燭台切光忠は臆病である

「んぁうっ!あ、ぁあ……っんン!あっ、いっあっぁあっあ、ぁああっ!」

相手を思いやっての行為なんて、できるのは理性が残っているうちだけの話だ。
私の肌を散々嬲って興奮を高め、怒張したものを手で軽く擦ってやれば理性なんて紙切れ一枚より薄くなる。
文机に上半身を預けて膝をつきバックの形で硬くそそり立ったものをぶち込めば、光忠の理性はあっという間に消失した。

ぐちゅぐちゅと結合部からいやらしい水音がする。膝が畳に擦れて痛かったがそれももうあまり感じない。完全に脱げずに両腕に引っかかっている白衣が突き上げられる度にゆらゆらと揺れる。
ただ中を乱暴に突き上げるものが私の思考を支配している。ぐずぐずにとけた蜜壷は光忠のものを根元までくわえ込み、内壁を擦られるたびに歓喜に全身を震わせている。
甘い電流は四肢をぴんと張り詰めさせ、同時に背中を駆け上がって私から正常な呼吸と思考を奪い去っていく。
私の理性も紙より薄かったようだ。下しきれなかった唾液が顎を伝い、見せ掛けとして置いてある和綴じの本を汚していく。

「あるじ、あるじ……っ」

「んんぅっ!ぁ……あ、ぐりぐり、しないでぇ……っあ、ぁあっ!」

うわ言のように主という言葉を繰り返す光忠が奥を抉りつつ、私のうなじにから肩甲骨にかけて何度もキスを落とす。
脇から伸びてきた掌がふるりと揺れている胸を鷲掴みにした。痛くはないが、やはりびっくりする。
やや乱暴に揉みしだかれながら、全てを収めたままグラインドをかけられ、突き上げられるのとは違う快感に身を捩ってしまう。

「奥、気持ちいいみたいだね」

耳元で囁かれ、甘噛みされる。反射的に締め付けてしまえば、そのまま色っぽい吐息が耳朶にかけられて私の情欲まで煽られてしまう。
結合部から垂れた愛液が太ももを伝っていくのを感じながら、ふいに腰を力強く引き寄せられて喉から声が迸った。

「ぁあああぁあっ……あ……あ、もう、むり……はいらな、い、ぁああっ!」

根元まで全て入っていると思っていたのに、まだ入りきっていなかったらしい。
はくはくと口を大きく空けて呼吸を繰り返しながら、今度こそぴったりと密着した腰を離そうともがくが叶いそうにない。
光忠がしっかりと私の腰を抱き寄せて離してくれないからだ。がくがくと震える体で無理だと訴えるために首を振るものの、光忠は熱い吐息を吐き出すだけで返事をしてくれない。

「ああ……気持ちいいよ、あるじ……っ!」

ずるる、と引き抜かれ圧迫感が抜ける。しかし次の瞬間また最奥まで突き上げられ、一瞬呼吸の仕方すら忘れて私は思い切りのけぞった。
掌が汗でぬれていて、文机から滑り落ちそうになるのを何とか堪える。光忠の理性が完全にぶちぎれたらしく、激しいピストン運動が始まった。
ぱちゅん、ぶちゅんとどこか間抜けな音を結合部から迸らせながら、光忠は逃がさないよう私の腰をしっかりと掴んで、その立派なもので中を抉り突き上げ続ける。
肌と肌がぶつかる度に私の体が跳ね、合わせて腰を振る余裕もない。ただちゅうちゅうと光忠のものに吸い付く自分の蜜壷に、浅ましい身体だとぼけた頭で自嘲した。
そう、浅ましいのだ。くわえ込んで、しゃぶりつくして、悦んで、震えて、ねだって、まるでけだもののように絶頂を求めている。

「んっんぁっああ、あ、ぁあっあ、いくっあ、んっんんぅっ、ん、イっ、あ……──っ!!」

膨れ上がる絶頂感は何度体験しても我慢の効くものではなく、全身を痙攣させながら私は光忠のものを締め付けながらイき果てた。
震える身体はきつく抱きしめられ、中を堪能していた光忠の動きも止まる。搾り取るように痙攣する中の動きを感じながらも絶頂後の倦怠感に身を任せていると、耳元で光忠がぼそぼそと何か呟いたようだった。
しかし口の中で呟いただけの言葉ははっきりとは聞き取れず、何を言ったか尋ねようとしたところでずるりと光忠のものが抜ける。
小さく声が出てしまったのは仕方ないだろう。ぽっかりと空いたそこに喪失感を感じつつ、肩で息をしながら今度こそ光忠を振り返る。

「どうしたの……?」

しかし返事はなく、やや強引に引き寄せられたかと思うとあぐらをかいた光忠の上に誘導される。無言が少し怖いが、腕を光忠の首に回され腰を捕まれる。
騎乗位だというのはわかったが、何か言って欲しい。光忠の顔を伺い見れば飢えた獣のような隻眼と視線が絡み合い、無意識のうちに腰を引こうとした。
が、それがいけなかった。

「逃げないでよ」

ずん、とまるで串刺しにされるような感覚。勢いよく突き立てられたものに、足ががくがくと震えた。
自重も相まって深く突き刺さる光忠のものに圧迫感を強く感じて、まるで縋りつくように光忠の頭を抱きかかえる。
ぞわぞわと背中を走るものに身を捩じらせれば、意識せずとも光忠のものを締め付けてしまう。

「ぁ……あ、ふか……ん、んぅ……〜〜っ!」

「さっきの、凄く気持ちよかったんだ……もっとシたい」

囁くように言われた台詞は、最初は聞き間違いかと思った。けれどどうやら本当に耳で拾った言葉だったらしい。

「──っ!! ぁ、ぁああーーーっ!!あっ、だめっ、だめだめだめっ、〜〜ん、ぁ、ぁああっ!!」

突然大量に流し込まれた神気に子宮が熱を孕み、過剰な快感に身体が無秩序に動く。
蜜壷は当然のように光忠のものに更にきつく吸い付いて離そうとせず、それを更に煽るかのように光忠が私の胸にむしゃぶりついた。
ちゅううぅと音がしそうなほど強く胸の突起に吸い付かれたかと思うと、飴でも舐めるかのように突起を舐め転がし歯を立て唇で挟む。
口の中に含まれた突起はその柔らかさと熱に溶けてなくなってしまいそうだ。

神気を流し込まれるだけでは私はイけない。イく前のもどかしい感覚が延々と続く。
中を擦って揺さぶって、頭も体もぐちゃぐちゃにして、突き破るくらいの勢いで奥を突いて欲しい。
大量の神気に一気に高められた快感のせいでそんな浅ましい願いで頭がいっぱいになってしまう。
そしてそれに答えるように、光忠の手がふいに離れた。

「ぁっ……あっぁああっあっ、あんっ、あっ、ふかっあ、いっ、〜〜きもちいっ、あっあ、ぁあーーっ!!」

我慢などできるはずがなかった。光忠の顔を私の胸に押し付けながら、勢いよく腰をふる。
未だ光忠は私の胸に吸い付き離れようとせず、もう片方の胸の突起も乱暴に指で引っ張られたが痛いくらいの刺激も今は気持ちよくて堪らない。
肌がぶつかる度に愛液が飛び散り、汗に塗れ桃色に色づいた全身をくねらせ、待ち望んでいた快感に歓喜する。
そうなればもうあとは簡単だ。神気で無理矢理昂ぶらされた身体は、目の前にある絶頂をいとも簡単に掴んでしまう。

「んっあ、ぁあーっ!イくっまらっあ、ぁあっあっあんっ!んっ、ああ、あ、イっ、ぁ、ぁあああぁあっ!!」

早すぎる絶頂に腰の動きを止めて震えていると、光忠の手が私の腰をまた掴んだ。そしてまるで玩具でも扱うかのように、私の体を上下させ始める。
待って、という制止は聞き届けられなかった。イき果てた私の蜜壷のきつさを堪能するかのように、狭い中を無理矢理割り開き、未だ精を吐き出さない剛直で中をかき乱す。
ごちゅん、と子宮口を抉る先端が堪らなく気持ちが良くて、呼吸困難に陥りそうなほどか細い息を何とか繰り返しながら只管に揺さぶられる。

「ああ、主、気持ちいい……もっと、締め付けて……っ」

「うそっ、あ、ぁあああぁっ!!まっれ、あっぁああっ、くるしっから、ぁぁあっあ、ぁああぁあっ!!」

喘ぐように囁く光忠が、果てた私にまた神気を注ぐ。無理矢理昂ぶらされた身体は光忠の望む通りに絶頂を得るために跳ね、未だ精子を注がれていない子宮は急かすようにきゅうぅと切なく疼く。
もしかして光忠が出すまでエンドレスループするのだろうかと細切れになった思考で思案し、散り散りになりかけた心で早く出してくれと願った。

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