DKが性転換させられて太鼓鐘貞宗に遊ばれる話@



耳を澄ませば、虫の声。
格子窓の外をみれば、弓なり月に唐紅の赤紅葉。

ここ吉原は、今日も秋色だ。

とある廓の与太話


ぺたぺたと、静かな廊下に足音が響く。
部屋の外の庭からは、リン、リン、と鈴虫の鳴き声が聞こえて。
ああ、本当にいつまでたっても変わらない、なんてことを、少女の身体をした少年は思うのだ。

なんたってここ吉原は、いつだって秋なのだから。
変わり映えのない紅くれないの景色に、そろそろ嫌気がさしてしまいそうだ。

涼しい風が、この二階の欄干らんかんから入り込んでくる。
夏とも冬ともいえない、その絶妙な風の心地だけは、好きだなあとは思うけど。
でもやはり、こうも同じ風景ばかりじゃ頭が可笑しくなりそうだ、なんて。
一人じゃ決して踏むことは出来ない窓の外の景色を、じとりと横目で見ながら、彼は早足で人気のない廊下を歩いていく。

「……くろ、おーい、くろ助や〜〜。どこだおーい」

いくら声を掛けても、うんともすんともいいやしない。
あいつもしかして死んじゃった?なんて在り得ないことまで思って。
そうして、いや待てよ、と彼はそっとその歩みを止めた。

──もしや今なら、この変わり映えのない毎日から脱出することが出来るんじゃないか、なんて。
思って、じゃあ早速、と太い桜の木が近くに生えている欄干へと足を向けた、時だった。

「──貴方は本当に学習能力のない馬鹿ですね」

ひたりと、色のない声は背後から投げかけられる。
その声に、ようやくお出ましだあ、なんてどこか気が遠くなる思いで彼は後ろを振り向いた。
だってそこに何が居るのかなんて、もう、わかりきっている。
そうそれは、彼の唯一の話し相手なのだから。

「……いやいやまだ実行してねーよ。未然だよ未遂。アウトではなく〜?セ〜フぅ。うんそうセーフ!完全なるセーフ!俺はまだ無罪!」
「まだと言うことはやはり馬鹿な気を起こすつもりだったのですね。その身体に傷でもつけて見なさい。折檻部屋にぶち込みますよ」
「すみません後生ですからあの鬼畜部屋だけはマジ勘弁してください」

小さな身体で、しかしツン、と背筋を伸ばして佇む黒い狐は、この屋敷を包む風景と同じようにいつみても変わり映えがない。
その艶々とした毛の長さも、狐の癖に人の言葉を喋る声も、黒を飾る紅だって。
なにひとつ変わることがないのだ。

──そう、自分と同じで、いつまで経っても何も変わらない。
それを見る度に、こいつこんなにも生き物っぽいのに、ほんとうに動物じゃないんだなあ、と彼は少し不思議な心地になってしまう。

「くろ助、お前ってほんと毒吐くよなあ。それって俺にだけ?あの神さん達にもそんなんなの?そんなんであの刀の神さん達に斬られない?大丈夫?」
「曲りにも神と名の付くものは契約に弱い。契約の名の元、私に刃を向けた時点で此処の利用権利は永久に剥奪されるのです。故に、私が彼らに万が一にも在り得ませんよ。在り得たとて、次の私がここを管理するだけの話です」
「すげ〜〜漫画みたいなこと言ってるよ……」

まあこいつアンドロイドだし、似たようなもんなのかもしれない。
そんなことを思いながら、彼はひょいとその小さな身体を持ち上げて抱きかかえる。
つやりと艶の良い毛並みは、暇を持て余した彼のブラッシングのたまものだ。

「さて、鞘。私を呼んだ理由は何でしょう」
「ンだよ呼ばれてんのわかってたんなら早く出てこいよ。探し損じゃん」
「さて、鞘。私を呼んだ理由は何でしょう」
「……おっっまえほんっといい性格してるよなあ…………」

言いながら、わしわしとその毛並みを些か乱暴に撫でてみるけど。
この狐は嫌がる素振りは愚か、うんともすんともいいやしない。
ただ真っ黒な瞳をこちらに向けて、"さあ用はなんだ"と見詰めるだけだ。
それが非常に面白くない。

「まあぶっちゃけ用とかないんだけどさあ。俺の今日のお客って誰な訳?いっとっけど俺のブラックリストな方々は断固拒否な。最近多すぎんだろ。そろそろ死ぬぞ。腰が」
「下らぬリストなど作る暇があるのなら、舞の一つでも覚えなさいな。巡り巡ってそれが貴方の為になるのですよ。技を磨きなさい、技を」
「舞な〜。疲れんだよな……」

正直股開くこと以外求めてくんなよ、と思いつつ。
彼はうんざりした面持ちで深いため息を吐いた。
そうして、一つの扉を背もたれにしながらまた一つ口を開く。

「──んで?今日のお客は誰な訳?まだましな奴にしてくれよ。明日休みだし、あんま疲れ残したくないんだってえ」
「……まあ、良いでしょう。そこまで言うのでしたら貴方の言う"ブラックリスト"に載っていない刀剣男士を宛がいましょう」
「お!わかってるぅ〜!ふぅ〜〜!」

呆れたような溜息と共に、そういう黒い狐に。
彼は乱暴に撫で繰り回していた手を止めて、その頬を埋めるようにすりすりと頬撫でをした。
なんか段々仕草までも女染みてきた気がしてならないが、それでも自分は男だ、と心のどこかでそう思いながら。
例え身体は女になろうとも、心だけは男でありたいのである。
つまるところ、最後の矜持というやつだ。

「さて、では心して聞きなさい。今日の相手は────」

黒い狐が、口を開いて言葉を紡ぐ。
そこから形作られるとある刀剣男士の、その名前に。
彼は、ぎょっと口を開くこととなる。




刀種、というものがある。

大太刀、太刀、打刀、脇差、短刀。
そうして槍と薙刀──計七つ。
それが今"刀剣男士"としてこの世に身を降ろしている神々の種類なんだそうだ。

彼がここ吉原で客を取るのは、基本的に大太刀、太刀、槍と薙刀。
見たり触れたり話たりするのも、基本的にこの四つの種類の刀たちだけだ。

だから彼はその他の刀たちを見たことがない。
見る必要もないし、客として来ない相手を知る必要もないと、この狐からは言われていたのだけれど。

「状況が、少々変わってきたのですよ。どうやらここ遊郭吉原の存在が、噂として実しやかに囁かれ始めている様なのです。曰く、練度を上限に達したら、極楽への扉が開かれるだとかなんとか。──厄介なことに、その噂により舞い上がる刀剣たちが現れましてね」

ここ吉原は、一応は"秘密施設"という体裁を取っているらしい。
下手に噂が広まって、審神者という役職の人間たちまで興味を示したり、ここに侵入でもされたしりたら、それこそ本末転倒になってしまうんだとかなんとか。

そもそもが、力を得過ぎ審神者の制御から外れ始めた刀剣男士の手綱握りがここの目的なのだ。
だから審神者自体が遊郭できゃっきゃうふふすることは、モラルとか上下関係に支障をきたしてしまうらしい。

「いえ、正確に言えばそうではありません。"鞘"という貴方の存在は、いわば刀剣男士への供物なのです。神は、不浄を嫌います。もしも"審神者"という人間によって貴方が触れられ穢されでもすれば、刀剣男士は躊躇いもなく審神者を斬り殺すでしょうね」
「なんで?俺綺麗か汚いかって言ったら間違いなく"きたない"じゃん。だって俺、股ひらきっぱだよ?色んな奴と寝まくってヤりまくってんじゃんか。今更汚れるとか汚れないとか、おかしくね?」
「神にとって、神の御手つきは貴方の言う"セーフ"なのですよ。共有財産とでも言いますか。しかし人間は違うのです。取り分けここは神域に最も近い世界。この疑似神域に侵入し、貴方に触れると言う行為自体が神に対する"冒涜"となるのです」
「えー俺バカだから意味わかんない」

今まで普通に穴兄弟量産してんだから人間も許してやれよ。
なんてことを思ってしまうくらいには、彼の生活は爛れきっていた。
なんたってほぼ連日朝から晩までヤりまくってるのだ。
ここまで来ると、貞操観念とかそういうもはどうでもよくなってきてしまうのである。

そんな彼に、黒い狐は心底呆れたと言いたげに溜め息を吐く。
基本的に無表情決め込んでる癖に、こういう時だけ嫌に人間味染みてて腹が立つ。

「……例えば、貴方の大事にしているゲーム機があるでしょう」
「ああうん。プレステな。あれまだ新作でないの?ここそう言う情報全然入って来ないんだからお前に教えて貰えないと困るんだけど。続編でたら要連絡&購入な。攻略本もよろしく」
「それを、貴方は後生大事に秘密の部屋に隠して壊さぬよう汚さぬよう大事に使っているとします」
「無視かよ」

ぼやいてみても、狐はすまし顔をするばかり。
もうちょっと愛想を振りまいてくれてもよいのではないだろうか。

「しかしある日、扉を開ければそこにはスナック菓子の油まみれの手で使われたのか、てかてかに汚れたゲーム機が。しかも使ったであろう当人を問いただせば、"自分も使ってみたかった。まあ良かった。今度から一緒に使うから"などという返答が」
「うっわ!うっっわ!悪びれもしないのかよ!くっそ腹立つなそいつ」
「それが刀剣男士にとっての人間です」
「えっ……刀剣男士にとって人間ってスナック菓子の油汚れみたいな印象なの……?あのぬるぬるな指ってこと?控えめに言って扱い酷くね?」
「例えばって言ってるでしょうが」

段々苛立ちでも感じているのだろうか。
てしてしとふさふさの尻尾が畳を叩いている。
ちょっと癪だが、小動物の姿でそういう仕草をされてしまうと少し可愛いと思ってしまう。
結構癪だけど。

「んで、人間は汚いから使っちゃいけないと。かーわいそ。いやまあ顔面偏差値化け物だらけの毎日だし、今更普通の人間相手になると俺のお目々が耐え切れないだろうけど。視界の暴力って奴だよな」
「貴方も大分失礼なこと言っていますよ」

でも、まあ今後も人間がお客にならないことはよく分かった。
だからこそ、他の客が増えることが意味が解らないのだ。

「今まではさ、太刀と大太刀とーあと槍と薙刀?だけだったじゃん。なんでそれが種類拡大してんの?俺冗談抜きで身体足んないんだけど。バイトっつか雇用増やせよ。ウェルカム同僚」
「興味を示し始めていると言っているでしょう。大変面倒くさいことに、彼らの中でこの遊郭吉原に行くことを一つの"目標"とし出した刀剣たちが出始めたのですよ。"練度に達せば、褒美がある"と」

そういって、たしっとひとつ畳を叩いて。
そうしてくろ助は、胡乱気な眼差しのまま口を開くのだ。

「打刀、脇差、短刀──これらの刀は、人に近く存在し、人の営みを間近で見てきた刀たちです。人の営みを見てきたという事は理解があるということ。太刀以上の刀たちが勇んで貴女を抱こうとするのは人の身体を知らぬからこそ、興味を持ち、探究心を満たしたいが為なのです」
「つまり?」
「打刀以下は耳年増。太刀以上は無知童貞」
「ああ〜わかりやすい」

童貞だからあんなことやそんなこともしたくなっちゃうんだな。
俺の思う童貞よりも最初から皆えげつないことするし要求してくるけど。
何度も泣かされて何度もいっそ殺せと思ってきたけど。
でもなんだろう、童貞と思うと一気に優しい気持ちに包まれる気が──しないわ、死ねと思うわ。

「人の身体をよく知り、人の心に寄り添う打刀、脇差、短刀。一部箱入りな刀もいますが、基本的に彼らは人間に好意的です。人の身体がどういうものかを知っている彼らは、花街の使用も薄く、練度が上限に達したとしても太刀等とは違いその関係を逆転させる素振りなどなかったので我々も安心していたのですが……」
「おいまて花街ってなんだよ。ここみたいなとこがあんの?」
「花街は櫛や簪等、女型の付喪神が遊女として座す娯楽施設の名称です」
「俺いらないじゃん!そっちいけよ!!」
「物よりも人を求める刀剣男士が多かったのですよ。やはり抱くなら生身の女がよいと」
「ええ〜。わ、我儘だなあ……。付喪神なら絶対美女揃いだろ……?もったいねー。俺がむしろ綺麗なお姉様に遊んでもらいたいんだけど」

腰掛けていた座布団を引き抜いて、そのままごろりと横になる。
散らばる髪の毛も気にせず座布団を半分に折って枕にすれば、我が物顔でくろ助が腹の上に乗ってきた。
見た目は結構大きいのに、その実重さはあんまり感じない。
アンドロイドのくせに、ほんとに中に機械入ってるんだろうか。
いつ触れても、見た目と中身がちぐはぐな奴だ。

「んで、今回上限突破したその──打ち刀と脇差と短刀?の中で、俺とヤりたい〜って言いだした奴がいたわけね」
「こちらが把握していなかっただけで多数の刀剣が興味を示していたようなのですよ。全く、監視が緩いにもほどがある。本丸所属の管狐は何をしているのか……」
「そいつ仕事しねーのな。くろ助はバリバリ仕事するもんな〜。いや俺的にはもうちょっと仕事しなくてもいいんだけど」
「命じられた責務をこなすことが私の存在意義。手を抜くと言う概念がまず有りません」
「ひゅ〜流石仕事の鬼〜鬼畜〜鬼畜狐〜〜」

そう言いながらくろ助の顔をぐりぐり撫で繰り回したら。
やめろと言わんばかりに、てし、と前足で手の甲を叩かれた。
しかし正直肉球が気持ちいいだけで全然痛くない。
さっきは許したんだから今もいいじゃんか。

「──と言う訳で、今回はお試しも兼ね、先程述べた刀剣男士が客として今夜訪れることとなりました」
「その刀剣男士が選ばれた理由はなんな訳?見た目とか?性格?」
「見た目は兎も角、性格はありますね。彼が一番ここ遊郭吉原に興味を示したのですよ。練度も上限に達し、そうして彼はまだ修行もまだ未定。暇を持て余していたこともあり、今回のモニターに選ばれました。その満足度により、貴方の顧客は増えるでしょう」
「これ以上お客増えんのとかマジ勘弁なんだけど……」

口の中に微妙に親指を突っ込んで、ぐにーっと頬を伸ばしてみる。
そうすると意外と尖がった歯が覗いて、おおー獣っぽいとなにやらテンションが上がってしまった。

俺の犬歯も前は結構尖がってたのに、女になった時に歯も全体的に丸くなってしまったのだ。
多分咥える時にちんこを傷つけたり噛み千切ったりしない為の配慮なのだろう。
ほんと俺の人権無視で腹立つ。

「んで、この刀ってどういう刀なの?あんまり他の刀剣の話って聞かないんだよね……。それこそ大包平さんしか知らないんだけど」
「おや、意外ですね。鶴丸国永や燭台切光忠から同胞の話は聞きませんか?」
「あいつら基本的に他のこと考えたら殺すマン。まじヤバい」

ほんとに人の心読んでんじゃねーのかってレベルでちょっと気持ちがよそ見した瞬間に機嫌悪くなるから、ほんと面倒くさい。

「なるほど。本丸では決して審神者の唯一にはなれませんからね。その反動がきてるのでしょう。さて、件の刀ですが、その二振りと元の主を同じとする刀ですよ」
「元の主って?」
「貴方も日本人なら聞いたことはあるでしょう。伊達正宗です」

──だてまさむね?
その言葉を聞いた瞬間にパッと頭の中に映った刀を六本持ちする青い侍の姿に、身体の体温が一気に上がった気がした。

「うっわ!どっ独眼竜じゃん!いやっつーかあいつ等独眼竜の刀なのかよ……えっ意外!ああでもオーケーとかいってた。えっレッツパーリー……?うっわそう考えるとテンション上がる!」
「どう意外なのか理解に苦しみますが、何はともあれ今回は"お試し"です。失礼のないよう、相手に尽くして差し上げなさい」
「オーケカモン!何をどう尽くすのかさっぱりだけど、まあ頑張りますよーっと」

言いながら、壁にはめ込まれている古めかしい絡繰り時計に目を向ける。
太陽のモチーフが埋め込まれた円盤が逆転して月に変われば、仕事の始まり。
あの時計がまたひっくり返すまで、俺の身体は刀剣男士のものとなる。
つまりはおもちゃ扱いだな!

くろ助の脇に手を入れて。
ぐーっと持ち上げて顔の前に持ってくる。
最初の頃は触らせてもくれなかったけど、今じゃなんだかんだされるがままになってくれた。
よくわかんないけど仲良くなって来てんのかなーとか思いつつ、実はその刀種と名前を聞いた時から気になってたことを、顔を近づけこそっと問い掛けてみた。
誰かに聞かれるわけでもないけど、なんとなくこっそりと。

「んでさ。──その短刀くんって、ちんこでっかいの?俺多分、そろそろ大分がばがばになってんじゃないかなーって思うんだけど」

果たして短刀くんのちんこで満足できるのか。
だって、ここに来るお客は誰も彼も馬鹿みたいにデカいし。
中にはズコバコしまくるやつもいるし。
そろそろ俺のあそこガバガバなんじゃないかなーっと思う訳だ。

するとくろ助は、狐の癖に溜息を吐いて。
そうして、てし、と前足で俺の鼻を押さえてこう呟いた。

「いつも入浴しているでしょう。貴方の身体は日々メンテナンスされ、形状を最適な状態で記憶されています。開発され感度が高くなることはあれど、膣が弛むことはありません。処女の締まりと熟女の絡み具合を両方維持できるよう調節されています。それは無駄な心配です」
「やだ〜〜なにそれ名器じゃん」

むしろ俺が俺を使いたい。
そう思ってしまう程度には、どうやら俺の身体はとんでもなく優れものだったらしい。
そういえば割とハジメテのお客さん入れて出すまで早いもんな。
あれ早漏なのかと思ってたら、違うのな。俺のあそこが強すぎたのか。
どんな感じなんだろう。
あれかな、じゅっぱじゅっぱすんのかな。

「軽口はここまでです。そろそろ準備をなさい。失礼のないよう、身体を磨き最適な状態で出迎えなさい。それが貴方の責務です」
「へえへえ。つやつやのお肌と身体で思う存分股開いてやりますよ〜」

そう言えば、音もなくくろ助は手の間から消えてしまった。
ワープって奴だ。こいつはいつも俺の相手がめんどくなったり仕事がはいったりしたらこうやって消えてしまうのだ。
多分今日その短刀君を入れるための予約調整とかしに行ったんだろうなあ、とか思いつつ。
俺もそろそろ準備しなきゃな、と寝そべっていた身体を起こす。

「しっかし、短刀。短刀……ねえ……」

一番最初に、刀の説明を受けたことがある。
どの種類の刀は、どんな形をしていてどういう背格好なのかとか、そんなんを。
そこで、短刀は確かこう言われていた筈だ。

「忠義心に厚く、主に女性への敬愛と扱いが丁寧。──その外観は、子供の姿をしている」

──そんな子供が、ここにきて何すんのかなあ。
おままごととかだったら、流石にどこまでノってあげられるかわかんないぞ。
というか、ヤるにしても精通とかしてるんだろうか。
子供の外観って、一体いくつまでのことを指してるんだろうか。

まあ、何はともあれ。

「太鼓鐘貞宗って、どんな刀のかね」

お手並み拝見と、いたしましょうか。

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