改革と親睦会(4)

おまけ

私はアウブ・エーレンフェスト。
遠方から集まったギーべ達との社交が終わり、やっと一息ついているところだ。

目の前には木札の山。貴族院からの報告書のはずだが、この数は何だ?


「フェルディナンド、この木札は何だ?今日はまだシャルロッテ達が移動しただけのはずだが・・・?」

先に木札に目を通していたフェルディナンドに声をかける。緊迫した雰囲気はないので、悪い知らせではなさそうだが。

「シャルロッテが初日から頑張ったようだ。次期領主の内示を受けたことを発表するとともに、貴族院での方針を語ったらしい」
「初日から飛ばしたな!シャルロッテ様はもっと慎重な性格かと思っていたが・・・」

私の後ろにいたカルステッドも驚いている。

「それでこの報告の数か?」
「まぁそうだな。シャルロッテの方針にローゼマインが乗って、全員の成績を上げるためにチーム分けをして盛り上げたようだ」
「それは効果がありそうなのか?」

よく分からず首を傾げていると、木札が一枚渡された。

「旧ヴェローニカ派の者達とこんなに意見を交わしたのは初めてだという報告とともに、寮内の派閥問題をこんなに強引に吹き飛ばそうとするとは予想外だったと書かれているな」

ローゼマインの発言は細かく書いてあるが、肝心のシャルロッテについては僅かしか情報がないぞ。報告者は・・・ハルトムートか。ならば仕方ないな。

「ヴィルフリート様と側近に動きはなかったのか?随分静かなように思えるが・・・完全に領主は諦めたか?」

カルステッドに問われたフェルディナンドはこめかみを指先でトントン叩くと、私に視線を向けた。

「ヴィルフリートはシャルロッテに追随しているようで、揉め事はない。今年はまだアーレンスバッハからの接触は報告されてないな?」
「まだ貴族院も始まったばかりだしな・・・。だが、ヴィルフリートの側近は婿入りの話を進める気でいるのか?静かすぎて気に掛かるな」

フェルディナンドの懸念が分かった。ディートリンデ嬢に婿入りする気でいるから、エーレンフェストの領主にこだわる必要がなくなったと見ているのだな。

「大領地のアウブに婿入りともなれば大出世だが、まだ何も話は動いてないはずであろう?」

カルステッドの顔が引き攣っている。ヴィルフリートに引いているのだろう。
私がまだ何の方針も話していないのに、勝手にその気になられても困るではないか!

「先走った動きをしないよう、釘をさしておけ。ヴィルフリートとディートリンデ様が二人きりで社交をしないよう、シャルロッテにも話を通しておいた方が良いな」
「そのようだな。フェルディナンド、木札を送っておいてくれ」


せっかくシャルロッテの自立に頼もしさを覚えたというのに、ヴィルフリートの問題が立ち上がるとは。

だが、婿入りは悪い話ではないのだ。
姉上の娘でなければ、もっと前向きに考えれたものを・・・。


あぁ!私はどうすれば良いのだー!

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