「テイカー先輩!おはようございます!」
「おはよう。君、眼鏡は?」
「忘れました。えへっ」
「『えへ』じゃないだろ…」
気怠そうに喋る、死神アンダーテイカー。
「それより『君』じゃなくてマリアって呼んでください!」
新人死神のマリア。
先輩死神のアンダーテイカーは新人死神のマリアの教育系として一緒に仕事をしている。
アンダーテイカーは自分の掛けている眼鏡を外し、マリアに掛けてやる。
「うわぁー!よく見えるー!テイカー先輩ありがとうございます」
「次からは忘れるんじゃないよ」
「は〜い」
アンダーテイカーの眼鏡を掛けるマリアに、他の女子死神の視線が集まる。
別の日。
ドアをノックする音。
「こんなに朝早く誰ですかぁ?」
パジャマ姿で眠たそうな瞼を擦るマリア
「今日は月曜日だよ」
ドアの前には冷たい瞳でマリアを見るアンダーテイカー。
「テ、テイカー先輩?何で私の部屋に?」
「君が出勤時間になっても来ないからねぇ…」
死神派遣協会女子寮に一人の男、アンダーテイカー。
「すみません!今支度します!」
慌てて身支度をするマリア
また別の日。
魂の回収作業をするために外を歩くアンダーテイカーとマリア
アンダーテイカーが周りを見渡すと、全ての人がコートを羽織っている。
アンダーテイカー自身もコートを羽織っている。
しかし、マリアはスーツを着ているだけ。
マリアは寒そうに身震いしている。
アンダーテイカーは自分の羽織っているコートを脱ぐと、マリアに掛けてやる。
「君は寒さを感じない程馬鹿なのかい?」
「寒いですよぉ!今日は遅刻しそうだから忘れちゃったんです!」
馬鹿呼ばわりされ、頬をぷくっと膨らませる。
魂回収作業を終え、死神派遣協会へと戻るアンダーテイカーとマリア
アンダーテイカーのコートを羽織るマリアに他の女子死神の視線が集まる。
「アンダーテイカー、
マリアとは付き合ってるの?」
同僚の男性死神達から質問責めされるアンダーテイカー。
「小生があんなお子様に興味を持つ筈ないだろう」
「でも昼飯の時も一緒じゃないか!」
「マリアが財布を忘れたって言うから小生がご馳走してあげたのさ」
「その前も一緒に居ただろ」
アンダーテイカーは鋭い眼差しで同僚の男性死神達に向かってデスサイズを振りかざす。
「時間がないから昼食の時にマリアの書いた書類を確認したり、間違った所を教えていただけさ」
慌てて同僚の男性死神達は逃げて行った。
そんな毎日が続いたある日。
死神派遣協会の建物の裏にマリアの姿があった。
「あの、お話って…」
言葉を発している途中にマリアは女子死神に突き飛ばされた。
「アンタ調子乗ってんじゃないよ」
「そうよそうよ」
「ぶりっこしちゃってテイカー先輩に取り入るとか最低」
「年下だからっていい気にならないでよ」
嫉妬した女子死神達に取り囲まれる。
「アンタすっごいムカつくのよ」
マリアはで涙を流す。
「まーたぶりっこしてるよコイツ」
女子死神が笑う。
「何やってるんだい?小生も混ぜておくれ」
デスサイズを抱えたアンダーテイカーが現れた。
「テイカー先輩、これは…」
女子死神が慌ててデスサイズを隠す。
「マリアに呼ばれたから私達は来ただけで」
「嘘はお見通しだよ。君達。」
「嘘じゃありませんよ」
アンダーテイカーはマリアの元へ寄ると、マリアの手を取る。
「こんな事する悪いレディは謹慎処分かな?それとも…」
鋭い眼差しで女子死神達を見下すアンダーテイカーはデスサイズを振り上げる。
女子死神達は逃げて行った。
「もう大丈夫だよ」
そう言うとアンダーテイカーはマリアの涙を拭う。
大きくて優しくて暖かいアンダーテイカーの手に涙が止まらなくなるマリア
アンダーテイカーはマリアを抱きしめた。
「テイカー先輩…私…凄く怖かった…テイカー先輩に取り入ってなんかないのに…」
「泣くのはもうおやめ。小生は馬鹿なマリアが死神に取り入る程賢くないのは分かっているから」
「…テイカー先輩、それって誉めてるんですか?それとも貶してるんですか?」
「両方」
アンダーテイカーの言葉に涙はすぐに止まった。
頬をぷくっと膨らますマリア
アンダーテイカーは優しく微笑む。
「馬鹿な子程可愛いってこの事かな?」
アンダーテイカーはそう言うと、マリアの瞼にキスをした。
マリアは頬を真っ赤に染めフリーズした。
次の日。
死神派遣協会女子寮の建物の前に居るアンダーテイカー。
「テイカー先輩おはようございますっ!」
元気いっぱいにアンダーテイカーの元へ走って来た。
躓いて、転ぶマリア
「本当にマリアは馬鹿だねぇ」
アンダーテイカーはマリアを起こし、スーツの汚れを手ではたいてやる。
「だから私馬鹿じゃないですってば!」
「じゃあお馬鹿さんかい?」
いつものやりとり。
アンダーテイカーは自分の髪を結っている、黒いリボンをするりとほどくと、その黒いリボンでマリアの髪を結ってあげた。
「この方がスッキリしていいだろう?髪を切る心配もない」
髪を下ろしたアンダーテイカーと歩き出す。
マリアの髪には黒いリボンがよく映える。