08.遊びという名のバトルロワイヤル




おはよう!僕ネス、超能力が使えるんだよ。凄いでしょ!?


今日はいつもよりも機嫌がいいんだ、何でだか分かる?


実はね、昨日知り合った舞っていうお姉ちゃんがいるんだ。


今日はそのお姉ちゃんと遊ぶんだ!いいでしょ?凄く楽しみ!!


他の皆も嬉しそうで、早く舞が起きてこないかうきうきしながら待ってるんだ。


今日はいつもよりい〜〜〜っぱい遊ぶぞーーー!!






遊びという名のバトルロワイヤル





「は〜い、良い子の皆集まれ〜〜」

「「「わーーい!!」」」


某子供TVのようにやってみました、女子中学生です。
只今お昼前の9:30分です。なのに…なのにあたしは早くからちびっ子達と戯れています。

理由は簡単、昨日別れ際にリンクjr.と今日遊ぶ約束をしてたから。

…この段階で精神に疲れがきているのは何故?(汗)


「やー、改めて見ると多いね子供達。っていうか多すぎね」

『ホントだね…(汗)確かに改めて見るトね…』


そう、今あたしとナビィの目の前で笑顔を振りまく子供達は合計8名。10人近くをあたし一人で面倒見ろと言うのか…!!(涙)

まあココで落ち込んでても仕方ないし、あたしは気を取り直して子供達を見つめる。


【※ココからは誰が喋ってるのか分からなくなるので、舞とナビィ以外会話の最初に名前を入れます】



「さて、何して遊びたいの?言っとくけど、あたし乱闘は無理だからねー」

子リン「ん〜…どうしよっか」

ポポ「あ!そう言えばね、最近僕マルスさんに教えてもらった遊びがあるんだよ!」


すみません、マルスって辺りがちょっと不安なんだけど(汗)
と、兎に角平常心平常心…


「へ〜そうなんだ。どんな遊びを教わったの?」

ポポ「確か〜…今、巷で人気の『血みどろ☆野球拳』!!」

「その間にはいっている☆が不気味さを引き出してるんだけどとりあえず聞くわ、何それ?」

ポポ「普通の野球拳、だっけ?はジャンケンで負けた人が脱いでいくんでしょ?」


その『脱ぐ』って時点でキミの教育に悪影響が…


ポポ「けどこの『血みどろ☆野球拳』では負けた人がこれで斬られるんだって。」

「ちょっ、ちょっと待ってポポ!その真剣何処から出したの!?」

ポポ「え?いざという時の為にって、マルスさんが…」


あんの腹黒王子!何て事を教えてるのよ!!
あたしはなるべく優しい笑みを浮かべ、ポポに真剣を渡すように言った。簡単に渡してくれたポポに感謝しつつ、今度会った時にあの腹黒王子にちゃんと言っとこうと決意。

っていうかそんなデンジャラスな遊びが巷で流行して堪るか。


「ポポ、今度からマルスには遊びを聞いちゃ駄目よ」

ポポ「?うん!」


分かってくれて何よりです。心の底から安堵。


「ココは皆が知ってる遊びにしよう!何かやりたい事ある?」

『皆が知ってるなラ、鬼ごっこトカかくれんぼじゃない?』

「まあその辺りが妥当よね。皆はどっちがいい?」

子リン「はい!僕かくれんぼ!!」

ピカ「え〜、鬼ごっこがいいヨ〜〜!」

「じゃあココはリンクjr.とピカチュウにじゃんけんしてもらおっか。勝った方の遊びをしましょ」


あたしの意見に賛成してくれたリンクjr.とピカチュウがお互いにらみ合う。
少し間をおいてからいきおいよく「さいしょーはグー!」と始める。


「「じゃーんけーん…」」


ポンッ☆

リンクjr.→チョキ
ピカチュウ→パー



「リンクjr.の勝ちね。じゃあかくれんぼ?」

子リン「やったー!」


リンクjr.は偉く嬉しそうに跳びはねた。もしかして、この間あたしを案内してる時に負けるような形になったから、その時のことがフラッシュバック?(汗)

少し落ち込んだピカチュウの頭を撫でながら、あたしは慰めの言葉を掛けた。


「大丈夫よピカチュウ、鬼ごっこはまた今度やろうね?」

ピカ「…うん!!」


嬉しそうににっこり笑うピカチュウに襲い掛かりそうになりました。
必死に理性を押さえつけ、紛らわせるように手をパンッ!と叩いた。


「よ〜し、じゃあ遊びも決まった事だし、皆始めよう…」

?「舞―――――――!!!」

「かあああああ!!?」


ドッガァァァ!!


まだ喋っている途中だというのに、突然横から強い衝撃が襲いかかってきた!その強すぎる衝撃にあたしの体は見事に地面に向かってドーン。
あたた…あ、頭に衝撃が……痛む頭を抑えながら、襲い掛かってきたものの正体を見る。


「誰…ってロイ!?」

ロイ「舞!昨日ぶりだなv会いたかったぜ〜〜〜!!」


まだ倒れたままだというのに、まるで猫のように頬擦りをしてくる赤髪の青年『ロイ』
いや、あのね?美形に押し倒されるのはいいんだけど…苦しい事この上ないのよ!!




ピチュー「ロイ兄ちゃん!」

ネス「邪魔〜〜〜!!」


バリバリバリ!!


ロイ「おわぁぁっ!?な、何するんだよネスもピチューも!舞に当たっちまうだろ!?」

ネス「舞には当たらないようにしてたもんね!!」


地面に倒れてたロイに向かってネスとピチューが容赦なく電気(片方は緑色の)をぶつけてきた。
まあぶつかる寸前にロイがあたし抱えて飛び退いたからいいけど…


『(ロイには当てる気満々だったンダ(汗))』

ロイ「ところでさ、今何やってんだ?」

「今から子供たちとかくれんぼして遊ぶのよ。それを見事に邪魔してくれちゃってるのよ、貴方が」


少し嫌味風に言ってやると、ロイはふ〜んと言いながら視線を上に向けた。
…効いてない!?あ、そうか、精神年齢が子供だから分からないのか…(失礼)


ロイ「よし、じゃあオレもやる!いいだろ?」

「え?あ、あたしは別にいいけど…ロイ、疲れてたりするんじゃない?(乱闘とかで)」

ロイ「全然!それに、普段こいつらと遊んでるのオレだし、慣れてるから平気だぜ!!」


そう言って余裕そうにロイはニカッと笑った。


「そうなんだ、まああたし一人じゃきついし…皆、ロイも一緒に遊んでもいい?」

カービィ「いいよ〜!」

ナナ「私もいいですっ」

「よし、決まりね。じゃあ最初はあたしとロイで鬼やるから、皆は1分数え終わるまでに隠れてね?」

「「「ハーーーイ!!」」」


子供達の了解を得て、あたしとロイは適当なところで目を瞑り数えだした。それがスタートの合図となり、子供達がバラバラに散っていくのが分かった。


「38、ロイ〜…39、見ちゃ…40、駄目よ?」

ロイ「分かって…44、るよ!…45」

『ロイ、声どもってル…』


ナビィの言うとおり、ロイはあたしに指摘されると、一度肩を跳ね上げて数を数えるのに戻った。
…覗いてたのね。(分かりやすい)

暫く二人で数えながらじっとする事一分後、目から両手を離しそこから立ち上がった。


「さて、じゃあ子供軍団探しに行こうか」

ロイ「おう!!」


まるで子供のように楽しそうに返事を返して、ロイはあたしの手を握ってそこから歩きだした。
特に払う気もないからあたしはそのままにしておいた。


『ア…』

「?どうしたのナビィ?」


言っとくけどナビゲートはしちゃ駄目よ。かくれんぼじゃなくなっちゃうからね。


『ぜ、ゼルダ姫が呼んでル…!!』

「あら〜……(汗)」

『ごめんね舞!ナビィちょっと行ってクる!!』


ナビィはゴメン!と一言謝ると、あたしと初めて会った時のように光速で飛んで行った。
健気な妖精に思わず涙が零れそうになったわ…


ロイ「?ゼルダ姫の声なんかしたか?」

「彼女には分かるのよ。常に一緒にいたから」

ロイ「へ〜、凄いな〜」

「それよりロイ、こんなに広いと子供軍団探すのに手間がかかるんじゃない?」


ココはお城の中庭。そう、あたしが始めて子供軍団と出会ったところ。
此処だけならまだマシだけど、お城の中となると探しにくいことこの上ない。


ロイ「大丈夫!お城の中ってさ、一見隠れるとこ多そうだけど、案外そこまで難しくないんだぜ!」

「へ〜そうなんだ。よく知ってるのねロイ!」

ロイ「言っただろ?いつもオレが子供達の相手してるって、だからあいつらの行動パターンも大体分かってきたんだ!!」


ほう成る程…精神年齢が自分と同じだから扱いに慣れたと!(違う)
頭の中で違う意味で納得して、あたしはロイに教えてもらうままにお城の中に入っていった。




++in城内(食堂)++


ロイ「此処とかか?」


ひょっこりと顔を覗かせるロイ。それに続きあたしも中を覗いてみた。
先ず見えたのは…テーブルでおやつであろうお菓子を食べてるカービィが。


「……カービィ?」

カービィ「むぐっ?あ、舞とロイ!」


何故堂々と出てるのかねキミは。


「何やってるの?今、かくれんぼの最中よね?」

カービィ「うん!でもお腹が空いちゃって…思わず食べちゃったv」

ロイ「カービィらしいな〜!!」


笑いながら言うロイに、思わず突っ込んでしまいたくなった。此処は笑う所じゃないでしょう、と。

とりあえず、1人目見っけ。


「じゃあカービィ見っけね。そうね〜…じゃあおやつ食べ終わったら、最初に皆でいた中庭で待っててくれる?」

カービィ「ん、分かった!」


よし。カービィの返事に一度頷くと、ロイの方に振り返った。


「?ロイ?」


何故か彼はじっと冷蔵庫の辺りを見ている。もしかして…ロイもお腹空いたの?
そう聞こうとする前に、ロイはマントを翻して冷蔵庫の近くに歩み寄った。

そして…


パカッ

「わっ!」

ロイ「ポポ見っ〜け♪」


な〜んと。ロイが冷蔵庫開けたら中からポポが出てきた!…さ、流石雪山登山者(後で聞いた)、寒さに慣れてるのね(汗)


ポポ「ちぇ〜、カービィがカモフラージュになるかと思ったのに…」

ロイ「なんとなくそんな感じがしたからな。後でカービィと一緒に中庭で待ってろよ!」

ポポ「うん!」


意外なところでまたまた1人発見。
とりあえず、カービィもポポも納得してくれたみたいだし、他の子供達を捜しに行こうか。

あたしは二人に声を掛けてロイと食堂を出た。


「でも、よく冷蔵庫の中って分かったわね」

ロイ「さっき食堂に入ったときさ、あの中から何かが動く音が聞こえたんだ!だからもしかしてと思って」


ほう…耳のいいロイに拍手。







++in倉庫++



ガララッ


「ぶわはぁっ!!埃っぽッッ!」


何だか古びた扉を開けたら、中で白いものが飛び交った。それの正体が埃だと気づくのも時間がかからなかった。


ロイ「う〜〜ん、暗いなー。よく見えね…」

「ゲホッ…こんな所に子供達が隠れてるの?」


何だか光もよく当たってない所為か、部屋の中は暗かった。奥に進むにつれその暗さも増していくし…
此処に入った子供達、もしいたのなら君達に盛大に拍手を送ってあげるわよ(汗)


「ん〜……ん!?ろ、ロイ!あんた何処触ってんのよ!!」

ロイ「え?だって暗くてよく見えないからさ〜!」

「嘘つけ!明らかに声が楽しんでんじゃないの!人の胸触るな!!」

ロイ「舞…」

「何」

ロイ「ずばり、89?」


ボゴッ


何故分かった。さらっととんでもない事言ってのけてんじゃない。
拳で黙らせたロイは埃の溜まった地面に顔をぶつけた。自業自得と言うものを知りなさい…

頭から妙な煙を出しながらもロイ復活。


ロイ「舞〜ひどいぜ〜〜(涙)」

「自業自得よ!…ん?」


ロイから視線を外し、不意に振り向いた先に見えたのは、跳び箱の影から出ている…


何だか見覚えのある尻尾。


何だか無性に情けなく感じ(相手に)あたしはその尻尾のところまで近寄った。
跳び箱に肘を突いて、身を乗り出してみれば簡単に隠れてるものの姿が見える。


「ピチュー、リンクjr.見っけ〜」

子リン「いっ!?」
ピチュー「チュゥッ!?」


あっはっは〜!ピチュー、頭かくして尻尾隠さずよ。勝ち誇った笑みで見ながらあたしは跳び箱から離れた。


ピチュー「見つかっちゃッタ…」

子リン「舞お姉ちゃんすご〜い!!」

「ありがとう。二人とも、見つかっちゃったから中庭で待っててくれる?」

「「うん!」」


元気のいい返事に頬の筋肉を緩ませ(すぎながら)二人の去っていく姿を見つめた。


「ロイ〜、大丈夫?」

ロイ「舞がやったのにー…」

「だから自業自得だってば。ほら、男ならもうめそめそしない!」


ロイはぶう垂れながら渋々と言った感じで立ち上がった。
宥めるように2、3回頭を叩いてやれば、一瞬驚いていたけど直ぐに笑顔に戻る。単純…


「ねえロイ、此処からは二手に別れて探しましょ?」

ロイ「え?舞そんなにオレといるのが嫌なのか〜〜!?」


ロイはしゅんと肩を落とし若干目を涙で滲ませたさせた。その姿は某CMのチワワのようで
見事あたしは鼻血噴射5秒前に陥る。

あぁ、離れることができない…このまま抱きしめて頭ぐりぐりと撫でたい!


「(我慢我慢…)違うわよ、二手に別れたほうが手っ取り早く子供達を見つけられるでしょ?」

ロイ「成る程…確かにそれは分かる」

「でしょ?だから此処は手分けして探しましょう」

ロイ「ん〜…ん!了解」


ビシッと敬礼をしてロイは背を向けて走っていった。
さて…あたしは何処を探そうかな?









****





ロイ「へへっ…何かいつもよりすげえ楽しいな」


え?ニヤけながら走るな?
それは無理!!何たって…オレ今舞と一緒に鬼やってるんだからな〜♪


ロイ「このまま仲が発展して、何時かは絶ぇぇぇ対!舞をお嫁さんにするぜ!!」


拳をぐっと握りながら、オレは誓った。
だけど手に入れるには難しいと思う。だって、オレでも判るほど皆舞を気に入ってるからな。

姫二人にガノンドロフのおっちゃんやファルコンなんか諸判るし、子供軍団だって凄い甘えてる(悔しい!!)
マルスは昨日オレにきっぱり言ってきたし、リンクだって堂々とは出来ないみたいだけど、気づけば舞を視線で追っていた。

その他にも、ミュウツーの事も聞いたし、マリオブラザーズもヨッシーもドンキーもフォックス達も…


て、敵が多すぎないか!?(汗)


ロイ「う〜ん…中々困難だなー」


でもオレは絶対舞を自分のものにするぞ!!それに、敵が多い方が燃えるしなっ


ロイ「あ、そうだ。今は子供たち捜さないと…」


そうだよ、こういう小さい事でポイント取ってかないといけないしな。
えーと…あと残ってるのはプリンにナナだろ?それからネスとピカチュウも…

ネスは結構手強いな。でも、大体予想はついてるんだ!


オレが頭の中で考えながらやってきたのは、スタート地点でもある【中庭】
此処は一見、何もないから隠れるところはない。


でも、こいつらは結構頭を使う…


ロイ「ん〜〜〜………お?」


視界の中に映ったものに、オレはニィと笑った。
音を立てないようにそろりと近づいて、お目当てのものの前で止まった。

んでもって、す〜〜っと大きく息を吸い…


ロイ「わああぁぁぁぁああああぁぁああああああ!!!」

ピカチュウ「ッッチャアァァァアアアアアア!!!!」

ロイ「はははっ、ピカチュウ見〜っけ!」


案の定、その黄色い影『ピカチュウ』が地面の中から出てきた。
こいつは確か【穴をほる】っていうのが出来たからな!それに、耳の黒い部分が出てたし(くくっ)


ピカチュウ「み、耳いたぁイ」

ロイ「あははは!悪ぃ悪ぃ、普通だと面白くないかと思ってな。
さ〜てと、ピカチュウがココだと言う事は……」


響いたのが痛かったからか、耳を押さえているピカチュウを置いておく。
オレが向かったのは、大きな木が並ぶうちの1つ。


「っせい!!」


どぉぉっ!!

「うわああっ!!?」


―――ドサッ

木の上からネスが落下。やりぃ♪


「な、何で分かったんだ〜?」

「へへん、オレの視力を舐めんなよ!」

「舐めたくない」

「うるせぃ」


そういう意味で言ったんじゃないってのに。
落ちた衝撃で外れた帽子を被り直して、ネスもピカチュウの許へ行く。


「ねえロイ!後残ってるのハ誰?」

「ああ、後はな……」

「だ、誰カーーーー!!」


残りの子供の名前を言おうとした時、中庭から少し離れた林の方から呼び声がした。
あの声…プリンか!?


「い、今行く!!ピカチュウ、ココで皆を見ててくれ!」

「ウン!」


一番頼りになりそうなピカチュウに任せて、オレは声の聞こえたほうへと走っていった。

数分と経たないうちに目的地に着いたオレは、声を頼りに回りを見渡す。


「プリン?プリンだろ!?何処に居るんだ!」

「ココだよーロイ!」


えぇっと…こっちの方か?
ここは茂みの多い、隠れるにはもってこいの場所だな。草を掻き分けながら、声のするところへ向かう。

開けたところに出ると、慌てているピンクの球体が見えた。


「プリン、どうしたんだ!?」

「ろ、ロイ!ナナがぁ…」

「うええぇぇえぇん!!い、痛いよ〜〜〜!」


プリンの傍に、同じ色の物体が見えた。
ナナだ。何だか、痛そうに泣き喚いてるけど…


「ど、どうしたんだナナ?何処か痛いのか??」

「う、ぅえっ…あ、足が……」


足?…膝か?

膝を押さえている手を退かして、ナナの膝を診る。
擦りむいたのか、ナナの膝からは血が出ていた。しかも、出血は少ないものの結構擦りむいている。


「転んだのか?足首も青くなってるけど…」

「ナナ、木から落ちちゃったノ。」


プリンが指した木は結構高い。プリン曰く、鳥の巣が落ちそうになってるのを助けたら足を滑らせたとか。


「ど、どうしよう…ナナ死んじゃうノ!?」

「え!?あ、いや…死ぬ事はないけど……」


正直困った。オレ、普段から怪我する方だから診られる側なんだけど(汗)
ドクターの所へ連れて行こうと思っても、ナナが痛そうに泣き声をあげるから連れて行くにも連れて行けない。

な、何でだ!?えーっと…も、もしかして本当に死んじまうのか!?


どうすればいいか分からず、オレが慌てふためいてしまった。





「ロイ?どうしたの?」

「!舞!!」


天の助けとばかりに舞が草むらから出てきた。
ナナの泣き声に気づいて、舞がオレの隣にしゃがみ込んだ。


「ど、どうしたのナナ?まさかロイに泣かされたの!?」

「ええ!?オレは無実だって!!」

「冗談だよ。
それより、血が出てるじゃない!早くドクターの所へ連れて行ってあげないと…」

「そ、それがさ…」


オレはプリンから聞いた経緯を全部話した。
舞はオレの言葉を聞いて目を開く。


「動かそうとしたら、泣き声を大きくする?」

「あ、ああ…」

「う〜ん……ねえプリン、ナナはこの木から落ちたの?」


舞はナナが落ちた木を見上げながら聞いてきた。それにプリンがウン!と正直に答える。


「どういう落ち方したか覚えてる?」

「え?えと…足を曲げるみたいに、かなァ?」

「そう…。ナナ、ちょっと我慢してね?」


謝りを入れて、ナナの足を持ち上げる。靴を丁寧に脱がして、足の指を軽く曲げた。


「い、痛い!!」

「お、おい舞!」

「…。うん、やっぱりね…


多分ナナ、足を骨折してる」

「へ?こ、骨折…?」

「うん。多分だけど…早いところ慎重に運ばないとね」


舞はナナの体を慎重に抱き上げた。


「大丈夫よナナ、ちょっとの間辛抱すれば治るから。」

「ひっく…ほ、ホント、ですか?」

「ホント、ホント!プリン、ナナの靴持ってあげてくれる?」

「ウン!任せて」


さっきと違い、舞が優しく声を掛けただけでナナが泣き止みだした。
す、凄いんだな舞…


「舞、どうしてこんな事出来るんだ?」

「ロイでも直ぐに分かるわよ。あたしは勉強したことがあるからだけど、ロイも乱闘するから経験がつくでしょ?
それにこっちが慌てたら相手も不安になるのよ。だから、なるべく優しく不安を取り除いてあげるの」


にっこり笑って舞はナナを連れて行く。
去り際に残りの子供たちをよろしく、と言って……


「優しく不安を…」


オレは目の前の状況に取り乱したから駄目だったのか。いや、でもあの状況で冷静になれる舞が凄いんだよな。
舞の凄さに気づいたと同時に、オレはちょっと彼女との間の差が大きいんじゃないのかと不安になった。


でも…ああやって優しくフォローしてくれた分、少しでも彼女に近づく事が出来そうな気がした。



「ロイーーーー!!道が分からないから教えてよ〜〜〜!!」


少し困ったような慌てたような舞の声が聞こえてきた。
オレは唖然としながらも、彼女の声にプッと噴出した。

やっぱオレも、彼女に手を貸してやらないと駄目なんだよな!


ちょっとだけ、皆よりも舞に近づけたような気がして、オレは顔の筋肉を緩めながら彼女の許へ向かう。
いつかきっと、舞をオレだけのものにするぞ!!





Next story.



+++++
いつも以上に意味不明(汗)