ロックガールの大ピンチ

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あれから約1時間ほど。
あたしはハーマイオニーのためにライブをした。
お菓子は置いてきてもギターは忘れない、さすが未来のロックスターって感じじゃない?
そしてホグワーツ女子トイレライブ、かなりレア。この先ないかも!

ハーマイオニーがホグワーツに来る前に聴いてたとか、流行ってた歌とか。
あたしもハーマイオニーもマグルとしての生活の方が長いから、色々話が合う。

あたしのギターに合わせてふたりで歌ったりもした。
いわゆるデュオライブだね!
最初はちょっとぎこちない笑顔だったハーマイオニーも次第にヒマワリみたいな笑顔になっていって、あたしは演奏に気合が入った。
気持ちは音楽で表現する!それがあたし!
あ〜、本気で楽しい!

「大広間でパーティって何時からだっけ?もう始まってる?」
「そうね…もう始まっている時間だわ」
「戻ろっか。パーティには参加しなきゃね!」

あたしがそう言った直後、少し遠くで ズシン、と何か重たいものが動く音がした。

「……なにか、いる?」
「えっ?」
「音がするの」
「さすがエリン、耳がとてもいいのね」
「大きな…なんだろう…ゴーストじゃないよなぁ」

ズシン、ズシン…

少しずつ近づいてくる。
間違いない。何か大きな生き物、だ。

「…ついでに、臭う気が、する」

なんだろう。分からない。
確かに分かることは、こちらに向かってきているということだけ。

「隠れよう!何かまずい気がする!」
「う、うん!」

ギターを小さく戻してポケットにしまい、そのままハーマイオニーをトイレの個室に押し込んだ。
音がだんだん大きくなる。
誰だ?何だ?なにがここに近づいてきている?

「エリン!あなたも早く!」
「うん!」

ハーマイオニーに手を引かれて個室になだれ込む。
慌てて鍵を閉めて耳を澄ますと──

「音が消えた…?」

先程まで怖いくらいに聞こえていた鈍い音が急に消えた。
変だ。おかしい。なぜ消えた?
ここではないどこかに行った?それとも…

「!!」

音は消えたが、今度は臭いがあたし(と、ハーマイオニー)を襲った。
臭い!!!臭すぎる!!!今まで嗅いだこともないような悪臭!くっさ!

そう思った瞬間、黒い影があたしたちに覆い被さる──


「う、そでしょ」

個室の上から大きな大きな、人型だけど人ではない、石のような灰色の巨体が見えた。
ゴツゴツして大きく、あるんだかないんだか分かりづらい豆粒のような瞳が、同じくこちらを見ている!

「き、きゃああああああ!」

ハーマイオニーが叫ぶのとほぼ同時に、なんかよく分からないデカブツが手にしていたらしい棍棒を天に掲げ、そのまま勢いよく振り下ろした!

「ハーマイオニー!!」

あたしは無我夢中でハーマイオニーに覆い被さる。
バキバキ!と個室の扉や壁が破壊され、破片が飛び散った。
背中に破片がぶつかって痛い。ほんの少し前までここにあった日常は、あっというまにボロッボロになり消えた。まじかよ。なんなのこれ。

「こんなの、ロックすぎて予想できなかった…」
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