14.修羅がゆきますゾーラの里
自分にとって大事なものが
視界の中に映らなくなった時
何を頼りに前に進めばいいのかに迷い
人は
【困惑】という迷路を彷徨ってしまうんだ。
修羅がゆきますゾーラの里
こんにちは、僕はリンク。コキリの森からやってきたコキリ族なんだ。
因みに僕の隣をふよふよ飛んでいるのが、僕の妖精ナビィ。
そして……
ゴキョッ!バシャーーン!!
「おどれらどきやがれぇぇあああああ!!!」
目の前にいる修羅は僕と同じコキリ族の女の子サリアです。怖いです(涙)
本当なら、もう1人舞って子がいるんだけど。彼女はモンスターの攻撃により川へ落ちちゃった。
流れが速かった所為か、足止めを食らっている間に彼女の姿は見えなくなった…
「(舞、大丈夫かな…)」
「ふふふふふ…モンスターの分際でサリアの舞を奈落の地へと陥れやがった小ざかしい雑魚共めが、今すぐおのれらの体粉砕してテールパサランの餌にしてくれるわ!!」
その前に自分の命が大丈夫かなぁ…!!(ガタガタ)
容赦ない攻撃にモンスター達は次々と倒れていく。後ろを振り返れば血痕と死体が点々と足跡のように…。
通行人が驚きそうな光景だ。(汗)
「あ、滝…?」
暫く坂を上がっていくと、勢い強く流れる滝を発見。目を凝らすと滝の向こう側に人一人通れそうな穴が見えた。
もしかして…此処が?
でも、滝の流れが凄すぎて向こう側には行けそうにない。
「どうしようか」
頭を使うのが苦手だから、(恐いけど)ここはサリアの意見を聞いて…
「止まりなさい。さもなくば清きその青を鮮血な赤へと変えるわよ」
…ピタ
滝が止まった。サリアの一言で…
「(ウソぉぉぉぉ!!)」
どんなに人間の成り立ちである自然でも、強力な腹黒オーラには敵わなかったんだ。
サリアは気にもせずに今の足場から、滝のなくなったことにより見えた道に飛び移った。置いてかれないように僕も急いで飛び移る。
『恐いヨリンク〜〜!!』(小声)
僕もだよナビィ…
++inゾーラの里++
「うわあぁぁ…!」
ゾーラの里…凄く綺麗だ!辺り一面が全て水に覆われている。涼しげな空気が肌をすり抜けていくのが気持ちいい。
まるで別の世界にでも入り込んだみたいだ!!
『リンク、今は感動してル場合ジャないヨ!』
いつまでも呆けてる僕にナビィが指摘してきた。あ、そうだ。確かに今は舞の行方を掴まないと…
『今は兎に角、サリアに殺されソウになっテるゾーラ族を助けてあげナクちゃ!!』
「Σさ、サリア!!?」
何とサリアの方にふり返ると、彼女はゾーラ族の首を絞めていた。正確に言えば、首を掴んでガクガク揺らしてるんだけど。
ゾーラ族の顔がもっと青く変色してる!!
「サリア、止めて!ゾーラ族が死んじゃうよ!!(涙)」
「あら、そんな事ないわ。ゾーラ族はタフだって聞いたことあるもん。
さぁ吐きなさい!吐くのよ!吐け!!」
首を揺らす速度を速めるサリア。これじゃあ違うものを吐き出してきそうだ(汗)
何とかサリアを抑え、僕は里の中で一番偉い人の許に行くことにした。
ゾーラ族の中で一番偉い―――【キングゾーラ】
『…会えたはいいんだケド…』
「余の可愛いルト姫がいなくなったゾラ〜」
「話聞いてもらえないね」
「うふふv何を思ってか気違いになっちゃったのね。まあ此処はサリアがこの子で一発やっちゃってもいいんだけど?」
サリアが取り出したのはあの凶器。あ、あれって痛いどころじゃ済まないんだよね…(経験者は語る)
それよりも、早くこの人に話を聞いてもらわないと…舞の事を知ってるかもしれない!
「あの、キングゾーラさん?」
「余の可愛いルト姫がいなくなったゾラ〜」
「1つ聞きたい事があるんです!」
「余の可愛いルト姫がいなくなった(以下省略)」
「実は僕達、探し物が2つあるんですけど…」
「余の可愛いルト姫が(以下省略)」
「その…1つは精霊石っていうキラキラした石で……」
「余の可愛い(以下省略)」
「…もう一人は…舞っていう………」
「余の(以下省略)」
「……女の子………」
「(全省略)」
「もうこいつ刺身決定魔物の餌決定」
『Σッキャーーー!!お、お願いサリア!それだけは止めテ〜〜〜〜!!』
質問してたのは僕なんだけど、全く話を聞こうとしないキングゾーラにとうとうサリアの堪忍袋の緒が切れた!!
ナビィ…命(と体)張って止めようとする君が偉いよホント(感動)
こんな時……舞がいてくれたら…
舞が……?
―――リンク!
頭の中で彼女の声が響いてハッとした。握っていた右手を解いて視線を落とす。
今気がついた。僕の心も身体も、舞が隣にいてくれることを望んでいる。
僕は…舞なしじゃどうしようも出来ないんだ。
舞――…。
***
――――ピチョン…
「……、ん…」
頬に冷たいものが落ち、それのお陰で目が覚めた。
何だか地面がぶよぶよしてる事に違和感を感じつつ、あたしの意識はだんだんと覚醒を始めた。
「(あれ…?あたし…)」
何でこんな所にいるの?
目の前に広がるのは何だか気味の悪いリアル赤。…うっ、吐きそうな色合いね(真っ青)
お、落ち着いて舞、冷静に考えるのよ。
あたしの今までやってきた事を辿っていけばいいんだから。
先ず無事に【炎の精霊石】をゲットして登山
↓
次の石の在り処は、ナビィの予想が当たれば水の多いところ。
↓
というわけで、川を辿って水の原水地へ
↓
途中でゴブリンと接触
↓
隙を見せてしまったあたしは後頭部を殴られ気絶。
↓
只今ここ何処ですか?状態に
「うん…これで合ってるわね。合ってるとすれば…」
Σあたし今ここ何処ですか?状態!?
うわ〜…勘弁してよ、見たところモンスターだっているんだから。頼みの綱といえばリンクから貰ったこの木の盾しか……げっ!?
「と、熔けてる!?」
ど、どうして?盾の周りに黄色い液体みたいなものがついているけど…
もしかしてこれ…酸?
「そう言えば…さっきから体がべとべとする…」
気持ち悪いほど身体にネバネバしたものが取り巻いているけど、周りの状況もあってか気にすることもできなかった。
このネバネバ感…それに、この気味の悪い赤い部屋。よく見たら、壁の所々に青い筋みたいなものが脈うつように動いている。
それに木の盾を熔かしたものが酸とすれば、行き着く答えは1つ。
「まさか此処って、何かの体内?」
デクの木サマに続いて、いやこっちの方がリアルで気持ち悪いんだけど!(汗)
ど、どうしよう。このまま此処にいても、モンスターにやられるか、この盾のように熔かされるか……
「嫌だぁぁぁ!!そんな惨めな死に方!まだモンスターに殺された方がマシだけど、そんな痛い思いしたくない!!
それにあたしは、息を引き取る時は美形の腕の中って決めてるんだから!」
無理だろうけどね。兎に角こんな所ずっといたくない。だとしたら出るしかないけど…出口もなければ出方も分からない。
此処でじっとしてたほうがいいの?でもモンスターがなぁ……
「(あ〜〜〜!頭が痛む!!)」
「―――そこに誰かいるゾラか…?」
頭を悩ませつつガシガシと乱暴に掻いていると、聞こえる筈のない声が耳に届いた。
違和感に眉間に皺を寄せて、相手の顔を見るべく顔を後ろに向ける。
「……魚人?」
「喧嘩売っておるのかお主」
そう、目の前に現れたのはザ!魚人(らしきもの)
どこか魚人か説明しよう。兎に角全体の見た目が魚なのだ!
独特的な肌の色は青。手に垂れるようについているのは、最初服かと思ったけどなんとヒレ。
そしてそしてあろうことか服を着ていない!こ、これは…
「痴女?(キャ)」
「泣かす!!(怒)」
あのすみません、額に青筋がくっきりと出てるんですけど…!!(汗)
とりあえずここは落ち着かせて、もしかしたら彼女なら此処がどこか知ってるのかもしれないし。
「ごめん、さっきのは冗談よ!見たところ普通の人じゃないみたいだけど…貴方誰?」
「当たり前じゃろう、わらわは高貴なるゾーラ族の姫じゃ。
そこらの下等生物共と一緒にするでないゾラ!」
「(下等生物ですか…)そうなの。あたしは舞。此処に迷い込んじゃったんだけど、貴方は?」
「…わらわの名はルト。周りの者はルト姫と呼ぶ。
それよりお主、今迷い込んだと言ったゾラか?」
「?ええ言ったわよ」
ルト姫はあたしの返答に考えるように口元に手を置いた。暫く沈黙の空気が流れるけど、彼女は視線だけこちらに戻した。
「此処はジャブジャブ様の腹の中ゾラ。普通なら迷い込んだりする筈ないぞ」
「や、やっぱり此処って何かの体内だったのね!?で、でも何であたしこんな所に…」
「ジャブジャブ様の中へ入るには口からしかないゾラ。お主が外におった時、ジャブジャブ様の好物である魚を持っていたのなら、吸い込まれたのやもしれぬ」
うそぉ…あたし吸い込まれたの?
魚のことは知らないけど、もしかしたらジャブジャブ様?のところへ流れ着いた時に、服に魚でもくっついてたのかも…
「わらわも吸い込まれたのじゃ。ジャブジャブ様から出たければ、口元まで戻っていけばよいゾラ」
そ、そうなんだ。じゃあ帰り方はちゃんとあるのね!……?
「ちょっと待って。ルト姫、貴方出る方法を知ってるんでしょう?」
「今言ったであろう」
「ならどうして此処にいるの?方法を知ってるなら外になんて何時でも出れるでしょ?」
「そ、それは……」
お?…き、聞いちゃいけなかったのかな。
「わらわはまだやる事がある!!お主は早く外に出ておれ!!」
「る、ルト姫?」
ルト姫はそのまま背を向けて向こうへ走っていった。
止めるよう声は掛けたけど、彼女は止まろうとしない。…あたしにどうしろと?
「(このまま出ちゃってもいいんだけど…何だか気になるわね)」
さっきのルト姫の表情…何か思いつめてたような顔だった。
見たところ武器も何も持ってない、ということは、此処で何か大事なものを失くしてしまったのかも?
「これでも元は貴方より年上なのよ、あたし」
(元)年上の威厳として、出るかルト姫を追いかけるか迷っていた時、遠くから悲鳴が聞こえた。この声は間違いない…
「!ルト姫!!」
居ても立ってもいられない気持ちになり、あたしはもう開き直って彼女の許へ走った。
悲鳴聞いちゃったんだもの、放って置くなんて出来ないわ(汗)
1つ奥の部屋に入ると、部屋の隅で縮こまっているルト姫が見えた。
その理由は、彼女の周りを取り囲んでいるクラゲのような生き物。
「ルト姫!!」
「!な、舞…!?」
ルト姫はあたしの声に気づくと、涙を溜めた目をこちらに向けてきた。
そんな彼女に萌える暇もなく(萌えんでいい)、あたしの声に気づいたモンスターが標的を変えてきた。
……戦う武器もないんですけど、あたし?
「(し、仕方ないな…ココは年上として何とかしないと)」
「舞逃げろ!!こやつらに触れると電撃でやられてしまうゾラ!!」
だからって逃げたらあたしが此処に来た意味がなくなっちゃうじゃない(汗)
「動きが遅いみたいだし、一箇所に固めてルト姫を連れて逃げるしかないわね…」
精々、距離が5Mぐらいになったらルト姫の所へ行かないと。
どんどんと距離を詰めてくるクラゲモンスター(×3)残りはあと…30M…
20M…15…10…
「(あと5M!)」
よしよし、順調に上手く行ってるわね。あと少し…
ピタッ
「…ん?」
突然クラゲモンスターが近づいてくるのを止めた。
何を思ったのかクラゲモンスターはお互いに身を寄せ合った。
途端、まるで溶け込むかのように3体が1つになっていく。
そして何と、クラゲモンスターはくっつき合って1つの大クラゲに。
…で…ででっ、
「デカくなったーーーー!!?」
「舞!!」
計算外の事に頭の中パニック!慌てふためいていると、クラゲモンスターが今度は上に浮き出した。
ピタリと動きが止まり、行き着いたのはあたしの真上。
ヒューー
な、何と!一体となった大クラゲが、あろうことかあたし目掛けて落下!!
「Σんああぁあぁぁああぁぁあぁあ!!!(退避)」
ドガァァ!!
素早く其処から退いたからよかった!クラゲモンスターの落ちてきたところを見る。
そこは見事にも穴が空いていた。…凹んだならまだしも穴が!?ジャブジャブ様大丈夫かね…!!
ゆらり……
「え``」
クラゲモンスターはデカイ図体を持ち上げ、標的をまたこっちに向けてきた。
ちょ、ちょっと…このまま潰されてジャブジャブ様内のじゅうたんになんかなりたくない!!
あたしはすぐさまルト姫の許にダッシュ!自分でも思うほど勇ましく彼女を俵担ぎにすると、ルト姫が何か言ってくる前に部屋から脱兎。
「き、気持ち悪い!!何だかよく分からないけど逃げるわよ!!」
「おっおっ、お〜〜〜〜!?」
あたしは最初にいた部屋に戻ってくると、大きく息を吸い込みながらゆっくりルト姫を下ろした。
「ふ〜…」
そして、
グシャッ
身を崩した。
いきなりの事に驚いたのか、ルト姫が驚いてるのが分かる(すまんね)
「お、おい舞!!大丈夫ゾラか!?」
「ふっ、ふふふ……クラゲなんて…もう、嫌いよ……」
一生のトラウマになった瞬間でした…(涙)
クラゲなんて、もう海で見つけたりしたら即逃げてやるっ
「…舞、何故お主帰らんかった?此処は危険じゃ、さっきのように、あんなに危ないモンスターだっておるゾラ」
「それはルト姫も、一緒でしょ?…あたしは只のお節介よ」
「それでもならん!!わらわの事は放っておけ、お主だけでもすぐ此処から出るのじゃ!」
……渇浴びらされるよりもさっきのお礼欲しかったな(涙)
ずっと寝ているのもなんだから、あたしはそこで上半身だけ起こした。
「でもルト姫、さっき怖がってたじゃない。モンスターが怖かったんでしょう?」
「!だ、誰でも怖がるゾラ!!」
「うん、それは確かに。あたしも実際怖かったもの」
そして一生のトラウマになった瞬間でした(もういい)
「でもそれなら尚更駄目よ。貴方だけを置いていけないわ、貴方が残るならあたしも残るわ」
「な、何を言っておるこの馬鹿者め!!」
そんなの今更ですって〜…
「あ、あんなに怖いモンスターがいるのに此処から出ないなんて、よっぽどの物好きしかいないわ。
…ルト姫、何か大事なものでも探してるんじゃないの?」
ルト姫はあたしの言葉に肩を跳ね上げた。引っ張っていた腕も下ろし、俯きながら眉を歪めた。
「お願い、あたしは誰にも告げ口を叩くなんて事しないから。
出来れば、貴方が悩んでる事…話してくれないかしら?」
あたしの言葉に、ルト姫はじっと顔を見つめてきた。品定めでもしているのだろうか…。いいわ、それならとことん見てもらう。
ルト姫が口を閉ざしてから待つ事数分―――
「……母上の形見を落としてしまったのじゃ…」
「?お母さんの?」
「わらわの母はもうこの世にいないゾラ…だからあれだけはずっと大切にしておった。
でも…ジャブジャブ様に吸い込まれた時に落としてしまったゾラ……
だから、母上の形見を見つけるまでわらわは此処から出れんのじゃ」
ルト姫はモンスターに襲われそうになった時と同じように目に涙を溜めて語った。
お母さんの形見かー…そりゃあ出るにも出れないわよね。
母がいない悲しみはあたしにも少しばかりは分かる、愛されてるねお母さん。
「分かったわルト姫、貴方の気持ちよく分かった。
でも幾らなんでも貴方を一人にできないの、やっぱりあたしも一緒にいるわ」
「此処にはさっきのような危ないモンスターがうようよおるのじゃぞ?
…危ないゾラ」
「大丈夫よ、いざとなったらまた逃げるから」
しつこく迫って迫りまくる。ルト姫はちょっと呆れ気味の顔で溜息をつく。呆れる事ないのに…(涙)
ルト姫は顔を逸らした。
「仕方ないゾラ、其処まで言うなら…いるのを許そうぞ。あ、ありがたく思うゾラ!」
そう呟くと顔をあたしから逸らす。少し見えている耳をみてみると赤くなっていた。
……か、可愛いじゃないかルト姫!!(萌ッ)
「じゃあ宜しくねルト姫。あ、そうだ…ルト姫、貴方お父さんは生きてるわよね?」
「うむ」
「じゃあお父さんは此処に貴方がいるのは知ってるの?」
「そんなもの知らないに決まってるゾラ!」
「駄目でしょうが。絶対心配してるわよ、せめて手紙みたいなの置いてきなよ!?」
「それは無理じゃ!だって姿が見られたら、絶対連れ戻されるゾラ!!」
まあそりゃそうかもしれないけど…それでもね〜。
此処は丁度ジャブジャブ様の口の辺り。今の内なら出せるけど……あ。
「そうだ、会わなけりゃいいのよ!ルト姫、紙とペンある?もしあったらビンも…」
「?全部あるゾラ。」
「よしっ、じゃあ手紙簡単でいいから書いて?」
「ん」
了解を受けてルト姫は何処かから小さな紙と羽ペンを取り出して地面に座って書き出した。
その間、あたしはルト姫が一緒に取り出したビンを手に取る。
うん…これぐらいの大きさなら入りそうね。
「舞、書けたゾラ。これでよいか?」
数分経って、ルト姫が手紙を渡してきた。軽く目を通す。
……うん、何て書いてあるか分からん。
「ルト姫…これ何語?」
「は?ハイリア文字に決まっておろう。」
ハイリア文字?何それ…この世界の言葉なの?
まあ兎に角、怪しまれないように曖昧に返事を返しておく。そうしながらも手紙を丸めてビンに詰める。
これで準備完了。
「出来た。後は……ルト姫、こっちに来て!」
「??」
?マークを頭上に浮かべながら、ルト姫は言われたとおりこっちに来た。
あたしはさっき手紙を詰めたビンを、口の直ぐ近くに置いた。
ルト姫の隣に寄り、壁に手を添える。
「いいルト姫?ちょっと吹き飛ばされそうになるけど、絶対飛ばされないようにね?」
「分かったが…何をやるつもりゾラか?」
「まあ任せて。あたしと一緒に壁をくすぐってね?」
「む、分かった」
「じゃあいくわよ!いっせーの、せ!」
あたしの合図を頼りにルト姫は一緒に壁をくすぐりだした。途端、部屋中がぐらぐらと振動で揺れる。振動が一瞬止み、その間にあたしはルト姫を抱きとめた。
その途端、
ぶえっくっしょぉぉぉぉ!!!
「Σんなぁぁぁぁ!!?」
「おおおお!!ふ、風圧…!!」
見事なジャブジャブ様のくしゃみにより、あたし達は吹き飛ばされそうに!
ルト姫を抱え、その場に踏ん張りながらも、一瞬だけ凄い風が吹き荒れる中外に向かってさっきのビンが飛んでいくのが見えた。
こ、これで吹き飛ばされ過ぎなかったらいいんだけど…
**
ヒュ〜……コンッ
「って!な、何だ?」
「おい、今頭に何か当たったぞ?」
里を見回っていたゾーラ族の二人が何かを見つけ、足元に転がったものを拾い上げる。
中に紙のようなものが入ってるのを確認し、それを開封。
書かれていた物を読んだ途端、二人の顔色が変わった。
「こ、これは!ルト姫様の手紙だ!!」
「直ぐにキングゾーラ様にお届けしなければ…!!」
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