「……」
「……」
「………しごといきたくないなぁ」
「そうか」
「ここは相槌打つとこじゃなくて、そっと慰めてくれるとこだよ」
「そういうのが欲しいなら他のモデルを当たれ」
「……他のモデルみたいにでなくていいから」
顔を上げなくても、悩む気配が分かる。いや、自立型で高度な学習機能がついているといっても人間ではないんだから悩むという感覚はないんだろうけど。悩むというよりはシステム処理だろうか。でも、やっぱり、悩む気配がする。
思考処理が済むまで十秒程。
愛想のステータスの足らないモデルが弾きだした慰め方。
「……私、猫じゃないんだけど」
「そうか」
「でも、もう少し、そうしてて」
「ああ」
愛想は足らない。所有者登録をした主人と言う認識があったところで近寄ってくるわけでもない。何なら返事を返してくれないことだってある。それでも、へこんでいれば微妙な距離感で側に居て、離れなくて、愛想のない相槌を打ってくれて、へたくそだなぁと笑えて来るような慰め方を学習してくれる。
愛想もない、口数も少ない、それでもやさしい、それが人の心でなくてもやさしい、私の大倶利伽羅。