ロックガールとトモダチ

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パーバティたちに話を聞いたあたしはマッハで女子トイレに向かった。
集めたお菓子は走るのに邪魔だったので、途中で会ったアーニーに預けて猛ダッシュ。
アーニーは何事かと言う顔をしてたけど、今は説明する暇なんてないのだ!すまんな!


「おーーーい!ハーマイオニーー!!」

いつもはなんてことない女子トイレも、今日ばかりは暗く見えた。
小さく嗚咽が聞こえる。
知ってた?あたしは耳がいいんだよ!

ひとつだけ鍵の掛かった個室があった。
ハーマイオニーは間違いなくこの扉の向こうにいる。

「ハーマイオニー、いるんでしょう?」

あたしは扉越しに声をかける。
あたしが男の子だったらこんな扉蹴破っちゃうのに。男の子じゃないから蹴破る力もない。くそくそ、筋トレをしておけばよかった!
ロックスターなら激しさも必要!今後の課題にしよう。

「…エリン……私のことは放っておいて」
「なんで?!」

パーバティたちからは「ハーマイオニーがトイレでずっと泣いてる」としか聞かなかったから、ハーマイオニーがなんで泣いているのかもどうしてこんなこと言うのかも、あたしには分からない。
でも。

「放っておかないよ」
「………っ、」
「ハーマイオニーがなんで泣いてるのかは知らないし、無理に聞き出すつもりもないけど…でも、泣いてる友達を放っておくほど、あたしバカじゃない」

友達は大事にしろってパパもママも言ってた。

「…とも、だち…」
「あたしとハーマイオニー友達じゃん。違った?」
「………」
「一緒に宿題やったりしたよね」
「、えぇ…」
「ふたりで一緒に笑ったよね。それってもう友達だよね?」
「…ぅ、……」
「あたしはハーマイオニーのこと、最初からずっと、友達だと思ってたよ」

ハーマイオニーはあたしのこと友達だと思ってなくても、あたしにとっては友達だから。
こんなの放っておけるわけない。
友達ひとり笑顔にできない奴が、世界中を笑顔にするロックスターになれるはずがない!

だからお願い、せめてこの扉を開けて。


「私も……!エリンのこと、ともだちだと思ってるわ…っ」

そうしたら、あたしはハーマイオニーを必ず笑顔にしてみせる。

「…へへっ、やったぁ」

あたしは未来のロックスター。
今はまだタマゴちゃんだけど、
世界中の人を笑顔にするの──



『ガチャン』


そんな音に続いて ギィ、と音をたてながら扉が開いた。
あたしはその瞬間ハーマイオニーに飛びついて、めいっぱい抱きしめた。
これでもか!というくらいにぎゅっとね!
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