20.レスキュー隊S!O!S!
++inゲルドの谷・夜++
「はふぁああぁ〜〜…」
あ``〜、よく寝た。勿論今は夜、しかも夜明け前と来たもんだ。
眠たい目を擦りながら、少しずつ覚醒する頭を待つため、窓から見える景色を眺めながらボ〜ッとする。
呆けてから約5分経過。
「よしっ…」
頭も中身も完璧に覚醒した。
昨日と同じ恰好と持ち物で、昨日と同じ場所へと足を運ぶ。
レスキュー隊S!O!S!
ポロン…
「こんばんはシーク!」
「よく来てくれたね」
こんな時間にこんばんは、ようやく元に戻りました女子高生です。
砦の頂上に行けば、既にシークは到着していてハープを弾きながら待ってくれていた。
「えーと、『サリアの歌』を教えてくれるのよね?」
「ああ、オカリナは持ってきているかい?」
「勿論よ」
そう、あたしがシークとこうやって夜中に待ち合わせしているのはオカリナを教えてもらう為。
それだけだとしても、こんな時間にわざわざ来てもらって本当に申し訳ないと思う。
「あ、でも『サリアの歌』のテンポを知らないとできないよね…」
どうしよう、ってか何故前もってそれに気づかなかった自分!
「…。こんな感じの曲じゃなかったか?」
どうしようか悩んでいると、激突にシークがハープを奏でだした。
よくよく聞いてみると、一度しか聞いたことないけど、これは確かに『サリアの歌』だ。
「す、凄いシーク!何で知ってるの?」
「……以前コキリの森に行っていた時、この歌が森から聞こえてきたからね」
「へ〜…」
成る程ね、それなら別に可笑しくないか。あたしは納得してそれ以上探りを入れなかった。
けど、この時にあたしは気づいてなかった。
何故彼が、コキリの森に入って無事だったのかを…
「知ってるなら出来るわね!シーク、早速教えてくれる?」
「ああ、いいだろう…」
彼は砦の端っこに座っているあたしの隣に腰掛けた。
あたしはポケットの中からオカリナを出しつつ、彼を見て思ったことが一つ。
横顔もめちゃめちゃ美形なんだな〜…
「舞、キミ今何か変な事思わなかったか?」
「(ギクッ)………さあ?」
「思ってたんだね。」
分かりきってるなら聞きなさんな。
また何か言われる前に、ポケットの中から昨日落とした木製のオカリナを取り出した。
「シーク、オカリナの使い方知ってるの?」
「少しならね…じゃあ先ず、基本の音から教えよう」
「よろしくね、ストーカー先生!」
「それじゃあ僕はここで」
「待て待て待て待て!!じょ、ジョークだってば!イタリアンジョーク!!」
「それを言うならアメリカンだろう。」
何故知っているアメリカン。
シークに対して疑問点がまた一つ増えました。とにかく帰ろうとする彼の服を引っ張って、何とか此処は抑える事が出来た。
*
「…その後にこの穴を塞ぎ、息を吹く。ココではあまり力強く吹いては駄目だよ」
「ええ!」
シークって凄い教え方が上手なのね…
一つ一つ丁寧に教えてくれて、間違ったところがあれば直ぐに指摘してくれる。
音楽音痴なあたしがココまで上手に出来るなんて奇跡に近いものよ。
「(え〜っと…ココとココを押さえたら低いドで、こっちをやったら……)」
「………キミは、何に対しても熱心なんだね」
「ふも?」
今までオカリナに集中していたから、突然のシークの言葉に思わず変な声が出てしまった。
彼はクールに笑うと視線を真っ直ぐと前に向ける。
「馬の時も、ハイリア語を覚える時も。キミはどんなに時間をかけても一生懸命だった。
今だって現に、僕が教えていく事を丸呑みしていくだろう」
「そうかしら…自分ではよく分からないなー。
元々、結構勉強を集中してやってたから、それの影響が及んでいるんじゃない?」
「そうだね…そうかもしれないね…」
シークの表情が、一瞬だけ曇ったような気がした。
な、何でこんなに重たい空気になってるの…?あたし何か不味い事言ったのかな(汗)
「そ、そう言えばシーク!
貴方、リンクの事を知ってるって言ってたけど、彼が今何処にいるかなんて知らないわよね?」
話しを変えなければいけないかと思い、咄嗟にそんな事を聞いてみる。
彼は前へ向けていた顔をこっちへ向けてくる。
「彼には…既に会った」
シークの口から思いも寄らない言葉が出てきた。
勿論あたしは驚いて目を見開く。
「う、嘘…?じゃあ、彼は生きてるのね!?」
「簡単には死なないからね」
よ、良かった…心の中で安堵の溜息をつく。
「そう、じゃあ心配ないわね。」
「…聞かないのか?」
「え?」
「彼が今、何処で何をしているのかを…」
赤い瞳に真っ直ぐ捕らえられ、何もかも見透かされてそうな気分になった。
逸らすように、あたしは顔を真っ直ぐ向けた。
「そりゃあ気になるけど…でも、リンクなら探しに来てくれると思うから。
危ないし、あたしはココでじっとしてるわ」
「…そうか……」
シークはまた顔を元の位置に戻し手元にあるハープを奏でだした。
う〜ん、ホントの所気になるんだけど、ナビィが着いているから多分大丈夫でしょ。
……多分ね。
「あれ?もしかして…今のところが最後のフレーズ?」
「ああ、そうだよ。時間が経つのは早い…キミが習得するのも早いけどね」
今気がつけば、今の所を吹いたら最後の部分だって気づく。
お、おお!これって…じゃああれなの?
「『サリアの歌』を覚えた、チャラララ〜〜ン!」
「…………何だい、そのチャラララ〜ンって」
何か、なんとなく(汗)
ああ、そんな呆れた視線投げかけないで!何だか変な意味で意識してしまう(何)
「兎に角、やっぱりキミは飲み込みが早いね。これでその歌はマスターした。
…丁度陽も昇ってきた」
「あ、ホントだ…」
そんなに長い時間を過ごしたような感じはしなかったのに…砦を映やせるように朝日が昇ってくる。
ゲルド族の人たちの声も聞こえだした時、シークが以前のようにすぐさま消えようとした。
「ちょ、ま、待ってよシーク!!消えるの早すぎよ!」
「?まだ何かあるのかい?」
いや別に、これといった用じゃないんだけど…
あたしは彼の体をこっちに反転させ、彼の右手に自分の右手を絡ませた。シークは驚いた顔でこっちを見ている。
「握手、よく考えたら会った時も出来なかったわよね?だから、”これからもよろしく”っていうのと”ありがとう”を込めてね!」
半ば強引に手を上下に揺らす。手を離した後も、シークは呆けた表情でこっちを見た。
ん、美形はどんな表情をしてもカッコいいのね(親指ぐっ)
「あれ?舞何処行ったんだろ?」
「おーーい、舞〜〜?」
ゲルド族の呼び声にあたしだけでなく、彼もハッとした。
ま、まずい。ココの人たちは男が嫌い…だとしたらシーク、見つかったらやばいわよね?
「し、シーク、もう行って!引き止めてごめん、あとオカリナ教えてくれてありがとう!」
オカリナをポケットに戻して、ぐいぐいと彼の背中を押す。少しだけ今居たところより移動してから、彼を押していた手を離した。
「じゃああたし下行くわね?」
「舞」
おお!?下に行こうとしたら、今度はあたしがシークに止められた。
慌てて後ろに振り返ると、彼はじっとそこに佇んでいた。
「キミは………」
「?うん、何?」
「………、いや…。また、会える事を願うよ」
シークはそれだけ言うと、昨日と同じように煙玉を使ってその場から消えてしまった。
何?あたしは…何だろう?
「舞!こんな所にいたのかい?」
「あ、すみません。」
「いいよ別に。姿が見えないから心配になっただけだからさ」
朝飯にしよう!と言いながら、その人は気軽に肩を組んでくれた。
あたしも曖昧な返事を返し、もう一度シークがさっきまでいた場所を振り返った。
―また、会える事を願うよ。
「(どうしていきなりあんな事言ったんだろう…)」
ゲルド族の人に遅れをとらないように、あたしは足を動かす。
*
只今太陽が真上に来ているお昼時の2時。
一日の中で最も暑い時間帯だと言われるけど、あたしはその中でも今手伝いをしている。
というのも、昨日に盗んできた金目の物の整理の手伝いを頼まれているんだけど…
だってほら、一応あたしもその盗賊の仲間って事になってるから。
「舞、それをあっちの方に持って行ってくれ!それが終わったら休憩いれていいよ」
「はーい」
1人で持てる大きさの木箱を運ぶ。中々重たいけど、これのおかげで力も結構ついた。
砦の入り口、エポナの小屋の近くまで持っていかなくてはならない。
―――ドサッ
「よいしょっ!え〜と、木箱が3つに袋が2つ。あとはガラクタがものが、ひぃ、ふう、みい……
…うん、全部あるわね」
リストに書かれてある通りの数があり、点検も無事終了。
あー…重たいものを持つと腰にくる(汗)
「はー、疲れた…」
痛む腰を摩りながらその場に腰を下ろした。両手を後ろについて首を持ち上げた。
「!いた…っ」
不意に感じた右手に感じた痛み。
そこに目を向けると、丁寧に巻かれた真っ白な包帯が。
そう言えばこの火傷も7年前についたのよね。ディンらしき人物につけられて…
でもずっと治らないの、どうしたのかな?
「いいか、今は休憩を味わおうかな」
まあ休憩と言っても、こうやって息抜きをするだけしかない。
此処はホントにお宝意外何もないから、やる事だって何も………あ。
「そうだ…シークに教えてもらった、」
『サリアの歌』…
乱暴にポケットに入れてあった木製のオカリナを取り出す。教えてもらったテンポも、楽譜も覚えていると、思う。
「そう言えば前、サリアが……
――――−−-
<ハイラル城帰還前>
「それじゃあね、舞」
「サリア、ホントに一人で帰れる?」
「うん、大丈夫!それに、舞やリンクが頑張ってる姿を、皆に教えてあげたいの!」
「そう…じゃあ気をつけてね?」
「うん!…あ、舞。リンクが吹いていた『サリアの歌』…覚えてる?」
「え?ええ、勿論!」
「もしね、寂しくなった時は『サリアの歌』を吹いて?この歌吹いたら、サリアと話す事が出来るから」
「そうなの?凄いのね…うん、分かった!絶対吹くわ」
「約束だよ!」
――――−−-
…とか言ってたけど、ホントに話せるのかしら?」
もし話せたらそれこそ吃驚だけど…サリアが特製な魔法でも掛けてるのかな(汗)
けれど、もしそれが本当ならば早く試したい。
いそいそとオカリナを口元まで持ってきて、頭の中でシークに習った楽譜を思い出す。
少し息を吹けば、オカリナからテンポのいい曲が流れ出した。
どんな反応をしてくれるだろう…
7年ぶりだから、驚いてくれるだろうか?
オカリナが吹けるようになったの、って言ったら喜んでくれるだろうか?
舞い上がる気持ちを抑えても、口元には弧の形が描かれる。
とうとう最後のフレーズを吹き終わり、直接何かが頭に流れ込んできた。
電波の悪いテレビのように、ジジッ…という音が聞こえる。
≪……誰………?≫
!サリアの声だ。
心の中が喜びで満たされる。
「サリア!私、舞よっ」
久しぶりね、って言おうとした時、何だか彼女の異変に気づいた。
≪舞!良かった…無事だったのね!!≫
「サリア?どうしたの?」
何だか、何処となく慌てているような喋り方だった。
≪今森が大変なことになっているの!
黒い影がモンスターを引き連れて森に襲い掛かってきたの!≫
「え?黒い、影?」
≪サリア森の聖域が気になった見に来たんだけど、ここもモンスターでいっぱい!!
すぐにあたしもモンスターに……、キャァッ!!≫
「さ、サリア!?大丈夫?サリア!!」
最初の時のように、電波が切れるような音が頭の中で響いた。
サリアが危ない、直感でそう思った。
≪…!・・なして…!!…来ないでよっ、来んなっつってんだろ!!
…舞!!助けてっ…!!≫
ブツッ―――
「サリア!!」
とうとう頭に伝わってきていたサリアの声が途切れた。
一瞬の出来事、それだけなのにあたしの体は動かなくなっていた。
サリア、貴方の事も気になるけど…
今モンスターどうなった――――!?
彼女の勇ましい言葉を思い出して暫くその場で呆然とする。
けれど、さっきのサリアの悲痛な声が頭の中でフラッシュバックされ、ようやくあたしは我に帰った。
「サリア…!」
一大事に気づいた体は俊敏に反応して、一目散にあたしは自室へと戻っていった。
テーブルの上に置いてあった、7年前にオカリナと一緒に持ってきていた『コキリの剣』を手に取る。
あの頃では両手で持つくらいが丁度だったのに、今となっては短剣のように短く感じた。
剣を持って、またあたしは外へ向かった。
*
++in馬小屋++
「エポナ!」
名前を呼ぶと、我が愛馬は声を返すように鳴き声をあげた。
行ったり来たりを繰り返していたから、あたしの呼吸は少し荒れている。
それでも気にせず、エポナを繋いである手綱を杭から外して、エポナが通れるように柵も除ける。
馬小屋から出て、ナボールさんに嫌というほど教えてもらったやり方でエポナの背に跨った。
ひづめをならし、ゲルドの谷の入り口へ向かう。
「舞!?あ、あんた何やってんだい!」
さっきまであたしに手伝いを頼んでいたゲルド族の人に呼びかけられて思わず止まった。
「ちょっと出かけてきます!」
「何言ってるんだ、そんな無茶事やめな!まだ戦闘経験もないあんたが、1人平原に飛び出したりしちゃそれこそモンスターの餌だろう!!」
「私の友人が助けを求めてきたんです!少し様子見に行ってくるだけですから」
「だからって言ってねぇ…せめて、明日にしたらどうだい?十分な装備だって出来てないんだし」
「それじゃ遅いんです!その間にも友人が殺されてたらどうするんですか」
昔、世話になった恩人です。そう言い聞かせて、何とか行く事を許してもらおうとする。
「…何処に向かうつもり?」
「コキリ族が住んでいる、コキリの森です」
「コキリの森だって!?あ、あんた…コキリ族以外があそこに入ったら、スタルキッドっていう魔物に変えられちまうんだよ!?」
「私一度そこに行った事があるんです。その時は大丈夫でした、だから今回も大丈夫ですよ」
熱弁するあたしの言葉にゲルド族の人は少し考えた。
「ちょっと待ってな」と言って、直ぐ近くの砦の入り口から中に入っていった。
その間にも不安が中で駆け巡った。
あの慌て方は異状じゃなかった。きっとあの時、サリアはモンスターに捕らわれたか、それとも…
嫌な方向ばかりに考えてしまう。
いや、でもあの後サリアと共にあのモンスターもどうなった?
確かに彼女の声も大変そうだったけど…
でも、サリアの力ならモンスターもイチコロなんじゃないの?
あのサリアでさえ手が出ないなんて…まさかそっち系(黒属性)で強いのか!?(汗汗)
いろんな意味で体を震わせていると、さっき砦に入って行ったゲルド族が戻ってきた。
「今仲間達と話をつけてきた。ホントは反対したいんだけど…何だか訳ありみたいだね。
これを持って行きな!ハイラル全土のマップだ。」
「あ、ありがとうございます!」
やった、マップを貰ったらもっとコキリの森に行きやすい。
いそいそとそれをエポナに取り付けてある紐で結びつけた。
「(つ、着けにくい…)」
「舞」
「?はおぶあぁっ!?」
さっきのゲルド族の人に顔を向けた途端、何かがバサッ!と顔に当てられた。
「何するんですか!…ってこれ…マント?」
「昔、ナボール様がよく使われていたものだ。お守り代わりに持っていきな。
…気をつけるんだよ。いってらっしゃい!」
「!は、はい!」
ゲルド族の人は笑いかけながら言ってくれた。
言葉を返して頭からスッポリと被り、留め金部分を留めた。
留め金の形は、何て皮肉なんだろう……聖三角
後ろを振り返ればゲルド族の人達が何人か手を振ってくれていた。
「はっ」
パシッ!と手綱と腹を叩いてエポナにダッシュの合図を出す。
子馬の時よりもスピードがつき、ひづめを鳴らしながら橋を通り過ぎる。
橋を通り過ぎれば、此処からはゲルドの谷を抜けた…ハイラル平原。
「此処も7年ぶりに来たのよね…」
前と全く変わっていない光景。
けど、前に比べて空が暗くなっている。デスマウンテンを取り巻く雲も赤く、黒くなっている。
これもきっと、ガノンドロフの所為?
あいつってこんなに変えるくらいの力を持ってたっけ?
「あ、今はそんな事よりサリアを助けに行かなくちゃ!」
さっき貰った地図を見直して此処からコキリの森への距離を測る。
エポナに乗っていけば、今日の夕方までには着きそうね…
「エポナ、頑張って全力ダッシュしてね」
鬣を沿うように撫でれば、答えてくれるように一声鳴いた。
もう一度手綱と腹を同時に叩き、ダッシュをさせる。
景色がびゅんびゅん通り越していき、物凄いスピードでエポナが走っているのが分かる。
「走れエポナ!メロスの如く!」
言ってて悲しいことは分かってる、うん。
時折モンスターがいたりしたけど、容赦なく走るエポナに踏み潰されて粉々に(グロい)
時折人がいたりしたけど、容赦なく走るエポナに蹴飛ばされて事故ったり(酷い)
まあそんな犯罪事犯しながら着々と進み、空が夕焼けに染まる頃、あたしとエポナは森の前に辿り着いた。
森に入ろうとしたら、エポナが嫌そうに抵抗した。
「エポナ?森に入れないの?」
しょうがない…此処からは歩いていくか。
ホントは魔物の巣と化した森に一人で行くのは嫌なんだけど…
エポナから降りて、『コキリの剣』とポケットにオカリナを入れる。
急ぎ足でその場から離れた。
「(前に比べて、森の光が薄れてる。サリアが言ってた、森の聖域が危ないから?)」
コキリの森に繋がる橋に来た。
「(早いところ、サリアを助けて森を元に戻さないと…)」
【オイ、見ツケタゾ!】
…は?
背後から聞こえた声に後ろを振り返る。
そこには不気味な姿をした、人とは言えない物体がいた。きっと、サリアを襲った…森のモンスター。
「な…」
後ろ足で森の方向へと退がる。けど、後ろにも横にも、目の前にいる奴と同じような魔物が取り囲んでいた。
【トライフォースノドロボーダ!!】
あ、あたしが泥棒!?
前にいた魔物が攻撃を仕掛けてきたけど、何とかそれを横に飛んで避ける。
けど、後ろから迫っていた魔物に気がつかず、気配に気づいて後ろを振り返るだけしか出来なかった。
「!!」
【貰ッタ!!】
―――ゴッ!!
――――−−-・
ドサッ!
『キャッ!り、リンク!どうしたノ!?』
「え?あ、いや…」
此処はカカリコ村の墓地。突然目眩がして、オレはその場でこけてしまった。
『大丈夫?土が雨でぬかるんでいるカラかな…』
「だ、大丈夫。ちょっと目眩がしただけだから」
『そう?ナラ良かった!』
斜め前を飛んでいる妖精に心配を掛けまいと急いで立ち上がった。
目眩なんてしばらくなかったのにな…
『吃驚しちゃったヨ。何時もト違う事がアルと、何か不吉な事の前触れッテ聞いた事あるノ。
でも、きっと大丈夫ヨネ!』
不吉な事の、前触れ…
1つだけ、周りと違う墓石を見つけたナビィの許へ近寄っていく。
少しだけ、胸騒ぎがする心を抑えながら…
不安を駆り立てるように空から雷鳴も鳴り出した。
Next Story.