セバスチャンに勉強を教えてもらうマリア#。
私は貴方を見ていて、貴方は私を見ている。
自意識過剰かもしれないけど、なんとなく、セバスチャンの視線が熱い。
一緒に秘密の場所へ行って以来、恥ずかしくなるマリア。
相変わらず、胸も苦しい。
苦しいだけではなく、モヤモヤする。
「では、ここまでです」
セバスチャンは一例してマリアの部屋から去る。
「あ、ありがとう」
戸惑うマリア。
『マリア様は、セバスチャンさんの事が好きですだ?』
以前メイリンに言われた言葉を思い出す。
弟の魂を狙う悪魔を好きになる訳なんてないわ。
「マリア〜入るワヨ!」
グレルがマリアの部屋へやってきた。
「チョット、何ぼーっとしてるのヨ」
「あ、グレル…」
何だかもやもやして仕方がない。
「アンタ最近様子がおかしいケドどうしたのヨ?」
「最近…私変なのよ。セバスチャンとよく目が合うし、何だかそばに居ると胸が苦しくなったり恥ずかしくなったり…」
「アンタ、それってセバスちゃんの事好きになっちゃったんじゃないノ?」
グレルにあっさりと言われた。
「そんな訳ないわ。シエルの魂狙ってる悪魔なんて好きにならないわ!」
好きにならない。
好きなわけない。
でも
グレルから借りた恋愛小説に
“恋をすると胸が苦しくなる”
“胸がドキドキする”
“恥ずかしくなったりする”
って書いてあるのよね。
何だかよく分からなくて頭が混乱している。
「アンタは自分に正直になりなさいヨ」
グレルが言う。
そしてムスクの香りが優しくマリアを包む。
恋をするってこんな気分なの?
折れたハイヒールを直してもらってから私のセバスチャンに対する感情は変わった。
単純なのかもしれない。
これが“好き”なの?
“好き”じゃない。
認めたくない。
私が悪魔を好きになるなんて。
好きじゃない…?
ねぇ、マダムレッド…