ロックガールと宴の終わり
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あの後、組分け前に出会ったドラコはスリザリンに(ドラコは帽子被ったっていうの?ってレベルで速攻決まった)、ハリーはだいぶ時間掛かったけどグリフィンドールに決まった。ハリーのときは尋常じゃない盛り上がりだったよ…グリフィンドールの人たちすっごい喜んでたな。ネビルもグリフィンドールになったし…ウウーン、組分け前に知り合った人はみんな違う寮になってしまった。さ、さみしい!普通にさみしい!
最後の1人の組分けが終わり、校長---ダンブルドア校長先生が前に出てきた。
シェリルさんやハルから名前は聞いてたけど姿は初めて見た。いかにも魔法使いって感じのおじいちゃんだなぁ!
あの人と話をする機会も、いつか訪れるんだろうか。
「おめでとう! ホグワーツの新入生、おめでとう! 歓迎会を始める前に、二言、三言、言わせていただきたい。では、いきますぞ。そーれ! わっしょい! こらしょい! どっこらしょい! 以上!」
校長先生がそう言うと目の前の、何もなかったお皿にたくさんの料理がズラリ!
うっわぁ〜豪華!!すっごい!ママの作るクリスマス料理も毎年すごいけど、これは…それの上を行くね!
***
デザートも食べ終わったころ、校長先生が森に入るな、廊下で魔法を使うな、寮のクィディッチチームに参加したい人はフーチ先生のところへ行くこと--それから、今年いっぱいは四階の右側の廊下に行くな、と全員に注意した。
3つ目までは分かるけど、最後のひとつはなんだろう?四階の右側の廊下?あー、なんか忘れそう!あとでメモしておかないと。忘れてそこに行ったら先生たちの前にハルにこってり叱られそうだ!
「では、寝る前に校歌を歌いましょう!」
「歌?!?!」
あたしは思わずガタンと立ち上がりかける。
(この学校、校歌なんてあったんだ!!)
校長先生が杖を軽く振るとテーブルの上に歌詞と思われる文字が現れる。
好きなメロディーで歌っていいと言うので、あたしはギターを取り出して即興で曲を作ることにした。ワクワクするね!
ギターを元の大きさに戻したとき、ハッフルパフのテーブルからは声が上がったが気にしない気にしない。あとレイブンクローのテーブルから刺さる視線を感じるけどそれも気にしない!
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ホグワーツ ホグワーツ
ホグホグ ワツワツ ホグワーツ
教えて どうぞ 僕たちに
老いても ハゲても 青二才でも
頭にゃなんとか詰め込める
おもしろいものを詰め込める
今はからっぽ 空気詰め
死んだハエやら がらくた詰め
教えて 価値のあるものを
教えて 忘れてしまったものを
ベストを尽くせば 後はお任せ
学べよ脳みそ 腐るまで
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ホントに歌い終わるタイミングは各々で違った。おっもしろい!面白いよこれ!
グリフィンドールの席からまだ歌声が聞こえるので、あたしはそれに合わせてギターを弾いた。校長先生はにこにこしながら指揮をしている。
みんなはあたしと、グリフィンドールの方---どうやら双子の兄弟らしい---を交互に見た。
グリフィンドールの双子が歌い終えたのであたしも演奏を止めると、自然と拍手が沸き起こった。
どやどや!これがあたしの実力よぉ!
「ああ、音楽とは何にも勝る魔法じゃ」
「でしょでしょ!」とあたしは頷いきながらギターを小さくした。
音楽は魔法!聞いてる人を勇気づけたり、励ましたり、明るい気持ちにさせることができるわけよ!
帽子だって歌ってたし、魔法界でも音楽やっていけそうだな。魔法界のロックスター目指そうかな〜、なんつって!
派手に演奏したからか、就寝のため大広間を出る際、あたしはいろんな人に声を掛けられた。むしろ囲まれた。
ハッフルパフの人、グリフィンドールの人---それからハル。
「エリン!」
「ハル!」
「校歌って聞いたとき、お前はやらかすと思った…」
「サンキュー!」
「褒めてない」
「ボクがいないからってハメ外しすぎるなよ」と言い残してハルはレイブンクローの輪の中へ消えていった。別にさみしくない。さみしくないから。
あたしもハッフルパフの監督生のあとについて寮へ向かう。
その途中、ハルに負けない…いや、ハルよりハンサムかもしれない男の先輩に声を掛けられた。
「やぁ、さっきはいい演奏をありがとう」
待って待って、あたしの周りには綺麗な人が集まる法則でもあんの?そりゃあたしは綺麗な人やカッコイイ人好きだけど!それにしても確率高すぎ!
「こちらこそ聞いてくれてありがとう!」
「僕はセドリック・ディゴリー。三年生だ」
「エリン・エーカーです!」
お決まりのハンドシェイク。うーん爽やかな笑顔だな〜。眩しい!
まあ、この世で1番ハンサムでカッコよくて眩しいのはうちのパパだけどね!とか言うとファザコンっぽいね。その通りだけど!
「またエリンのギターと歌、聞きたいな」
「そうですか?!じゃあ今度ライブやりますね!」
「ははは、楽しみにしてるよ」
廊下で魔法は禁止、でも中庭や談話室で魔法のギター禁止とは聞いてないから大丈夫だよね?大丈夫じゃなくてもやっちゃうけどね!それがロックだから!