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con amore
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「…やっぱり…広いね…」
「うん。ここで、また…音楽をお勉強できるのね。」
構内にすっかり魅せられたように頬を上気させるのは、星奏学院の制服を着た志水と冬海だった。
内部進学が決まった2人はこの日を待ちわびていた。
星奏学院生には、外部受験の結果が全て終わった後で大学の見学会が設定されていた。
丸1日、大学の教室や設備、授業やサークルなど、好きなように見学することができた。
視線をキョロキョロさせながらゆっくりと構内を巡る姿が、付属大学ではあちらこちらで見られた。
「…冬海さんは…あとはどこを見たい…?」
「私は…練習室を…」
「うん、じゃあ行こうよ…僕も、見たい…」
歩き出した志水と並んで冬海も歩き出す。
どんな学生生活が待っているのか楽しみだった。
「つーちうら!」
「…ああ、火原先輩。どうも。」
「久し振りだね、土浦君。」
「柚木先輩もお久し振りです。相変わらず、2人は一緒なんですね。」
「柚木とおれはなかよしだからね。なっ、柚木?」
「ふふ、そうだね。」
火原の発言に、クスリと笑った柚木に土浦も苦笑で答える。
「それにしても、今日は懐かしい姿をよく見るねー。」
「構内見学会っすよね。懐かしいです、俺も去年の今ごろ来ましたから。」
「おれもしたよ。すっげーワクワクしたの覚えてる。今年は…」
そう言って思い出した顔に、火原の口角が上がる。
「懐かしいなー。みんな元気かなー?会えるといいね。」
「そうですね。」
「よしっ、探そう!柚木、いいだろ?土浦も行くぞっ!!」
「は…えっ!?」
驚いて目を丸くしている後輩の腕を掴むと、火原はずんずんと歩き出した。
彼らがいそうなところをブラブラと歩いていれば、引き合うようにして互いが目を合わせた。
「いたっ!志水君、冬海ちゃん!!」
「あ、火原先輩…」
「…お久し振りです。」
「柚木先輩も、土浦先輩も…一緒ですね…」
「うん、おれたちもさっき会ってさ。今日は学院の制服姿をよく見るから、もしかして2人に会えるんじゃないかなーって思って。みんなでキミたちが行きそうな場所を歩いてたんだ。」
「元気だったか?」
「はい。…先輩達もお元気そうで、よかったです。」
「チョー元気!2人とも、付属大学を受験したんだよね!?」
「はい…内部受験で…無事、合格しました…。」
「おめでとうっ!また一緒に過ごせるのがすごく嬉しいよ。」
「またよろしくね。」
「こちらこそ、よろしくお願いします…」
「なんだか懐かしいね。こうやってコンクールメンバーが集まるのも。月森君は向こうの大学で頑張っているけど、たまに帰ってきた時には会えるし。」
「そうだね。」
「メンバーじゃないけど、やっぱり天羽ちゃんも何かと一緒にいることが多いよな。」
「アイツは大学生になっても俺らのことを追いかけまわしてますから。いい加減、落ち着けっての…。」
「菜美先輩らしいです…」
「だよねっ!天羽ちゃんはああでなくっちゃ!金やんとは飲めるようになったし!!志水君、冬海ちゃん、大学生活も楽しいよ!」
「はい…楽しみです…」
「歓迎するよ、君達の入学を。」
「ありがとうございます…。」
2016.08.08. UP
原作ルートにしました。
柚木様の進学先はffだと私大政経部でしたが、やっぱりみんな揃っている方がいいですし!
柚木様には音楽を続けてほしいです!!
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夢幻泡沫