元審神者から髭切を寝取ってしまったモブの話@


──朝チュン、という言葉をご存じだろうか。
異性と熱い一夜を越えて、鳥の爽やかな鳴き声で目を覚ますというアレである。
つまるところは、一発しっぽりヤった後というわけだ。有体に言えば事後というやつだ。

そして、今がその朝チュンであり一発しっぽりヤっちまった後というわけで。
つまりは事後ってやつでして。

なんとなくじくじく疼く身体に、べとべとなんだかねとねとなんだかわかんない股の間。
風呂に入るどころか化粧も碌に落とせていないのか、瞬きする度に下睫毛と絡み合う上睫毛が煩わしい。
そうして──なんにも、身に着けていない身体。すっぽんぽんの、さらけ出し。
身体に絡まる見知らぬ腕に、私の足が愛おし気に絡みつく、誰かの足。
太ももに当たる、ナニかの感触。
もうこりゃ、間違いなくヤらかした後である。

「……、……」

正直に言うと私はぶっちゃけこういうことが初めてではなく。
割とこう、酒の席の勢いでアバンチュールなメイクラブをやらかしてしまうことがある。
だけどそれは向こうもやっぱりその気っていうか、まあその割と顔も分かってるっていうかなんだかんだ見知った顔が多いっていうか。
大体が、クズには同じようなクズがお似合いで、相手も大体常連化するものなんだけれども。

ずくずくと、身体が疼く。
お腹の奥の奥の方が、太ももに当たるそれ、、が欲しいって甘えるみたいに蠢いている。

こんなことは、初めてで。
あんまりにも経験したことのない感覚なものだから、私は私を抱きしめる誰かの顔を確かめることも出来ないで、知らない男の腕の中で横たわっていた。

そう、知らない。知らない男だ。
この肌の色も、感触も、薫る匂いもなんにも心当たりがない。
というか、どういう経緯でこの男と寝ているのかも覚えてない。
昨日飲み会だったっけ?男と飲んだりしたっけ?そんなレベルなのだ。

こいつ誰。
だけど、だけどそれ以上に──。


「──ねえ、おきてる?」


頭上から、声が落ちてきた。
それは、やっぱり知らない声だった。
瞬間、柄にもなく身体がびくりと跳ね上がってしまって。
処女でもないくせに、まるで手馴れない初体験の女の子みたいな、なんとも恥ずかしい反応を示してしまって。
予想だにしない自分の身体に、内心混乱しっぱなしのまま、生唾を飲み込んで唇をそっと抉じ開けた。

「……起きてるよ」

──あ、わたし発情してるわ。
そんなことを自然と思う程度には、自分の声は思ったよりも震えてて。
そんでもって思った以上に、甘ったるく濡れていた。

ひとつ気付くと、もう本気で駄目で。
お腹はずくずく通り越してもうじゅんじゅんしてる。つまり濡れまくりだ。早く突っ込んでって疼きまくってるのだ。
そして心なしか息も荒くなってきて、揉まれてもいないのに乳首なんかもビンビンに立ちっぱなしになってしまってる。

なんだこれ。
そう思う私に、けれどそれ以上になんだこれな事態が襲い掛かってきたのだ。

「っん、」

つつつ、と。
指がひとつ、私の背筋を撫で上げた。

それに思わず、息をひそめて。
なんとなく唇をきゅっと結んで、どうしようか迷って。
だけどやっぱり、これってつまりそういうこと、、、、、、、、、だから。
半分以上おかしなテンションのまま、私もれろり、と目の前にぽつんとある綺麗な色の乳首を舐め上げてみた。
つまりは、いいよという、意思表示。

「んっ」

他の男より、やや高めの綺麗な声。
それが素直に反応を示したことに、柄にもなくテンションが上がってしまう。
というか物凄くムラムラした。
やだ私、ほんとどうした。

「! ぅわっ」

すると、ぐっと身体を掴まれて、そのままこの“誰か”に覆いかぶされてしまった。
その拍子に相手の顔を見ることができたけど、残念なことに部屋が暗くってどんな顔をしているのかはわからない。

ていうかうわって。うわって。
もうちょっと頑張ってきゃっみたいな可愛い声上げろよ私。
いやでも咄嗟にそんな声でないわ。出せる子って凄いよね。どっから出るんだそんな声。どういう声帯してんだろ。
ぐるぐる巡る思考回路は、なんとも可愛げがないものだ。

──イケメンかな。イケメンだったらお得だな。
なにが、なんてのは言わなくてもわかるだろ。
どうせヤるなら、顔の整った相手と致したいというのが、組んず解れつな関係を主とする私にだってある些細な乙女心というもので。

目覚めたばかりでまだ上手く視界がひらけない。
というかおっ始めるのはいいけど歯磨きくらいはしたいかも。
寝起きの人間の口にいる菌の数を果たしてこの人は知っているのだろうか。
なんてことを思っていると、なにやら顔が近づいてきたものだから、私はすっと横を向いて一言。

「キスは歯磨きしたらね」

そう言ってみれば、頭上からは楽し気な笑い声が聞こえて。
本当にいい声してんなこの人、と思う私のおでこにひとつ口付けを落として、そのまま私の首筋に吸い付いていく。

それがあんまりにも手馴れたご様子なもんだから。
こりゃあ、新しい火遊び仲間に追加かな、なんて。
思う私は、素直に口を開いて、喘ぐ準備をするわけだ。





視界が、ちかちかする。

だけどそれは、眩しいからではなくて。
部屋は相変わらず真っ暗なままだし、目はやっぱり使い物になってないから相手の顔もよく見えてない。

じゃあ、なんで視界がちかちかしてるのか、なんて。
そんなの、予想外のものが、この人についていたからでしか、なくて。

「ぁ、ッあ、はぁっ、あぁ、んっッ!」

ずんっと下から強く突き上げられて、身体全体が強く反応してしまう。
脳天まで突き抜くような甘い痺れが駆け巡って、背筋を仰け反らせて声を漏らせば乳首をしゃぶられて更に胎の奥がきゅっと引き締まってしまった。

──やばい、すごい、なにこれ。
テクニックがどうとかいうよりも、モノだ。
とんでもなくでっかいモノのが、この人の股間にはぶら下がっていたのである。

私は、人よりも穴が深い膣を持っていて。
更に言えば、それは自分で言うのもなんだけどかなりの名器という、ものらしく。

──数の子天井に、蛸壺を掛けた具合。ふわふとろとろつぷつぷきゅうきゅう。そんでもって奥が深すぎてどこまでもじゅぷじゅぷ行く感じ。
私に突っ込んだ男たちが口にする、大まかな感想である。
自分じゃよくわかんないんだけど、かなり凄いらしい。ふわふわなのにとろとろで吸い付いてきて搾り取られるとよく言われる。
マジでよくわかんないんだけど。もしも自分が男だったら、一度は味わって見たいなとは思っていたり。

そんな私は、正直そこまで強く満足したことってなかったのだを
だって、私が満足する前に男が力つきてしまうから。
酷い奴は入れた途端にウッ!とかいってフィニッシュ決めたりする。
だから、基本的に私は欲求不満で。だけど、なのに。

「ひっひぃ、あッ! あぁっあうっあ、〜〜っ!」

ぱんっぱんっと肉の打ち付ける音がして。
それと同じくらい、ぐぷっずちゅっといやらしい水音が聴こえて。
私のお胎の奥に、ごつごつと当たっていて、、、、、、、、、、、、、、、、、──。

そう、当たってる。当たってるのだ。
今まで、誰とヤってもこんなに奥まで届かなかったのに。
だあれも、こんな奥を、小突いてはくれなかったのに。

なのに、今届いてる。
だから、視界がちかちか光ってしまう。

「ひぃッんっあ、あぁっ……!」

奥を強く捏ね上げられる度に意識が白く飛んで、そうしてまた打ち付けられる度に連れ戻されてしまう。
息が出来ない。息をする度に、高い声が漏れていく。
身体があつい。胎の奥がじゅぶじゅぶしてじんじんする。入り口はどろどろに溶けちゃってる。
──ぜんぶ、気持ちいい。

こんなの初めて。
こんなの、知らない。
頭が、おかしくなってしまいそう。

「まっまって、……ッあ、だめっ、だめぇっあ、あ、あっ」
「んっやぁだ、待てない、よっ!」
「あぁっ! あ゛っあぁっ、うあ゛ぁ〜〜っ!」

一拍ためて、強く打ち付けられて身体の奥に痺れが響く。
大きく開いた足が、快感から逃げるように宙を掻いていく。
だけどそれはなにも蹴ることもなく、結局は私に伸し掛かる男を逃さないとでも言いたげに絡みついてしまうんだから、自分の根っからの色好きに眩暈が起きてしまう。

「あっぁ゛ッあはっ」

だけど、だけど好きなのだ。
気持ちいいこと、感じること、絶頂に浸ること。
自分で弄っても届かない快楽の先は、誰かに突いてもらわなきゃ味わうことはできなくて。
そうして、誰かに突いて貰っても届くことのなかった先に、今私の中をごりごり抉るこれは簡単に届いてて。

どれだけでっかいんだとか。感じたことのない重圧感にどれだけ太いんだとか。ぐちゃぐちゃになった頭で思うんだけど。
だけどやっぱりそれ以上に気持ちよくって、頭の奥からとろとろに蕩けちゃいそうなくらい、感じちゃうから。

「あっあッ! んっひっそこっぁっ、そこっ、そこすきぃっ、あ、ああっ」
「っ、ここっ? ここがいい?」
「ぅんっ、んっ、すきっすきっぅあっ、あっしゅごっ、ぅんんっ…!」

素直に甘えた声を出せば、強請った場所をぐりぐり小突かれて、うねうねとナカがうねったのがわかってしまう。
奥に当たる度にお胎の奥からじゅっちゅぷっなんてしゃぶりついてる音すら聴こえて。
頭の奥から、とろとろ蕩けてどろどろになっていく感覚。
相性が合うなんてレベルじゃない。
この穴は、この人に貫かれるためにあったんだなんて、思い始めて。

──あ、もうだめ。
ちがう。もういいや、だ。

真っ暗闇の中で、手さぐりで私に覆いかぶさる身体に触れる。
しっとり汗ばんだ肌にぺたりと手を這わせて、できるだけいやらしく肌の上をすべらせていく。

セックスって、戦いだ。
いかに相手をその気にさせるか、、、、、、、、のテクニックの見せ合いなのだ。
どれだけ自分に、この行為に溺れさせるかが技の見せ所。それによって需要が生まれて、供給に繋がっていく。

こんな、こんな素敵なモノ。一夜限りじゃもったいない。
この一回じゃなくって、もっと、もっと、何回だって。
シたい。足りない。もっともっと、この人とエッチしたい!
──だったら、わたしの身体にはめるしか、ないじゃない。

「んっ、わ、」

肌ぞなぞりながら腕を絡めて、そのままぐっと引き寄せてベッドに寝転がせる。
上下逆転だ。つまりは、私が今この人の上にいる。
ひっくり返った拍子に少し抜けたけど、腰を落としていけばまたずぷずぷと奥に沈んでく。

「っあ、あぁんっ〜〜っン、」

──凄い。あんなに動いたのに、抜けきらないなんて。
本当に大きく長いことを理解して、ぞくぞくと背筋に期待が駆け巡る。
ぐぷりと咥え込んだそれはぴたりと奥に当たっていて、それがたまらなく気持ちよくて思わず目蓋がぴくぴく震えてしまう。

完全に降りてないのに、子宮口に当たってる。
圧迫感が凄い。ぞわぞわぞくぞく奥が甘く痺れてる。
ちゅっと私のお腹の口が彼の先っぽにキスしてて、はやくもっとしゃぶりつきたいって強請ってる。
しゃぶりついたらもっと気持ちいって、早く早くって、じゅぷじゅぷ蜜を滴らせてる、けど。

だけど、だめ。
私だけが気持ちよくなるんじゃだめ。
この人を、前後不覚に陥らせなきゃ、いけないから。

「なあに、どうしたのっ、ん、!」

「──もっと、気持ちいこと、しよーよ」

きゅっと膣の入り口に力を入れたまま、腰をゆっくりと揺らしていく。
ただ上下に動かすんじゃ芸がない。
左右の壁に擦り当てるみたいに、前後左右、ねじる様に腰をくねらせてねっとりと律動を開始する。
膣の入り口から今度はお胎の奥を絞る様に力を籠めれば、息をのむ声が聞こえて更に気分が気持ちよくなってくる。

私が、感じさせてるのだ。
感じされられているんじゃなくて、私が感じさせてるの。

「んっぁ、ぅあっ!」
「ンっふっ、んあっ、あ、あぁ、んっ」

前後にぐちゅぐちゅ揺らしながら、上下のピストンを浅く小刻みに刻んでく。
お腹に込める力はきゅっきゅっと緩急をつけて、単調にならないように。
不安定な身体は背中に当たる膝に腕を絡めて安定させて、そのついでにちょっとキツイけど猛反対の手でむにむにと優しく睾丸を揉んでみる。
するとまた声が上がったから、睾丸も気持ちいい人か、と安心して弄る手をもっと強めた。

たんったんっ、とお尻が当たるか当たらないかのギリギリのラインで腰を動かしていく。
完全に座り込んじゃ動けなくなっちゃうし、寝てる彼が圧迫感で辛くなってしまう。
だから私の腹筋との勝負、ギリギリを狙って腰を動かしていくのだ。

「んっふぁっ、!」

一番奥に当たるたびに、ぶわりと弾けそうな熱が広がって力が抜けそうになるけど。
だけどそれをぎゅっと堪えて、みちみち拡がる壁に擦り付ける様に挿入させて行く。

──やっばい気持ちいい。
ほんと凄い。太い。長い。逞しい。

気を抜けば、簡単にイってしまいそうだ。
良いところに当たる度に、脳髄まで痺れるような快感が襲ってきて、たまらない。

これだけ無理やり動いても中折れどころかむしろどんどん硬くなる始末。
中に入ったまんまで触れてないから、ちゃんとはわかんないけど。
ただでさえも太いのに、カリが随分と大きくて。エラ張っていてすごく気持ちいい。
抜ける時に私の壁を思いっきり引っ掻いて、入る時にぐりぐり抉じ開けてくる。
つうかもう、むしろよくこれ入ったな!

「あ、あぁっ、あっ、きもちっ、うぅんっ、きもちぃっあ゛ッ」

自分のナカがぎゅうぎゅうに絡みついて行くのがわかる。
離したくないってねっとり絡みついて、吸い付くみたいに纏わり付いてる。
それが無理やり引き抜かれるのがすっごく気持ちよくって、抜けて締まった穴にずぶずぶ入って行くのが堪んない。
やばいどうしよう、気持ちいい。

「ふぁっんっン〜〜っ……、は、はあっ!」
「っぅ、……ッ」

このままじゃいけない、と身体を内向きから大きく後ろに仰け反って、そのままじゅぷじゅぷと腰を抜き差しする。
そうすると、カリが引っかかったまんまぐぐっと後ろに持ってかれるから、締め付けられる場所が変わってきっとこの人だって気持ちいはず。
ほら、悦さそうな顔してる。
──それ以上に、当たりどころが変わって私がやばいけど。

「やばっやばぃぃっぁっあ、! っイくっイっちゃっあっアっ!」

当たるところが変わって気持ちいのは私も一緒で。
ぞくぞくする快感が、背筋を駆け上って脳髄まで犯してく。

──だめ、だめ、だめだイっちゃう!
自分だけ気持ちよくなるんじゃなくて、気持ちよくさせたいのに。
なのに、ダメこれ凄すぎて無理。こんなに気持ちいの、入ってるだけで思考が吹っ飛びそう。

段々と奥に熱が集まって行くのがわかって、次に来るであろう大きな波に身体が身構え始めるのがわかった。
たぶん、多分凄く大きなのが、きてしまう。
膣の中が、すごく敏感になってる。どんな形なのかもわかる。全体でひくついて、全体でうねってる。
あ、くる。くる、くる、きちゃう、あ、あ、あ──

「──〜〜〜〜っ、……ッっ! 、!!、!」

ぎゅう、とお腹の奥から絞る感覚がして。
そのまま、奥の方から波打つみたいにビクついて、引き締まって行く。
お腹を中心に背筋をぞくぞくした電流が駆け巡って。カチコチになってしまった身体が、バランスを崩してぺたりとへたり込んでしまう。

「ぁッ、あーー…っ……、ひっ、んぁっ……っ」

すると一等奥に食い込んでしまって、堪らず息が震えた。
ぴくぴくと眉毛が動いて、熱い吐息が勝手に溢れる。
貫かれてるのが気持ちいい。お腹いっぱいみちみちに拡げてくる太いそれは未だにびくびくと脈打っていて、すっごく元気で──げんき?
あれ、待っておかしい。

私結構頑張ってたんだけど。
あれ──このひと、まだイってない?

「……えっちなの、好きなんだ?」

久しぶりに、こんなに強く達してしまった。強い快感に、上手く頭が回らない。
グラグラする身体に力が入んなくて、最早へたり込んで奥までぐっぷりと咥え込んでしまってる。
さっきのオーガニズムはまだ抜けなくて、肌の上を舐めるような痺れが下から上へと広がっている。
だから、問いかけられた言葉に反応ができなくて。
言われた言葉を右から左へ流しつつ、私の頭は、ぐちゃぐちゃの、どろどろのまんまで。

「ぁ、う?」

だから、腰を掴まれたのにも反応ができなかった。
しっかり押さえつけるみたいに掴まれた両腰は、そのまま肉付きを確かめるみたいにほんの少しだけ指に力が込められて。そのまま、ゆっくりと持ち上げられて──?
もちあげる?

「? なに、」

「僕ね、もっと気持ちよくなりたいなぁ」

その言葉と同時に。
私の持ち上げられた腰は、まるで人形でも降ろすような簡単な動作で彼の腰に叩きつけられたのだ。

「っ……!、ぁ゛っあ゛ッっ……!?、!! っ!」

背筋が、勝手に仰け反った。
目の前が、真っ白に弾けて。
息が止まって、喉が戦慄く。
そうしてその一拍後、突き抜けるような容赦のない快楽の波に視界が一瞬ぐるんと空回ってしまった。

なに。なに。
なにが起きた。
なにをされている?

「あ゛ッあアっ!! 〜〜っひっっひあ゛ッっ! あ、あああッ……!!!」

腰を強く掴まれるたびに、息が出来ないほど気持ちよくなる。
びっくりして止めようと私の腰を掴む手を掴もうとするんだけど、力を込める暇もないくらいガツガツ腰を動かされて止めるどころではなくなってしまう。
まるでお腹の奥まで叩きつけるかのように、強くしつこく同じ律動で打ち付けられて、視界に星が散った。

さっきの名残で後ろに倒れそうな私の身体を、彼は強引に引き寄せて自分の方に倒してくる。
と思ったら、そのまま起き上がってきて。
まるで抱っこみたいな状態で、私の身体は抱きかかえられたまま、がつがつと腰を推し進められて息が止まった。

「っっあぁっ! ひっひぃっ、んぁ〜〜〜ッ、あ、あ゛っ、あ、あ、ッっ……!」
「んー、やっぱ、こっちのが、動きやすい」

ゆさゆさと身体を揺さぶられてるだけなのに、お腹の奥にごっごっと重い衝撃が響き渡る。
初めて感じる最奥に、けれど私の身体は自分でも思っていた以上に変態ちっくだったみたいで、脳天まで突き抜けるような快感に、ぴくぴくと眉と目蓋が痙攣してどろどろに蕩けた顔をさらしてしまう。

抱きかかえられたまま、首筋にちゅっと唇をいくつも落とされ、吸われて。
その柔らかな感触と濡れた感覚に、跡が残っちゃうとぼんやりと他人事みたいな感想を抱いた。

唇の感触はいつの間にか舌の感触に代わって。
そうして、また最初と同じように背中にシーツが当たる態勢になった瞬間に、それは歯の感触へと切り替わっていった。

「ぃ、いた、や、やぁ、やぁん、かんっかむの、だめえっあっ」
「ん、はぁ、えぇー、っだめ?」
「あっあ、あ、っ、だめっ、んっ、あ、だめっ」

こんなに駄目っていってるのに、一向に立てられた歯は退いてくれなくて。
むしろこのくらいならいい?と伺うみたいに、力加減を変えてかぷかぷ甘噛みされていく。

「ねぇ、だめ?」

噛まれるのなんて初めてだし、怖いし。
なのに段々とそれが甘えてるみたいに感じてしまって、可愛く思えてしまって。
繋がっている部分は容赦なくごつごつ私の奥を打っていて、もうまともな思考ができない。

「か、かるくっ、ならぁッ」
「軽く、なら、いい?」
「ぅんっ、うんっ」
「ふふ、そっかあっ」

息を吸うタイミングで打ち付けられて、そのままやわく噛まれる。
ひっきりなしに続くそれは、段々とペースが速くなっていって。
奥を抉じ開けられる度に、視界の端で私の足が魚みたいに跳ねているのが見える。
わたし、いま、まな板の鯉みたい。

「あ、あンっ、ぁ、あ、あッ、あ、あっ」

ベッドのスプリングの音と共に、重い衝撃が奥に響いて。
脳みそがぐちゃぐちゃに混ぜられるくらい気持ちいい時に噛まれるから、噛まれることも気持ちよくなってきた。

すごい。
きもちい。
しんじゃいそう。
ずっとこのまま、酷くされたい。

ごっごっ、と私の身体なんて考えずに打ち付けられる熱の昂りに。
ぶるりと身体の芯から震えて身体が溶けていく。
だって、こんなの、はじめて。

──あれ、私何考えてたんだっけ。
なんか、なんか難しいことを考えた気がする。
だけどそれを思い出そうとすると強く打ち付けられて、ギッギッと軋むベッドの音と共に私の身体も弾んで快感を逃がすことも出来ずに全身で受け止めて。
知らない部屋の天井を、ぼやけた視界で見つめながら。
私はずっと、名前も知らないイケメンが満足するまで揺さぶられ続けた。

ずっと。
ずぅっと。

- 17 -