今日は私の誕生日。
やっとオトナのレディの仲間入りができるわ。
あの方は振り向いてくれるかしら?
ドルイット子爵。
色々考えているうちに馬車が夜会の会場へ辿り着く。
ドルイット子爵の周りには素敵な淑女ばかり。
私みたいなお子様はやっぱり見向きもしてくれないかしら…
ドルイット子爵に近付く事もできず落ち込むマリア。
しょんぼりとしている。
「レディ達、ちょっと失礼」
ドルイット子爵は人だかりから出て行く。
「レディ、よかったら私と踊っていただけませんか?」
手が差し出される。
ふと見ると目の前にはドルイット子爵。
「わ、私?」
「そうだよ、姫君」
ドルイット子爵のエスコートでマリアはワルツを踊る。
二人はとても華麗で、周りの視線が集まる。
ワルツを踊り終える二人。
「バルコニーで少し休もうか、姫君」
「は、はい」
再びドルイット子爵のエスコートでバルコニーに着く。
「人が居なくなったね」
「はい…」
バルコニーには二人きり。
憧れのドルイット子爵が目の前に居て何もできないマリア。
「姫君、君の名前は?」
「マリア…です…」
「マリア…君に合った素敵な名前だね」
「ありがとうございます」
ドルイット子爵はマリアの目をじっと見つめながら言う。
「そのサファイアのような美しいドレス…その美しい髪…その美しい瞳…初めて見た時から私は君を…抱きしめてしまいたい!」
「ドルイット子爵?」
「嗚呼マリアよ、ずっと私の側に居てくれたまえ」
数日後、ドルイット子爵婚約のニュースが流れた。