悪魔に一目惚れ

今は葬儀屋。





昔は死神。









昔々の話。
銀髪の死神は日々黙々と魂を狩っていた。








そんなある時、出会った。



亡骸の前に佇む黒髪にルビーの瞳を持つ女。







銀髪の死神は害獣駆除の為にデスサイズを振りかざす。
















ギリギリの所でデスサイズは止まった。

黒いドレスに美しい腰までの黒髪、冷酷な赤い瞳。
この女は悪魔である。


人間の魂を喰らう、悪魔。










その悪魔に


銀髪の死神は一瞬にして心奪われてしまったのだ。













「私を殺さないの?死神さん」


「…この小生が…害獣に心奪われるなんてね…」





銀髪の死神は小さな声でそう言うと悪魔の手首を掴み、抱き寄せた。

「…どうやら小生は君に恋をしてしまったようだよ」



銀髪の死神はそう言うと悪魔に口づけをした。




「ちょっと何するのよ!馬鹿じゃないの?私は悪魔よ」


「分かって居るよ」


「あなたは死神でしょ?」



「そうだけど」







バタバタと暴れる悪魔を銀髪の死神が自分の腕の中にすっぽり収める。








「離してよ!一体何なのよ!」


「小生だってよく分からない」








何だか分からない。


けれども胸が高鳴る。



この不思議な気持ち。

それからどれぐらい経っただろうか。






「はい、アンダーテイカー。紅茶よ」


「いやぁ、すまないねぇ」




口元が緩む銀髪の元・死神。今は葬儀屋。





「何ニヤニヤしてるの?」


「こうしてマリアと過ごせるのが嬉しくてねぇ」














小生もよく分からない。




一目惚れなんてないと思ってたのに、一目でマリアに惚れて…

それも死神の敵である筈の悪魔に一目で惚れた。





そして死神と言う立場も全て捨てて、悪魔のマリアとずっと一緒に居たいと思った…。






それから死神と言う立場を捨て、葬儀屋として、愛するマリアと一緒に過ごし始めて…






何百年も一緒に居てもマリアへの愛は変わらない。






愛や恋とは不思議なものだね。


ちょっとした事でも嬉しかったり、悲しかったり。

愛する人の為なら全てを捨てる事はとても簡単。






毎日毎日マリアが愛しくて愛しくてたまらない。









マリア



これからもずっと、小生のそばに居ておくれよ?