03.ショタ好き長老危険区域


何だか森の様子が可笑しくて急いで森の聖域へ走っていった。


森の聖域に居たのは、地面に横たわっている一人の女の子。


ここはモンスターが出るし、危険過ぎると思い、女の子を起こしてあげた。


身を起こした彼女に声を掛けるとゆっくりと振り返る。



目に映ったのは…印象の強い純粋な黒い髪の毛と瞳。




ショタ好き長老危険区域



どうも、新しく友達になったサリアの腹黒を目の辺りにした女子高生(元)です。(遠い目)

変な夢から覚めたと思ったら、いたのは全く知らないところ。見たことのない小人たち。
そして初めて知った腹黒様と、1話目にして凄い疲れた…

今はそんな腹黒さまとリンクという純粋な少年と共に、同人好きらしい長老の所へ向かっている。


「デクの樹サマ!」


あたしの手を引っ張っているため、前を走っているサリアが長老の名を呼んだ。
広々と作られた美しい広場の中心に居たのは……凄く威厳がある…


[ホッ!こりゃたまらんのぅv]


めちゃくちゃ怪しい樹が薄い本を読んでいました。(変態発言付き)
本は樹のツタで持ってそれを目の前に持ってきて読んでいるけど…


「(ホントに読んでる…(汗))」

「デクの樹サマ!!」

[ホ?おおサリアよ!また新しい同人本を持ってきてくれたのかぃ?]


頭の中は同人で一杯のようで
この樹もう駄目だな。ってかこんなんで長老務まるのかよ。


「いえ今日は違う用で来たんです。ということでその本降ろしてニヤけた顔引き締めてください」

[おお分かった]

「ねえサリア、因みにデクの樹サマが読んでた同人、モデル誰?」

「ミド×リンク!因みに18禁本よv」


自分の友達を使ってるのか!?しかも18禁って…ヤバイ見てみたかも(コラ)
後で見せてもらおうと心の中で密かに決心し、未だ固まってるリンクの顔を覗いた。


「リンク〜?いい加減起きろ〜〜」

「(硬直)」

「……。リンクーーーー!!!」

「…はっ!あ、舞?あ、僕…僕の前に……さっき修羅が…!!」

「うん、分かってるよリンク。全部言わなくても分かってるから」


涙目で訴えかけてくるリンクの両肩を持って同情の視線を投げかける。
するとリンクは鼻をぐすぐす鳴らせながらあたしに抱きついてきた。


「リンク…?貴方何やってるの?」

「ご、ごめんなさい!!(汗汗)」

「(怖っ…!!)」


5秒と立たない間にリンクはサリアのオーラにより引き離れた。
あ〜、餅餅肌が…………ん?

何だか足元の草や花がしおれてきてる…


「あの…草とかが枯れてるんですけど?」

[おー!本読むのに夢中になって森に生命エネルギーを送るのを忘れておったわい!]

「誰か長老代えろぉぉぉ!!!この樹もう駄目だって!!」


放っといたらこの森が死に掛けない!!(汗)
あたしといくつか会話してやっとデクの樹サマがあたしの存在に気づいた。


[ん?そう言えばお主誰じゃ?]

「(気づくの遅っ!!)」

「デクの樹サマ、彼女は舞。森の聖域で困っているところをサリアが見つけたんです。」


サリアがあたしの代わりに紹介してくる。
う〜ん、この樹に話しても大丈夫なのかな。何かボケてきてるし。


[ふむ…見たところ此処の辺りの者ではなさそうじゃな]

「はぁ…」

「デクの樹サマ、舞はニホンってところから来たんだって!」


今度はリンクがあたしの隣から代わりに代弁してくれた。


[ニホン?…はて、聞いたことがないのぅ]

「(そりゃあねえ)」

「デクの樹サマ!舞すっごく困ってるんです。確かに此処はコキリ族しか住んでいませんが、でも舞も一緒に住ませて下さい!!」

「何かあった時は僕たちが責任をとるから!だからお願い!!」


サリアもリンクもあたしの為に凄く頼み込んでくれる。
…元はあたしの方が年上なんだから、下に助けてもらってばかりじゃ駄目よね。


「お願いします。此処のことあんまり知らないけど…今は頼るところが無いんです。」

[ホッホッホッ、3人共頭を上げよ。ワシはその子を追い出すつもりはない]


初めて聞いた優しい声(そう、初めて)
顔を上げてみると、いつもとは変わらないけど、少し雰囲気が優しいものかわっていることが分かった。


[よかろう、見たところ悪い輩にも見えん。ワシはお主を快く歓迎しようぞ]

「ほ、ホントですか…?」

「やったーー!舞これから宜しくな!!」


逸早く喜んでくれたリンクがあたしの両手をとって嬉しそうに跳ね跳ぶ。ああ、可愛いな〜。
もうこのまま野外プレイでも…(いかん)


「舞、家ならサリアの家に来ればいいよ!住むところがないと困るもんね!」

「ありがとうサリア。本当に助かるよ!」


ううん、全然いいのvサリアは笑顔であたしの手を持った。
3人で喜び終わると、もう一度お礼を言うべくデクの樹サマへ向き直った。


「デクの樹サマ、本当にありがとうございます」

[よいよい、また何かあれば此処へ来るとよいぞ]

「…はい」


本当に優しくしてくれるデクの樹サマを改めて見直した。
…最初はアレだったけど(苦笑)


「それじゃあ舞あっち行こうよ!この森を案内するから!!」


そう言って今度はリンクがあたしの手を持ってさっき入ってきた入り口へと走った。
は、速い速い!…ハッ!サリアは……


「リンク…調子に乗りすぎてるわね。一発殺っとかないとv」


腹黒様再び。
一発殺るって…1回殺ったら二度目なんてできないよ。
後ろから迫り来る腹黒(と書いてサリアと呼ぶ)に不安を抱きながらあたし達は広場を出て行った。


その際、後ろの広場から[うひょーーーー!]とかいう声が聞こえたのは…
まあ伏せておこう(汗)

















***





「リンクさ〜ん、生きてます?」

「な、なんとか……」


あれからサリアとリンクに幾らか案内してもらい、コキリ族の女の子達とも仲良くなれた。
あたしが女の子たちに萌えてる間に、リンクがサリアにやられていた。
半殺し程度に…

それから何だか危っかしいつり橋を渡ってみたり、森にある水場に行ってみたりといろんな所を回っていった。


「楽しかったな〜!舞、どう?楽しかった?」

「うん、楽しかったよ。見たことないものばかりだったから」

「良かった!じゃあそろそろ家へ帰ろうか?」

「そうだね。リンクも……大丈夫?」

「う、うん。もちろん…」


まだふらふらとしているリンクに状態を確認。
あ〜…本当に大丈夫?


「サリア…一応あたしリンクを家まで送ってってくるよ。」

「え?そう?……放っといてもいいぐらいなんだけどな〜」

「いや駄目でしょ」


何恐ろしいことさらりと言ってのけてんの。


「ん〜、分かった!じゃあ晩御飯用意してるから、出来上がるまでに帰ってきてね?」

「分かった」

「あ、それとリンクに何かされそうになったら大声で呼んでね?光よりも早く駆けつけてぶっ殺してあげるから☆」

「……」


分かったと返せなかった。
後ろで震えているリンクを横目で見ながら、あたしは先に帰るサリアに手を振った。


「さっ、じゃあ行こっかリンク!」

「う、うん」


体が震えてるから、何時倒れても可笑しくない。
そうなっては困るからリンクの手をあたしの肩にかけて歩かせるのを手伝ってあげた。


「ごめんね舞、僕が案内する筈なのに、何だか舞にも手伝ってもらっちゃって…」

「いいのよリンク、そりゃあんなことされたら誰でもこうなるわよ」


そうだね…と呟くリンクは何処か遠くを見つめていた。多分ボコられたときの記憶が蘇ったんだろう。
やっぱり今のあたしより身長が高いため重さも増す。その為ずれ落ちる腕を抱えなおしてゆっくりとリンクの家へ向かった。


数分もすれば木の上に立てられたリンクの家へ到着。


「梯子…大丈夫?」

「ん、平気。これぐらいなら」


そう言って証拠を見せるようにリンクは「よっ」と言って軽々と梯子を上っていった。
関心している間にリンクは上へ着いていた。

そのまま身を引き返そうと思ったら、上からリンクがひょっこり顔を覗かせた。


「舞!」

「ん〜?」


上を見上げると、少々頬を赤くしたリンクと目が合った。
…え、何?お持ち帰り希望?(違う)


「あの…さ…」

「どうしたの?」


リンクは1回深く深呼吸をするとにこっと笑いながらあたしに向かって一言


「今日はありがとね!また明日から宜しく!」


じゃあまた明日!と言うと、照れ隠しのようにさっと家へ入って行ってしまった。
突然の不意打ちに下半身に力が入りません。(がくがく)

くそっ、写真撮りたかった…さっきの可愛いリンクの顔を思い出しながらあたしはサリアの家へと帰っていった。

空は夕暮れから闇に染まる。




















***





舞がコキリの森に訪れ、一日が経った。覚めるのが早い者は既に活動を始めている朝のこと。

森の長老(同人好き)デクの樹の様子が可笑しかった。


[妖精ナビィ…。何処じゃ…、ここへおいで…]

デクの樹が何か呟くと、木の上からひらひらと一匹の妖精が舞い降りてきた。


『どうしたのデクの樹サマ。また同人のお話でスか〜?
…って、ええ!?どうしたんですか!!?』

[おお、妖精ナビィ…このワシの…デクの樹の言葉を聞いておくれ…]


弱弱しそうに話すデクの樹の前に舞い降りた妖精の名は『ナビィ』。


[お前も感じておろう?この世に満ちた悪しき力を…今ハイラルはその力に飲み込まれようとしておる…

このコキリの森は命の源…。人の侵略を拒むことで外の世界をも守ってきた…

しかし…、この強大な悪しき力の前では今のワシは全くの無力…

どうやら…あの妖精を持たぬ子が立たねばならぬ時が来たようじゃ……]

『は、ハイ!分かりまシタ!』

[それと…昨日やってきた……舞、と言ったかの?あの子も連れておいで]

『え?もしかして、サリアの家へ居候しテる子?でも、あの子は別に何も…』

[いや、昨晩ワシに呪いを植えつけた者があの子を探しておった。リンクと一緒にいた方が安全やも知れぬ…]

『デクの樹サマ…』

[あの子達こそ、このハイラルを善き方向へ導く者…

さあ、ナビィ…あの子達を此処へ誘うのじゃ…ワシに残された時間はもう…多くは無い…

たのんだぞ…]

『デクの樹サマ…!!』


ナビィは声のしなくなったデクの樹に近づこうとしたが、今言い渡された使命を思い出し、身を引き締めた。
急いでリンクとサリアの家を見つけ、それぞれの使者を探しに飛んでいった。




物語が動き出す……





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