真冬の死神派遣協会。
「では、お願い致します」
「ウィル、この書類何なのヨ!」
「ウィリアム先輩酷いですよぉ!」
「あなた方が勤務中にイチャついているのが悪いのです。では、私はこれで失礼致します」
大量の書類を残して行って、ウィリアムは去って行った。
大量の書類を片付けるグレルとマリア。
「グレル、ウィリアム先輩酷いよね。ちょっとお茶してただけなのに」
「本当ヨ…ちょっとコーヒー飲んだだけでこの始末…でもそのストイックさがイイワ…って職場でグレルって呼ぶなって言ったワヨネ?」
「ごめんごめん〜」
「アンタがグレルって呼ぶからウィルにアタシ達が付き合ってるのバレちゃったんじゃない!それで目ぇ付けられてこの結果ヨ」
「本当にごめん〜!」
「もう…仕方がないワネ」
「それより寒いね。なんか温かい飲み物買って来るね!」
オフィスを飛び出して行くマリア。
マリアが出て行ってから30分…1時間経った。
時計とにらめっこするグレル。
「飲み物買って来るって言って1時間も…かかる訳」
真冬の夜。
マリアの身に何かあったんじゃないか?
それとも
名前で呼ぶなと言った事で傷つけてしまったんじゃないか?
不安感がグレルの頭と心に走る。
「探さなきゃ…」
死神派遣協会の建物を飛び出した瞬間、マリアが歩いて来た。
「あ、グレ…っ」
グレルはマリアに勢い良く抱きついた。
道に落ちて零れるコーヒー。
「マリア、アンタ何やってんのヨ」
「コーヒー買いに人間界まで行ってたの!グレルが急に抱きつくからこぼしちゃったよ」
「はぁ?わざわざ人間界まで買いに行ってたワケ?」
「だってグレル今日二人で飲んだ喫茶店のコーヒー美味しいって言ってたから…」
「そうだったの。わざわざアリガト。でーも…」
「でも?」
きょとんとするマリア。
「人間界行くなら行くってアタシに言いなさいよ。心配したワ…」
そう言うとグレルは手をグーにして優しくマリアの頭に触れた。
「グレル、今ポコンと言ったよ!」
「言ってないワヨ、優しく触れただけヨ!あと…さっきの『職場でグレルって呼ぶな』ってのはナシヨ」
「え?」
「アタシ達付き合ってますって、堂々と…するのヨ」
恥ずかしそうに言うグレル。
「…は、早く書類片付けて人間界に行くワヨ!」
「え??」
「マリアはアタシとデートするのヨ、零したコーヒーおごるワ」
この後、グレルとマリアは書類をすべて片付けて、人間界にあるお気に入りの喫茶店で念願の暖かくて甘い甘いコーヒーを飲んだ。
「本当に美味しいワ〜ここのコーヒー!」