僕の指を、僕のに挿れられてるって考えてみて」

『あっ……』

「……僕ので中を擦られるの、気持ちいい?」


そんなことを言われたら、思わず想像してしまう。

総司のあの……大きなあれが私の中に……
ぐちゅぐちゅという水音と共に中を掻き回されて、それが総司のものだと思うと、奥から迫り上がる興奮に似た感情が一気に脳を甘く刺激する。


『……んぁ、やあっ……あっ……』

「……は、セラの中、気持ちいいよ」

『あっ……だ……め、イっちゃっ……、ああっ……』


思わず想像してしまったら、あっという間に快楽が上り詰めて果ててしまった。
なんだかいつも以上に気持ち良かった気がして朦朧としながら肩で息をしていると、腹部に回されていた腕により強く抱き寄せられた。


「すっごい早くイっちゃったね。そんなに僕に挿れられる想像するの、良かった?」

『……ち、違うもん……』

「へえ?」


私を上から見下ろした総司はにやにやしながら意味深な笑みを浮かべている。
恥ずかしくて視線を逸らしていたけど、そんな私の唇には総司の温かい唇が優しく重ねられた。


「セラって性格だけじゃなくて身体も素直なんだね」

『もう……馬鹿にしてる?』

「ええ?してないってば。そんなところが可愛いってこと」


再び柔らかい唇が振ってきて、何度も繰り返される優しいキスに幸せを感じる。
そしてそれは徐々に深くなり、総司の舌が絡められると頭の中は総司一色になる。


「さてと、今度こそ寝ようか」

『え?でも……総司は?』

「僕はいいや。セラの身体を汚しちゃったら、またお風呂入るようになっちゃうし」

『だ、だめ……』


私のネグリジェの胸元を直そうとした総司の手を掴んでそう告げると、彼はきょとんと目を瞬いている。


『総司もちゃんと気持ちよくなって。そうじゃないと私が嫌だよ』

「気にしなくていいのに」

『気にするとかじゃなくて、総司にも幸せな気持ちになってほしいの。私は総司に触ってもらうと気持ちいいし幸せだから』


そう言いながらも、私はいつも全て総司に任せているだけで何もしてあげられていない。
知識がないからと言ってこの状況に甘んじていたら駄目だと、総司の硬くなった場所をそっと撫でた。


「ちょ、何してるの?」

『今日は私が総司を気持ち良くしてあげるね』

「そんなことしなくていいって前にも言ったでしょ?」

『でも前も少し触ったよ。総司は私に触られるの、いや……?』


総司をじっと見つめて尋ねると、ふいと視線が逸らされる。


「別に嫌とかじゃないけどね」

『良かった……。じゃあ、脱がせてもいい?』


上体を起こし、寝ているままの総司を見下ろすと、眉を顰めた総司。
私の頬に手のひらをあてると、怪訝そうに口を開いた。


「もしかして、まだ酔ってるの?」

『もう酔ってないと思うけど』

「ふうん、怪しいな」


総司はあまり嬉しそうにはしてくれない。
やっぱり女の子からこういうことをするのは、良くない?
少し不安に思いながらも、とりあえずそっと総司の膨らみを撫でてみる。
するとぴくんと反応するその様子に胸が高鳴り、総司を気持ち良くしてあげたいという想いが溢れた。


『総司を気持ちよくさせてあげられるように頑張るね』


総司の瞳が見開かれた時、思い切って彼の下着を脱がせていく。
私が総司を見つめると、総司は熱の籠った瞳で見つめ返してくるから、恥ずかしさを捨てて、彼の中心を手のひらで包み込んだ。


「……ん、セラ……」


総司は片腕を額に乗せて、瞳を細めて私を見つめている。
その少し照れくさそうにしている様子が可愛いらしくて、握っていた手を優しく上下に動かした。


『総司、だいすき……』

「……僕も……」

『気持ちいい……?』

「うん、気持ちいいよ……」


総司の表情を見ながら先端を撫でたり動きを早めたりしても、総司がどのくらい気持ちよく感じてくれているのかよくわからない。
だから総司はいつも私にどんなふうに触れてくれるのかを思い出していると、ふと一つできそうなことが浮かんだ。


「……っ」


そっと顔を近づけて、総司の反り勃った中心をゆっくり下から舐めていく。
大好きな人が一番気持ちよくなれる部分だと思えば、恥ずかしさより愛情が勝って、裏側にそっと舌を這わせた。


「……は、セラ……何して……」

『ん……』

「セラ、そんなことしなくていいよ……、……っ……」


手だけでするより、口も同時に使った方がずっと総司の反応がいい。
総司の言葉に返さない代わりに彼を見上げながらその場所を大切に舐めていくと、総司の息はあがり揺らいだ瞳が私を見つめていた。


「……はあ……、気持ちい……」


懸命に舐めていると総司の中心部は私の唾液と総司から出た液体で滑りが良くなる。
円滑になったその場所を手で上下しながら先端を優しく咥え、舌を先っぽの溝に絡ませると、総司の表情が切なげに歪んだ。


「……ぁ、それ……やば……」

『……ふ……、ん……』

「……は……、セラ……」


総司が可愛い……
凄く気持ちよさそうにしてくれてるし、少し恥ずかしそうに歪められた表情がたまらない。
総司を見上げながら夢中になって手と舌、唇を動かし、深くまで咥えて刺激することを続けていると、しばらくして総司は苦しそうに熱い息を吐き出した。


「……も、口離していいよ……イきそうだから……」


今日は私が総司を気持ちよくしてあげたい。
ちゃんと最後まで続けて、このままイかせてあげたい。
だから総司のより硬くなった中心部を咥えることをやめないまま、手の動きを早めた。


「あっ……セラ、だめだってば……」

『……ん、ふ……』

「……く、……あっ……」


手の上下運動はそのままに、咥えた場所を舌全体でぐるりと舐める。
びくんと揺れた場所を舌の表面で優しく刺激すれば、総司の声や表情がより切なげなものに変化していった。


「……う……ぁ、……ちょっ……ほんとに……」

『……ん……っ……』


気付けば総司の声やその表情に魅了されて、夢中でその場所を舐めていた。
強弱をつけながらも優しく、手の動きも止めないまま。
ただひたすら総司を想ってしていると、総司の顔が一気に歪んだ。


「あっ……く、……出るっ……」


総司の甘い声が耳に届いた刹那、口内には温かくて苦い液体が噴射される。
びくぴくと揺れた総司の中心部を咥えたまま全てを受け止めて、そっと唇を離すと、僅かに息遣いを荒くした総司が熱の籠った瞳で私を見つめていた。


「ごめん……、ここに出して」


目が合うと、はっとした様子で上体を起こした総司が私の顔の前にタオルを差し出してくれる。
けれど私が躊躇いなく飲み込んでしまえば、総司は唖然とした様子で私を見つめた。


「え?まさか飲んだの?」

『うん』

「うんって……何やってるのさ、汚いでしょ」

『ううん、総司のだと思ったらむしろ飲みたかったの』


総司の身体で作られたものだと思えば、この身体に取り込みたいと思った。
なんだか凄く満たされて幸せを感じながら微笑むと、総司は少し照れた様相で微笑み返してくれた。


「なんか……驚いたな。まさかセラにこんなことしてもらえる日が来るなんて思ってもみなかったんだけど」

『ちゃんと気持ち良かった?』

「うん、凄く気持ち良かったよ。ありがとう」

『良かった。いつもしてもらうばっかりだったから、少しでも総司に気持ち良くなってもらえたならいいなって、思ったの』


総司は優しく私の髪を撫でると、そのまま私をベッドの上で組み敷いた。


「そんなに可愛いこと言わないでくれる?」


総司の瞳が細められた直後に唇が降ってきて、優しく深く重なっていく。
舌が絡まり合い、口内の潤いがどちらのものかもわからなくなった時、名残惜しそうに唇が離された。


「セラの口の中、変な味がする」

『ふふ、総司の味だよ』

「あんなの、よく飲めるよね」

『総司のだけは特別かな。おいしかったよ』


何の気なしにそう言っただけなのに、総司は苦笑いをしている。
そしてにやりと口角を上げると、私の脚を開かせ、その中心に顔を埋めた。


『え、や……なに……っ』

「僕もセラのを味わいたくなったんだよ」

『だ、だめ……今日はもう寝ないと……』

「僕がやられっぱなしのまま素直に寝ると思う?」


総司の熱い舌が優しく敏感な場所を舐めれば、身体は否応なくぴくりと揺れる。
ちゅっと音を立てて吸われたり、執拗に舌で転がされる度に、快楽が身体に沸き立っていった。


『……あ……ああっ……』


温かくて柔らかくて気持ちいい。
同じところばかり何度も往復されれば、すぐに下腹部に力が入り始めた。
腰が僅かに浮いた時、私の腰を掴んでいた総司の手が、下腹部を優しく押す。
その途端に快楽が全身に駆け巡り、頭が痺れるような絶頂を迎えた。


『はぁ……っ……』


まだ胸が上下している。
けれど絶頂の余韻に浸る暇もなく、総司はまるで私を手放す気がないみたいに、敏感になった先端を舐め続けていた。


『……あ……っ、総司……だめ……っ、もう無理だよ……』

「こんなに気持ちよさそうに震えてるのに?」


総司の声は甘く耳に落ちてくる。
同時に、敏感な部分をくちゅくちゅと細かく舌で擦られるたび、思わず腰が跳ねてしまった。


「ねえ、セラ……わかる?僕の舌が触れるたびに、嬉しそうに応えてくれるんだよ」


囁きながら、意地悪く膣内に指先を押し込む。
すると身体がぴくんと反応して、その刺激を待ち侘びるかのように中が締まった。


『あ……、……あぁ……っ』

「ほらね。……可愛い。ほんとに全部が素直で……ここもぐちょぐちょ」

『……や……やだぁ……、もう……』

「やだって言うのに、こんなに濡れてるのはどうして?」


恥ずかしい言葉を突きつけられ、顔が熱くなって何も言えなくなる。
答えられない私に、総司は喉の奥でくすりと笑った。


「じゃあ、もっと聞かせて。セラが気持ちよくなってる声」


そう言うなり、総司は指の動きをさらに強めていく。
水音が夜の静けさに溶けて、羞恥心が一層掻き立てられるようだった。


『……っ……ん……やめ………』

「やめない。だって、まだ奥まで届いてないし」


指が深く押し込まれると同時に、奥の敏感なところに触れられて、頭の中が真っ白に飛んだ。


『……やぁ……っ……ああっ』


全身が痙攣して果ててしまっても、総司は止めずに続けた。


「……まだ震えてる。可愛いね……もっと見せて」


快楽の余韻に喘ぐ身体を休ませてくれないまま、同じ場所を執拗に指先で攻め立てられる。
触れ方は優しいのに追い上げるようなその動きに、足ががくがくと震えて、声さえ途切れ途切れにしか出なくなった。


『……はぁ……っ……や……あ……っ、も、もう……』

「いいよ。何度だってセラを気持ちよくしてあげるね」


総司の指や舌の動きに、ただ翻弄されたように身を捩る。
何度も何度も、まるで終わりがないみたいに絶頂を何度か繰り返し、もう声さえうまく出なくなって。
視界が滲んで頭が真っ白に染まり、気づけば総司の腕にしっかり抱きしめられていた。


「……セラ、可愛すぎ」


耳元で零れる声に、ぞくりと背筋が震える。
私の世界は総司だけになって、その逞しい胸に甘えるように擦り寄った。


「あ、そうだ」


総司が私から身体を離してしまうから寂しく感じていた時。
総司は再び私の脚を開かせた場所に顔を寄せるから、目を見開くことになる。


『や……ほんとにもう……』

「うん。ここ、たくさん濡れちゃったから僕が綺麗にしてあげる」


その言葉の意味を考えるより前に、総司はその場所を綺麗に舐めとるように舌を這わせる。
膣内まで舌が入り込み、身体はびくんと揺れたけど、全て綺麗にしてくれた総司は再び私を組み敷き満足気に微笑んだ。


「はい、おかえし」


唇に触れたキスが、ゆっくりと深まっていく。
舌先がそっと唇を割ると、甘くて、ほんの少しだけ苦い味がした。


「これが君の味だよ」


その言葉を聞いて、どうしようもなく恥ずかしくなった。
思わず総司の肩に顔を埋めると、彼は静かに私を抱き寄せてくれる。
その腕の中はあたたかくて、息をするたびに安心が広がっていくみたいだった。
そっと顔を上げると、また重なった唇。
唇や舌が触れ合うだけで総司と一つになれているみたいで、こうして過ごせる毎日が本当に幸せだと思う。


『総司、大好き……』

「僕もだよ」


総司の声がやわらかく響いて、胸の奥に沁みていく。
総司の気持ちはちゃんと伝わってくるけど、やっぱり言葉で聞きたくて、私は甘えるように彼の左腕に頬を寄せた。


『今日はまだ言ってもらってないよ?』

「え?」

『好きって』


さっきも、私が大好きって言ったら、「僕も」って返してくれただけだった。
それが不満なわけじゃないけど、大好きな人にはちゃんと好きって言葉で伝えてほしい。
そんなわがままな気持ちが抑えられなくて、総司を見上げると、彼は一瞬きょとんとしてからおかしそうに笑った。


「ふはっ、何を言うのかと思えば。セラって本当に僕のこと、好きだよね」

『当たり前でしょ?総司は違うの?』

「えー?僕?」


にやりと笑ったその顔が、少し意地悪で。
わざと焦らすように、なかなか好きって言ってくれない。


『私のこと、好きだよね?』

「うん」

『うん、じゃなくて。早く言って』

「言ってもいいけど、セラは僕が自発的に言った好きじゃなくても嬉しいの?」

『それは……』

「お嬢様の命令には逆らえないから、言うことは簡単だけどね」


思いがけない言葉に、思考が少しだけ止まった。
ぼんやりとした頭で、総司の言葉を反芻する。


『それは……総司は、自分からは好きって言ってくれないってこと?』

「まあ、このままだとそうなるかな」

『……私のこと、そんなに好きじゃないってこと?』


眠気のせいなのか、自分の言った言葉に胸の奥が感傷的になって視界が滲む。
総司の瞳が驚いたように揺れたから、私は敢えて眉を下げて目元を手で押さえた。


「……え、セラ?違うってば。冗談だよ?」

『……ぅ……』

「ああ……ごめん、ごめんね。泣かないで。セラのこと、大好きだよ」


焦ったような声でそう言って、総司は優しく私の頭を撫でてくれた。
その手のぬくもりがあたたかくて、頬が自然にゆるむ。
目元を隠していた手を離して、私は微笑みながら彼を見上げた。


「……あれ?」

『ふふ』

「まさか嘘泣きしてたの?」

『うん』


さらりとそう言ってみれば、じっとり睨まれたけど。
ふっと息を吐いた総司は、柔らかく笑って私の頬を撫でた。


「ほんとに……困ったお嬢様だね。純粋な僕の気持ちを弄ばないでくれる?」

『今のはたまに意地悪されるお返しだよ』

「へえ?僕にそんなことしたら倍返しされるって思わないの?」


総司の優しく笑う顔や、少し焦った顔、真剣な表情や切なく歪む顔、その全てが大好き。
それに、こうして意地悪く笑う表情も好きだから、そんな彼を見上げたまま鼓動が早くなるのを感じていた。
ずっとずっと大好きで、想いが通ってからはもっと好きになって。
距離が縮まった今も、総司が目の前にいると私の心臓は苦しいくらいドキドキしてしまう。
私はこれから先もきっと、一生を懸けて総司に恋をし続けるんだろうな。


『別に総司になら何されてもいいよ』

「はい?」

『総司が私のこと、一番に大好きって思ってくれてるなら、どんなに意地悪されても全然平気』


私が一番怖いのは、総司の気持ちが私から離れていってしまうこと。
だからそんな日は絶対に来ませんようにと願いながら、甘えるように総司の手のひらに頬を擦り寄せた。


「なんか、ずるいな。そんなこと言われたら優しくしたくなっちゃうじゃない」

『じゃあ優しくして』


総司はくすりと笑うと、私を引き寄せ優しくキスを落とした。
触れるだけの口付けが角度を変えては何度も触れて、その優しい温もりに誘われ瞼が重くなっていく。


「セラ、好きだよ」


総司の声を聞きながら、幸せに身を委ねて瞳を閉じる。
私を包む温かいぬくもりが心地よくて、総司の腕の中、夢の世界へと意識を手放した私がいた。


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