A



ちゅぱりと、奥に引っ込んでいる乳首を誘い出すように舐めしゃぶる。
すると耐えかねたように女──いや、鶴丸は、喉を戦慄かせては腰をくねらせた。

「ひっ、ひぃっ、あっ、あ゛っ、んんっ、んあ、な、なんっでぇえっ……!」
「んっ、ん〜〜?」
「はやくって、い、いってる、のにっ、あっ、ああっ……!」

彼女は今、ぐしゃぐしゃになった布団の上で、鶴丸の身体を弄繰り回していた。
いや、正確に言えば彼女の身体の中に入っている鶴丸国永を──というのが、正解なのだけど。

「いっ、いじわるっ、きみっ、ぁっ、きみはっ、いじわる、だっ…っ、ぁあっ、!」
「そんな意地悪に、抱いてっておねだりしたのは、どこの誰よ」
「ひぃっ!、!!、!?」

胸から離れ、今度はへそに舌を捻じ込み、じゅるっと音を立てて啜れば。
面白いくらいびくんっと身体を大きく跳ねさせて鶴丸は腰を浮かせた。
下から覗いてみれば、"何が起きた?"とでも言いたげに、顔を真っ赤にしながら鶴丸はこちらを見ていて。
そんな初心な刀に、彼女はお前の知らないことはまだまだいっぱいあるんだよ、だなんてことを思いながら、更に鶴丸を虐め抜くために舌と手を動かしていくのだ。

──鶴丸国永は、どうやら目覚めてしまったらしい。
なににって、いわゆる、"女の悦び"に。
あれだけ執拗に奥を小突かれ揺さぶられて、すっかり女の快楽を覚えきってしまったのだ。
どうやらこの一週間、彼女のことを極端に避けていたのは気まずさだけではなかったらしい。
事実、同じ空間に入ればいるほどあの時のことを思いだして頭がどうにかなりそうだった、なんていう供述までしてくれた。

「きみっ、なんっ、なんだっ、ぁっ、うぁっ」
「前にも言ったけどさ。私、この身体のこと、知り尽くしてんの」

言いながら彼女は、へその縁を舌で舐り、そのままねっとりと舌を這わせたまま下へ下へと移動をしていく。
鶴丸がそんな彼女の動きを止めようと手を伸ばしてきたが、それすらも対処は簡単だ。
骨盤の骨が出ているところをぐりっと舌で押した後に吸い付いてやれば、面白いくらいに力が抜けて、ぽすりと彼女の頭に手だけが落ちた。

上を見なくても跳ねる内太ももの動きだけで、鶴丸がじわじわと迫りくる快楽を必死に我慢していることが手に取る様にわかって。
彼女はにんまりと唇を吊り上げながら、もはや粗相をしたのではと疑いたくなるほど濡れそぼっている秘所に、くちゅりと指を這わせた。

「んあっ、あっ、……っ、!」
「あは、ぷっくりしてる」

言いながらぷくりと膨らんだ秘豆にねっとりと舌で舐め上げれば、面白いくらいに鶴丸は腰を浮かせて仰け反った。
どうやら声も出ないようではっはっと喉を震わせては、ぶるぶると小さく震えてぐしゃぐしゃになった布団を掻き抱いているようだ。

「なっ、も、っ、はやくっ、はやく、いれてっ、いれてくれよ……っ!」
「だぁめ。もうちょっと我慢すれば、もっと気持ちよくなれるよ」
「うっ、うぅぅぅ〜〜〜〜っ、……!」

愚図るような鶴丸に、待てと言いながら彼女は今度は入り口にちゅっと口付けた。
そうしてそのまま舌を捻じ込み溢れる汁をじゅるじゅると啜ってやる。
ひくひくと動き閉じようとする入り口をこじ開けるように舌を動かして行けば、しっとりと汗ばんだ太ももは、彼女の頭を挟むようにしてぴくぴく震えていた。
とろりとろりとひっきりなしに溢れてくる愛液は、ほんのりしょっぱい。

「っ、ぁっ、あ、……あっ…っ、は、あっ、ン、──ぁっ、」
「んっ、む、」

ひくん、とひときわ強く、入り口が引き締まる。
軽くイったんだなあ、と思った彼女は、今はこんなもんかと散々舐めしゃぶった秘所から口を離した。
そうして、よっこらせと身を起こして反応の薄くなった鶴丸のことを、そっと窺ってみる。
口では足りない足りないと喚いていた癖に、なんだかんだ気持ちが良かったのだろう。
蕩けきった顔で、唇を半開きにしながらふるふると震える鶴丸は、くったりとその身体を布団に預けていた。

「つーるまる〜?」
「んっ、ン、……、っ」
「おーい。抱いてっていってきたのはそっちでしょ。まだ寝ちゃ駄目だからね」
「んぁ、う……、んっ、ね、ねてなっ、ぃっ、」
「そう?まあ、いいけど」

言いながら、鶴丸に覆いかぶさるようにして、その半開きの唇に噛みついた。
すると一瞬だけ鶴丸はびくりと身体を揺らして。
けれど、それが甘やかな口付けだと気が付くと、そろりと唇の力を弛め、むしろ誘い込むようにちろりと舌先で彼女の唇をつついてみせた。
その様子に、ほんと陥落したなあ、だなんてことを思いつつ。
彼女も彼女で、応えるように薄い舌を熱い咥内に潜り込ませるのだ。

「んっふっ、んぅっ、ンっ、むっ、」

ちゅぱっ、とわざと音を立てれば。
それだけで、鶴丸は嬉しそうに彼女の首へと腕を回してもっとと強請る様に身体を擦りつけてくる。
そうして自ら舌を絡めて、やわく歯を立てたりと口付けを堪能してきた。

そんな、この前の反骨精神なんてどこかにかなぐり捨ててしまった鶴丸のしおらしい姿に。
現在進行形で男である彼女は、誘われるがままにその内側を貪り食っていくのだ。
つまるところ、美味しそうだと、思ってしまう訳で。

──正直、早く挿れてしまいたい。
奥まで入って、思い切り腰を打ち付けて、余すとこなく快感を貪ってしまいたい。
どうしようもなくそんな男の情欲に身を焦がされそうになってしまうが──まだ、早いのだ。

そう、まだ、まだ早い。
この鶴丸国永が、真に彼女に陥落するためには、まだ、早い。
なぜなら、彼女のこの身体にではなく、彼女自身に、落ちて貰わねばならないのだから。

だから、だからまだ、じりじりと。
足先から頭の天辺まで、蕩かすように、どっぷりと。
快楽漬けは、まだ終わらない。

- 11 -