10.ショップショップショック
―――シュンッ
「あ、あれ?此処…」
ピーチ「うん、着いたようね。無事に送られたみたい!」
「……あのさ、もしかしてだけど…さっき言ったあたしの言葉って…」
マリオ「確実に、異界転送の呪文にされたな」
「イヤァァァアアァァッ」
ショップショップショック
こんにちは、妙な言葉が魔法の呪文に採用された事にショックしています女子中学生です。
多分あのミッキーの声色からして、決定されたんだろうけど。
…もうちょっと考えようよミッキー。
まああまりそこまで考えてもどうにもなる訳じゃないので、あたしは低くしていた腰を正位置に戻した。
「あれ?此処って…キノコタウン?」
周りを一通り見渡してそうぽつりと呟いた。
キノコタウンっていうから、もっとキノピオ達がたくさんいるかと思っていた。
けれど、街をあるいているのは鼻が大きく、寸胴な体を持ったよく分からない住民達ばかり。とてもじゃないけど、ここをキノコタウンとは言い難かった。
マリオ「いや、此処はキノコタウンじゃない。此処は【ドルピックタウン】っていうんだ!」
「ドルピ…?キノコタウンじゃなかったの?」
ピーチ「そう思ってたんだけどね?舞ちゃんの服とかたくさん見てみたいと思ってv舞ちゃんが管理室に来るまでに話し合ったの」
ルイージ「キノコタウンより此処は栄えてるんだよ!」
「へ〜」
キノコタウンよりかは分からないけど、確かにこの町は栄えていた。町の周りは全て海に囲まれていて、空から照りつける太陽が街を明るく照らしている。そのお陰か、町の人々の活気も盛んでいた。
「ねえマリオ、町を歩いているあの人たちは何ていうの?」
マリオ「あれはモンテ族っていうこの島だけにいる特別な種族だ。あそこにいるのはキノピオ。分かるよな?
後はあっちはマーレ族っていう、海の真ん中に浮かぶ島の住人なんだ。滅多に此処には来ないから、今日は珍しいな」
「へ〜、物知りなのね!」
マリオ「はは、ありがとな」
マリオは照れるのか、頬を染めると頭を掻いた。
その様子に微笑むと、隣にいたピーチ姫があたしの名を呼んできた。
ピーチ「舞ちゃん、ちょっと私達注文していた物があって、それを受け取りに行って来ないといけないの。
すぐに終わるからちょっとだけ待っててくれるかしら?」
「え?あ、いいですよ。」
ピーチ「ありがとうv家の屋根で影になっているから、熱中症にならないように此処にいてね」
「はい!」
ルイージ「じゃ、じゃあ舞ちゃん。僕達もお供しないといけないから…すぐに戻ってくるからね!」
「分かった。気をつけてね」
何を注文したのかな、そう思いながら返事を返すと今度はマリオに呼ばれた。
マリオ「多分影あるから大丈夫だとは思うけど、一応俺の帽子渡しとくな!コレ被っててくれ」
「いいの?マリオは…」
マリオ「俺は普段冒険で慣れてるから、な?」
「ならいいんだけど、気をつけてね?」
マリオ「大丈夫、大丈夫!」
優しく笑うと、帽子を被っていないマリオはピーチ姫とルイージの許に駆け寄った。
一度ふり返ると手を振ってくれ、あたしもそれに振り替えしておいた。
マリオに借りた帽子を正しく被り直して、退屈になったあたしは頭を斜め上に向けて上げ………あれ?
「ナビィ?あれ、ナビィ!?」
ずっと声が聞こえなかった事に今更になるけど、ナビィがいない…一緒に来たはずなのに!
辺りを見回しても、頭上を見渡してもそれらしき姿は見えない。
何処に行ったんだろ…まさか一人だけ違う所に飛ばされたとか!?も、もしそうなってたら非常に不味い!!
あたしはおろおろとしながら辺りを探しまくる。
『キャーキャー!!ちょっ、放してヨ〜〜!!』
と、突然聞きなれた声が聞こえた。その声は言わずと知れたあたしの捜し求めていた子の声で…
声が聞こえたのは頭上より遥かに上。
「ナビィ!?」
バッ!と勢いよく顔を上げる。視界に入ってきた太陽に目を細めていると、上の方からまた声が聞こえてきた。
しかしそれはナビィのものではなく、少し彼女より低い声。
???「ガハハハ!!また会ったなマリオ!」
だ、誰?まだ太陽の光に慣れない目で一生懸命見ようとすれど、それはあまり見えなかった。
というより、マリオって…あたしに言ってるの?
もしかして、マリオの帽子を被ってるから間違えたのかも。そう思ってると、小さな影は屋根の上から動いた。
???「とぉおっ!!」
カッコよく決めてか、小さな影は屋根を蹴り、見事その小さい体で跳躍した。
…って、えぇぇ!?で、でもタダでさえ此処の屋根高いのよ?
それなのにそこからジャンプしたりしたら、更に高さが加算されて―――
ヒュッ―――グシャッ!!
???「ぶぎゃっ!!」
見事目の前に落ちた。何とまあ行動が期待を裏切ってくれないのか…
落ちた所為で手の力が緩んだことによりナビィがこっちに帰ってきた。
『舞〜〜〜!!』
「大丈夫ナビィ?怪我は?」
『な、ない!』
それじゃ良かった、そう言って力の抜けた彼女の小さな体を肩に乗せた。
そうこうしていると、視界にさっき落ちた小さな影が。何だか体がぷるぷる震えてる…
あたしは少し警戒しながら、未だ蹲っている小さな影に近寄った。
そっと耳を寄せると、下からくぐもった、絞り出すような声が聞こえてきた。
あー…これは、あれだ。子供特有の痛い事があったら、ある事。
「ね、ねえ。大丈夫?」
???「ひぐっ…う、五月蝿い!!マリオなんかに、心配されて、たっ溜まるか…っ!!」
あらま。目の前で泣いている子供はまだあたしをマリオと勘違いしてるみたい。
赤い帽子を頭から外し、手に持つ。頭に何も被ってない状態でもう一度子供に声を掛けた。
「ねえキミ、あたしはマリオじゃないわよ?ホラ、マリオより声が高いでしょ?ね?」
???「…な、にぃ…?」
子供は体を震わせながら、恐る恐ると顔を持ち上げた。
その顔は涙に濡れていたが、吃驚するのはそこじゃない。この顔、この姿…何だか最近見た事あるような顔つきね。
???「ま、マリオじゃない…!?」
「え?ええ、分かってくれた?因みにマリオは此処にはいないわ」
子供は目の前でぽかーんとしている。暫くするとまた涙腺を緩み、ぼろぼろと泣き出した。
え、ええ!?
???「い、いでえぇぇぇええ!!」
「ええ!?あ…き、傷?傷の事ね?」
???「ひぐっ…い、いだい…!!」
突然なものだからあたしだって驚く。
泣き喚く子供に今度はあたしが呆けていると、後ろからひそひそと話し声が聞こえてきた。
「やぁねー、あんなに小さい子供を泣かして」
「お姉ちゃんならしっかりしてあげればいいのに」
「(……Σハッ!!)」
そ、そうだ!少なくともいまこの子供の近くにいるのはあたしだけ。しかも泣き喚いているもんだから、まるでこれじゃああたしが泣かせたみたいになってる!
モンテ族の奥様方の冷ややかな目を向けられ、目の前では子供が泣き喚いている。
何だこの仕打ち。
「あ〜〜っ、もう!!」
これ以上余計な誤解が生まれる前に、あたしは目の前で泣き喚いている子供を抱き上げた。
装飾物の所為か少し重いことに吃驚して、何処か海水以外の水がないかを詮索する事にした。
++++
シャアァァァ……
大きい像が目の前に聳える小さな広場。
人々が交う中に、噴水の傍にたたずむ小さな子供と少女がいた。
少女はポケットから取り出したハンカチに水を滲み込ませると、雑巾を絞るように軽く水を抜いた。
「ちょっと我慢してね」
少女は噴水の縁に腰掛けていると子供の膝に今濡らしたハンカチを当てた。
子供は痛そうに眉を寄せるが、水の心地よい冷たさにそれも中和される。
「このハンカチ、あげるから」
膝から落ちないように固定すると、少女は返事も貰わないまま子供の隣に同じように腰をかけた。
「(ナビィ、寝ちゃったのね)」
少女の視線は帽子で作った影。そこには小さな妖精が羽根を休めていた。
さっきの騒動で力が抜け、そのまま意識さえ眠ってしまったようだ。
暫く2人の間に静寂な空気が流れ、子供はそれに我慢ができないように顔を振り上げた。
???「名前!」
「え?」
???「名前教えろ!」
激突すぎる質問に少女は思わずきょとんとした。だが質問の意味が直ぐに分かると、ああ、と呟いて子供と目線を合わせた。
「舞よ。よろしくね。キミは?」
子クッパ「クッパjr.!」
舞と名乗った少女は、子供改めクッパjr.の名前を聞いて吃驚した。
思わず噴水の縁から立ち上がり、吃驚したのかきょとんとするクッパjr.に顔を向けた。
「クッパ…jr.!?それってまさか―――」
其処まで言うと意識がぐらついた。何で!と思うが、その理由も自ずと知れた。
そうだ、此処はいつもと違い太陽が強い南国の島…しかも、帽子を被ってない。
そう気づいても既に遅く、傾く体はどうしようもなく、クッパjr.が何か叫んでいるのが聞こえた。
何とか踏ん張ろうとした時、突然体が傾きを止めた。それが何かに支えられたからというのに気づくのにも時間がいらなかった。
???「何をしているのだ」
耳に入る聞き覚えのある野太い声。舞は瞑りかけた目を無理やりこじ開け、顔を上に向けた。
「く、クッパ…!?」
クッパ「久しぶりに聞いたな、貴様が我が輩の名をちゃんと呼ぶのは」
子クッパ「パパ!!」
舞の体を抱きとめたクッパに、噴水の縁に座っていたクッパjr.が駆け寄った。
クッパjr.が今言った【パパ】という言葉、更に肩によじ登る――いわゆる肩車――様子に確信した。
やはり彼の父親はクッパなのだ。
クッパ「jr.、我が輩が用事が終わるまで待ってろと言ったのに、何故こんな所にいるのだ?」
子クッパ「うっ…だ、だってマリオが見えたんだ!だから、やっつけなくちゃと思って…」
クッパ「しかしそれは出来なく、結局こいつに迷惑をかけたんだろう?
ハァ…すまなかった」
「え?ううん、あたしは別にいいのよ。あたしもマリオ達を――」
そこまで言って彼女はハッと何かに気づいた。
「そうだ!マリオ達にあそこで待ってろって言われてたのに!!(汗)」
クッパ「む?何だ、マリオたちが来ているのか」
「ええ、元々彼らがあたしの為に………」
服を買おうと誘ってくれた事だから、と舞が言おうとしたときだった―――
「はっ!どぉおおぉぉりゃあぁぁぁああぁぁああぁあああ!!!!」
ドッガァァァアアン!!
何かが光速で目の前を通り過ぎたのは。
「(爆発―――――――――!!!??)」
目の前を通り過ぎたというか、寧ろそれを通り越して襲い掛かったものは後に大きな煙だけを残した。
体が石のように硬直した舞とクッパjr.、更には舞の体を支えているクッパは目を白黒させた。
特にクッパはそうだろう、何せ今通り過ぎた何かは自分の0.1m前の壁にめり込んだのだから。
白い煙が立ち込める中、ゆらりと1つの影がうごめいた。反射的に3人の体がビクッ!と跳ねる。
「あ…ぴ、ピーチ姫?」
そう、煙の中から出てきたのは、先ほど別れたピーチ姫だった。
身を包むピンクのドレスを簡単に叩き、ヒールを鳴らしてこっちへ歩み寄ってきた。瞬時に舞の腕を掴み自分の方へ引き寄せた。
そして、クッパとクッパjr.に向けてにっこりと笑った。そして一言。
ピーチ「死ね」
「待て」
姫相手だと言うのに怯むことなく舞はツッコミを入れた。まるで石の如く硬直した亀親子を気にせず、ピーチ姫は目を潤ませて舞を見つめた。そして、
ピーチ「ああ、舞ちゃん!心配したのよ!!」
「Σはぐあぁっ!!」
力いっぱい抱き締めるが、その所為で今少女の命が消されようとしている。頭上に広がる青空のように顔色が変色していっているというのに、ピーチ姫はそれに気づいてないのだろうか。
ピーチ「何処の馬の骨だが知らないけど、例え見る目があっても私の舞ちゃんを連れて行くたぁ上等な根性だ!!一発このほっかほかのボム兵でぶっ飛ばしたる!!とか思ったけど、敢えて此処は可憐な姫を演じる為、道行く人々に笑顔振りまいて場所聞いて我慢したわ。
でも流石に亀2匹に襲い掛かられようとしてる姿見せられたら私もう…!!自分が姫だなんて事忘れてエクスプローション.ピーチVerを噛ましちゃったっ」
マリオ「あ〜〜、姫?素晴らしい程のマシンガントークだが…舞死にそうだぞ!?」
あら?と言いながらピーチは拘束する腕を緩めた。それをチャンスに舞は首を押さえながら、気管に詰まった息を吐き出すためにむせ返る。
「(死ぬかと思った)ご、ごめんなさい…クッパjr.が怪我してたもんだから」
ルイージ「大丈夫?舞ちゃん」
「ええ…」
まあ一瞬綺麗な小川を見てしまったが。そう思うものの口には出せず、仕方なく舞は何も反抗せずに未だ固まっている亀親子の許へ歩み寄った。
目の前で手を振ってみるものの、硬直は変わりそうにない。それほどピーチ姫の力が凄いという事だ。
「クッパ?お〜い、クッパ!!」
クッパ「(…ハッ)なな、何事だ!?」
「落ち着いて、もう(多分)大丈夫だから」
クッパ「そ、そうか…」
何か、この間柄を見るとどうもピーチ姫がクッパに攫われるってのは可笑しいと思う。怖さのあまり涙目のクッパjr.をあやしながら、心の中でそんな事を舞は思った。
どうやら、注文とはたった今使おうとしたボム兵のようだ。姫がなんちゅうもん頼んでんだ
ルイージ「あれ?何でクッパ達までいるのさ?」
子クッパ「お、お前らがパパを連れてくから、あんまり会えないんだぞ!?今日は久しぶりに会って、一緒にお買い物してんだ!!」
マリオ「なるほど、じゃあ今日は久々の親子水入らずって奴なんだな〜…
ん?そう言えば舞、オレの帽子はどうした?」
「ちょっと事情があって、ナビィが今寝てるから影代わりに使ってるの」
ピーチ「という事は舞ちゃんを危機に晒したのはこの妖精なのね。いい根性してるじゃない」
「ちょっと待ってください!!そのボム兵の軌道をナビィに向けないで!!」
タダでさえ疲れていると言うのに、これ以上彼女に危害を加えるとどんどん衰弱していってしまう。
体の光が消えかけた妖精など、見た目タダの虫にしかならない。
ナビィを庇うように、帽子の前に立ちながら舞は止めるように訴えかけた。幾らピーチ姫でも、自分が気に入っている彼女を攻撃は出来ない。渋々ながらもボム兵を片付けた(何処へ)
マリオ「さて、じゃあ舞の服買いに行くか!」
「そ、そうねマリオ!!是非ともそうしましょう!!」
ナイス!とばかりにマリオの意見に飛びついた。移動する際、彼女がクッパ達も一緒に行かないか、と聞くとクッパjr.のお守りを任された。
どうやら、久々に此処に来たので、此処にいる自分の手下達の様子を見てきたいと言ったからだ。
舞も快くオーケーを出し、少し拗ねているクッパjr.を引き取っていなくなるクッパの後姿を見送った。
完全に姿が見えなくなると、彼女はクッパjr.と手を繋いでマリオ達と進みだした。
子クッパ「………」
マリオ「おいおいクッパjr.、そんなに睨むなよ、今日ばかりは中良くしようぜ?な」
子クッパ「う〜〜〜っ、オイラは絶対忘れないからな!!絶対あの時の仕返しをしてやる!!」
マリオ「分かった、分かった」
子クッパ「ぶ〜〜〜〜〜〜」
「(過去に何されたの)」
適当に促されたのが悔しかったのか、クッパjr.は頬に空気を溜めて膨れっ面を作った。
その顔が可笑しいのと可愛いのとが混ざってたもんだから、舞は隣で笑っていた。彼女の頭にあった帽子はもう既に元の持ち主へと返していた。
ナビィも、今は彼女のコートのポケットの中で眠っている。
子クッパ「パパとお買い物したかったのに〜…」
「!」
俯いているクッパjr.。顔は見えないけど、声が悲しそうだった。
そうか、そう言えば今日はクッパと久しぶりに出かけたから、きっと親と一緒にいたかったに違いない。弟という家族を恋しく思う舞も、今のクッパjr.の気持ちは分かる。
ふと視線を巡らせると、視界に赤い屋台のアイスクリーム屋が入った。それを見つけ、ピーチに幾らか声を掛けると直ぐにそこへ向かって行った。
「おばさん、ソフトクリーム1つください!」
「はいよ」
小さいとも大きいとも言えない、普通の大きさのカップにソフトクリームが乗せられ、バニラ独特の甘い香りが鼻をついた。
お金を支払い、他の店を見ているマリオ達から離れた所にいる、クッパjr.に差し出した。
「いる?」
子クッパ「え?あ…いる」
やっぱり甘いものが好きなのか、クッパjr.はおずおずとその小さな手を伸ばしてきた。一舐めすると、冷たさと甘さに目を細めた。それを見て、少しだけほっとする。
マリオ「舞、服屋に行こうぜ!」
「ええ!行きましょうクッパjr.」
優しくその手を引っ張り、人込みの多い大通りでもクッパjr.が潰されないようにずっと手を繋いでいた。
子クッパ「………」
ピーチ「あ、着いたわ!舞ちゃん此処で一緒に買いましょう!」
ピーチ姫が指差したのは、少し大きな創りの洒落た店だった。男性、女性どちらでもありそうで、全体的に薄い緑色がかかっている。
入り口まで来ると、マリオとルイージは足を止めた。
マリオ「じゃあ、オレ達近くのカフェテラスで待ってるな。」
ルイージ「楽しんできてね、舞ちゃん」
「ありがとう!クッパjr.はどうする?」
子クッパ「マリオなんかといてもつまんないやぃ!舞と行く!!」
繋いでいる手に力を込め、謙遜しているのかマリオに向かってベーッと舌を出した。
子どもらしい反抗にマリオも苦笑していたが、クッパjr.の手を引いて舞とピーチ姫は中へ入っていった。
****
ピーチ「たくさん買い物したわねー!」
少量の荷物を持ったピーチ姫は、嬉しそうに笑顔で空を見上げた。同じく少量の荷物を持った舞は、後ろで頑張って大量の紙袋やらを持っているマリオ達を同情した目で見つめた。
最初の方にいた噴水の傍で休憩を取っていると、向こうの方から大きい影が近づいてくる。
「あ、クッパ!」
クッパ「ん」
子クッパ「!パパ〜〜!!」
片手にキャンディーを持ったクッパjr.は、舞から手を離し親の許に駆け寄っていった。クッパは子を抱き上げると、自分の肩に乗せた。
クッパ「クッパjr.、今度は一緒に買い物しような」
子クッパ「うん!絶対だよ!!」
「クッパ、用事は終わったの?」
クッパ「うむ。今日はjr.が世話になったな、礼を言う」
マリオ「ちゃんと親子の交流深めろよ」
クッパ「分かっておる!」
小馬鹿にされるような物言いに、クッパはカッと熱くなって怒鳴り返した。その時、クッパjr.が忍び笑いをしながら見ている舞をじっ、と見つめていたコトに気づいてなかった。
空を見れば、茜色に染まっている事からもう夕暮れ時だという事が分かった。そろそろ帰らないと、マリオとルイージがこっちにいるから、夕飯の支度がリンクだけになってしまう。
「そろそろ帰らないといけないわね…」
ルイージ「そうだね。皆心配してるだろうし」
マリオ「じゃあマスターに連絡するな!」
荷物を置いて、ポケットの中から携帯のようなものを取り出し、マリオは何処かに繋いだ。会話の中からマスターの名前が出てきたから、きっと迎えの事を頼んでるんだろう。
クッパ「クッパjr.よ、我が輩がいない間に部下達を見ておるんだぞ」
子クッパ「うん!」
マリオ「あぁ、あぁ…じゃあ頼むな。
(ピッ!)マスターが今から異界回帰で召び返すから、動かないでじっとしててくれってさ」
マリオの言葉に1つ頷き、クッパjr.と繋いでいた為に空いている手で荷物を持ち直す。その前に一度、クッパjr.の頭を撫でて、目線を合わせた。
「クッパjr.、今日は楽しかったわ。また会いましょうね」
子クッパ「………」
「?クッパjr.?」
クッパjr.は、立ち上がった舞の足にしがみ付く。動けない事もあるが、一体どうしてこんな事をするのか分からず、タダ見下ろすだけだった。
身長差の所為で見上げるクッパjr.は、激突にニッ、と笑って、その口から爆弾発言。
子クッパ「また会おうねママ!」
「…………………ま?」
「「ママ〜〜〜〜!!?」」
シュンッ―――
クッパjr.への発言に勢いよく突っ込みを入れたマリオとルイージの言葉を堺に、舞達はそこから姿を突然失くした。
一瞬吃驚したものの、クッパが帰る時いつもこういう帰り方だったのを思い出し、クッパjr.はにっこり笑った。その短い腕を頭の後ろで組み、夕陽で照らされた顔は赤みが刺さっている。
++帰宅後のマリオ達++
―――シュンッ
マスター「あ、帰ってきた!おっかえり〜〜☆」
子リン「舞お姉ちゃんお帰りなさい!!」
クレイジー「たくさん買い込んだようだな、これで心配は………ん?」
ルイージ「ままま、ママ!?ママままマ…!!!」
マリオ「どういう教育したんだクッパ!ハッ、まさか獣姦なんて禁断のイケナイ事を…!!」
クッパ「黙らんか歩くR指定め!!!」
ピーチ「殺す、親子共々殺すわ。殺してやるんだからうっふふふふふふ……」
子リン「ねえ、舞お姉ちゃん?ねえったら〜」
「………(コキン)」
クレイジー「何があったんだこいつら」
マスター「う〜ん答え難い事でもあったのかな?」
クッパjr.の【ママ発言】此処まで問題継続中。
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