大学から帰ってくる暗い表情のマリア。
「姉さんどうした?」
馬車の中で、シエルがマリアに話し掛ける。
「何でもないわ」
マリアは大学での成績が下がっていた。
自分に苛立ちを覚えるマリア。
ファントムハイヴ邸へ到着し、エントランスへ入る。
突然マリアの視界かゆらぐ。
マリアはふらつく。
シエルの隣に居たセバスチャンに抱き止められる。
「姉さん!」
慌てるシエル。
マリアの額に手を当てるセバスチャン。
「すごい熱です、坊ちゃん」
目が覚めるマリア。
自室のベッドの上
額には濡れたタオル。
天井が見える。
心配そうなシエルが目に映る。
「姉さん…疲労だって」
「そう…」
大学で猛勉強し、毎日屋敷では朝早く起きて自分の食事の準備。
マリアは疲労が溜まって居た。
「姉さん、無理しないでくれ。食事の準備はしなくたっていいだろう?アイツが居る」
「…アイツのは食べたくない」
「姉さん、ワガママ言わないでくれ…姉さんに何かあったら僕は…僕は…姉さん無理しないでくれ!」
シエルは強い口調で言う。
少しパニックを起こしているようだ。
「姉さんが倒れた時、僕は心臓が止まるかと思ったんだぞ!姉さんも居なくなったら…僕は…」
姉さんも居なくなったら…僕は…
シエルはマリアの手を強く握る。
「…分かった…無理はしないわ」
シエルの思いがマリアに伝わった。
「セバスチャン」
「はい」
「タオルを取り替えてくれ」
「かしこまりました」
セバスチャンはマリアの額のタオルを取り替える。
目が合うマリアとセバスチャン。
「リゾットをお持ち致しました」
リゾットを持ってくるセバスチャン。
「僕が食べさせる」
慣れない手つきでマリアを起こすと、更に慣れない手つきでシエルはリゾットを息でふーふーっと冷まし、スプーンをマリアの口へ運んだ。
マリアはゆっくり食べる。
「シエルに食べさせて貰えるなんて、私は幸せね」
シエルの優しさがとても嬉しく優しげに微笑むマリア#。
数日間、休養しマリアの体調は回復した。
それからアーリーモーニングティーや食事の準備は再びセバスチャンがする事になった。
マリアはセバスチャンにしてもらうのは嫌だったがシエルの頼みだからと、仕方なく受け入れた。