わたし、目覚める!(1)
シャルロッテの洗礼式が執り行われた冬の社交の始まり、わたしは襲撃を受け長い眠りについた。
そして。
目が覚めたら二年が経っていた。
なんてこった。
目覚めた時からずっと傍にいる神官長が、やけに気遣いさんだ。
シャルロッテのその後、神殿の行事、身近な者たちの結婚あれこれ、印刷業やわたしの体のことを一通り話し尽くし、側仕えたちの成長に怯えるわたしに同情し、身体強化の補助をする魔術具を装着するよう促してくれる。
大丈夫か、気になることはあるか、他に聞きたいことは?と、やけに優しげなのでわたしは調子に乗った。
「不安でいっぱいです。落ち着かせるためにぎゅーをしてください」
少し沈黙してから大きなため息を吐き、腕をひろげてくれた。
ぎゅーの要望が通った!!
すかさず飛びつき座りの良い場所を探し、神官長の胸に顔を押し当て先程までの長い話を反芻する。
あー神官長はまたお薬漬けの生活してるのかなー。
お薬の匂いが濃いよ。
それにしても、こんなに長々とぎゅーを許してくれるなんて、この神官長は本物?さっきから凄い違和感なんだけど。
「・・・わたくしがこれからしなくてはいけないことは何ですか?」
「まずは魔術具なしで体を動かせるようになりなさい。その後、城に行って皆に顔を見せる。ずいぶん心配しているからな。あとは貴族院へ向けての勉強だ」
「貴族院は10歳からでしたよね?わたくしの勉強は間に合いますか・・・?」
「いや、間に合わないと判断した。君の入学はシャルロッテと同じ来年だ」
「・・・・・・・・・え!?」