ロックガールとカエルの少年
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「あの…お喋りしてるところに申し訳ないんだけど…」
突然の声に驚いて、あたしとハルはすごい勢いで声がした方へ振り向く。話題が話題だったからね……!
細く開かれた扉の隙間から男の子が覗いていた。あたしたちと同じく新入生っぽい子がそこに立っている。自信なさげというか、不安そうな感じで。どうした、汽車に酔ったの?
「やあ、ネビルじゃないか。びっくりしたぞ」
「あっ、ハル… 驚かせてごめんね」
「え!誰なに知り合い?!」
ハルが男の子に声をかけた。どうやら友達らしい。
誰だこの子紹介しろ〜!という気持ちを込めてハルをジーッと見つめる。が、紹介してくれなさそうなので自分から行くことにした。自己紹介と言う名のMC!そう、このギターがある限りここはあたしのライブ会場!
「あたしエリン・エーカー!ギターをこよなく愛する未来のロックスターだよ!この顔がやたら整ってる少年とは従兄妹なの。キミは?」
「僕はネビル、ネビル・ロングボトム…。」
「ネビルね!よろしく!!」
「君がエリン…よ、よろしく」
ハンドシェイク!はいこれで友達!
ママー、パパー!!魔法界に来てはじめて友達ができたよー!!
「悪いなネビル…こいつ魔法使いの友達がいないから相当浮かれてるんだ、今」
「なぜバレている」
「いいよ、僕も友達が増えて嬉しいし」
「そういや何の用でここに来たんだ?」
「あぁ!そうだトレバー!!」
ネビルはペットのヒキガエル、トレバーを探しているのだという。
汽車に乗った時はいっしょだったのに、知らない間にどこかへ行ってしまったらしい。まあ、カエルも散歩したいんだよ。きっと。
「ボクたちは見てないな…いったいどこに行ったんだろうね」
「それらしい蛙を見つけたら捕まえておくね!そんで友達になるわ!」
「ありがとう…頼もしいよ」
「それじゃあこの先のコンパートメントも見てくるから、あとでね」とネビルは行ってしまった。
魔法界で最初の友達!ネビルと同じ寮になれたらいいな〜。
「…エリン」
「なに?」
「さっきの、ヴォルデモートの話だけど…学校でその名前を出すのは控えた方がいい」
「みんな名前も聞きたくないくらい怖いってこと?」
(もしくは言いたくないくらい怖いのか。)
なんだか魔法界は複雑なんだなァ。まだまだ知らないことがいっぱいだ。知りたいこともいっぱい!
こういうの嫌いじゃないよ… だって、最高にロックじゃないか!
「エリンのくせに察しがよくて助かるよ。そんな感じなんだ。だから気を付けてくれ」
「最初の言葉、余計です」