風の音がする。
風が運ぶのは夏ではなく、風が秋を運んでくるのを肌に感じる。
緑の葉は、赤や黄や茶に色を変え、音を立てる。
『ウィル』
風と共に、貴女の声が聞こえた気がする。
貴女が私の隣から居なくなってどれくらい経ったのだろうか。
『マリア』
『どうしたの、ウィル?』
『もう秋ですね』
『そうね』
変わりゆく景色と
微笑みながら赤い葉を拾うマリアをウィリアムは見つめていた。
毎日、マリアが隣に居るだけで幸せだった。
ずっと、私の傍にマリアは居ると思っていた…
突然貴女が居なくなって、どれくらい経ったのだろう。
秋になると赤い葉を拾うマリアを思い出す。
今もふと木陰からマリアが出てくるのではないかと期待してしまう。
そんな事は有り得ないのに。
また、貴女に逢いたい。
ウィリアムは赤い葉を一枚
拾った。
貴女の居ない
秋の音色。