セバスチャン…苛々するわ。
朝早起きして自分の身支度は自分でし、自分で食べるパンケーキを焼いている貴族らしからぬマリア。
「悪魔って退治できないのかしら」
ぶつぶつ言いながらフルーツの皮を剥く。
「いたっ…」
指を少し切ってしまうマリア。
何処からかセバスチャンが来る。
「大丈夫ですか?マリア様」
マリアの怪我を手当てしようとするがセバスチャンの手を払いのける。
「これ位自分でできるわ!触らないで!」
自分で自分の指を手当てするマリア。
セバスチャンはマリアを眺めて居た。
「何?」
「いえ、何でもございません」
気に入らないわ。この悪魔。
マリアはある事を思いつく。
数日後。
「セバスチャン、私の部屋に来て」
マリアが手招く。
「マリア様、失礼致します」
一礼してマリアの部屋に入ると魔法陣が書かれて居る。
「…?マリア様、これは?」
「魔法陣よ!悪魔退治の」
セバスチャンはクスクスと笑う。
「マリア様、これは架空のものですよ…これで悪魔は退治できませんよ?」
更にクスクス笑うセバスチャン。
「マリア様は、面白い方ですね」
マリアは顔を真っ赤にする。
「な、なによ!」
その日の真夜中、マリアは庭へ出た。
「よし!」
藁人形を持つマリア。
するとセバスチャンがやってきた。
「なっ!」
声を出すマリア。
「それは日本の呪いの人形では?…私に呪いをかけるおつもりでしょうが、それも効きませんよ」
またセバスチャンはクスクス笑う。
「マリア様は、純粋なお方ですね、坊ちゃんの為に必死で…たかが魂一つ…」
「魂じゃない!私のたった一人の弟よ!貴方には分からないわ!」
セバスチャンに藁人形を投げつけて走り出すマリア。
本当に面白いお方ですね、マリア様は…
たかが一つの魂を必死で守ろうと抵抗するその姿…
セバスチャンはそう思った。
その頃マリアは机に伏せて悔しがって居た。
「…大嫌い!…」