3
ゆっくりと瞳を開けると、見慣れた天井。中途半端に閉められたカーテンの隙間から、日の光が差し込んでいる。そのせいか、照明の落とされた天井が白く見える。
ぼんやりとした意識の中で、皐はしばらくそれらを眺めていた。
目覚めたばかりの頭は重く、皐を再び眠りの世界へ誘う。しかし、甘い誘惑にも似た強い欲求に逆らうように、皐は鈍い動作で起き上がる。その時、白いシーツの上に小さな音をたてて雫が落ちた。
ポタリ、パタパタッ――
乾いた音が鳴るたび、シーツは涙に濡れてゆく。
「また、同じ夢……」
かすれた声が、疲れている。
全身が汗ばみ、喉はカラカラ。
息は荒く、呼吸をすると肩が動いた。
――酷い、夢ね。
涙を拭いながら額に手を置けば、思わずこぼれた寂しい笑顔。それから皐は、深く息をついた。
のろのろとベッドから脱け出せば、近くに置いてあるナイトテーブルに視線を向ける。テーブルの上には、無機質な音をたてて動くアナログ時計。
現在の時刻は、午前十時。
また少し、起床時間が遅くなった。
繰り返される悪夢
(それは、存在するはずのない結末)
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