その日、セバスチャンはシエルにヴァイオリンを教えて居た。
バタン!
マリアが入ってくる。
シエルのヴァイオリンの弾く手が止まる。
「姉さん!」
「私がヴァイオリンを教えるわ!」
シエルからヴァイオリンを借りると弾くマリア。
〜♪
マリアの演奏を終えるとセバスチャンが言う。
「確かに譜面通りですが、優雅さに欠けると言うか荒々しい演奏ですね…まるでマリア様そのままのようです」
セバスチャンは苦笑いする。
カッとなるマリア。
「こ、これは私のヴァイオリンじゃないからイマイチなのよ!私はコンクールで優勝したんだから!」
顔を真っ赤にしてムキになるマリア。
ヴァイオリンを押し付けるようにシエルに渡すと、マリアは部屋を出て行く。
「セバスチャン、お前…」
「何でしょうか?」
バタン!
マリアは自分の部屋に戻るとヴァイオリンを取り出す。
「久しぶりに弾いたからよ!」
大好きだったヴァイオリン。
3年振りに弾く。
セバスチャンの言うとおり、荒々しい演奏が部屋に響く。
「なんなのよ、アイツ!」
マリアはイライラしながらヴァイオリンを弾く。
真夜中
昼間のことで、イライラして目が覚めるマリア
眠れないので屋敷内をうろつく。
すると使用人用のバスルームに灯りが点いている。
バスルームの扉を開く。
「きゃあー!」
ファントムハイヴ邸にマリアの悲鳴が響き渡る。
マリアの悲鳴にシエルと使用人達がバスルームの前へ駆けつける。
すると床に座り込んだマリアが居た。
「姉さん!どうした?!」
「セ、セバ!」
言葉にならないマリア。
するとバスルームから湿った髪のセバスチャンが出てくる。
「マリア様が私が入浴して居る所へ突然入ってきたのです」
ネクタイをキュッと締めながらセバスチャンが言った。
「大胆ねってエミリーが言ってる」
スネークが言う。
「セ、セバスチャンさんの入浴見たですだ?!」
顔を真っ赤にするメイリン。
「ち、違うのよ!私はお風呂掃除してるのかと思ったから驚かそうとしたら入浴してたのよ!」
顔から耳まで赤くなるマリア。
「姉さんは何をやっているんだ…」
呆れるシエル。
「私も驚きましたよ、入浴中に突然マリア様がいらしたので…男の入浴中に突然入って来るなんて、本当に、はしたないですよ、マリア様…」
セバスチャンは無表情で嫌味っぽく言った。
「な、何よ!見たくて見たわけじゃないわ!失礼しちゃう!」
顔と耳を赤くしたまま、マリアは自室に戻った。
成人男性の産まれたままの姿を見たのは初めてで、マリアはとても恥ずかしい気持ちになり、乱暴に布団にくるまった。