君と僕と、あと何か※いつかのTGC
※原作とはほぼ関係なし
※夢主は正宗の彼女でトイ☆ガンガンのメンバー
※原作3巻をだいぶ参考にしてる
「正宗!!」
みょうじなまえが悲鳴に近い声を上げて彼−松岡正宗の元に駆け寄ると、既に正宗は相手チームであるホシシロのリーダーによってヒットさせられていた。
「なまえ……」
相手は手酷く正宗をいたぶったらしく、彼はボロボロになってしまっている。
「あーあ。間に合わなかったね、なまえちゃん」
声のする方を振り返ると、そこには正宗を散々痛めつけた相手−緑永将が、ニコニコと笑みを浮かべて佇んでいた。
「酷い……!何でこんなに正宗を傷つけたの!?」
「だって、此処はTGCだよ?TGCはこんなに相手を傷つけても許されちゃうってことくらい、サバゲーマーの君なら理解している筈でしょ?」
「でも……!」「なまえ」
反論しかけた彼女に対し、松岡正宗は力なく声をかけた。
「いいか……このゲーム……棄権しろ」
「……え?」
「ゆっきーももうやられてる……お前1人で緑さんに勝つのは無理だ。だから……」
「ストーップ」
正宗の言葉を打ち消すように、緑は彼に1発蹴りを入れた。
「死体が喋っちゃダメでしょ、正宗。お前はそこで黙って大人しく見てなよ。愛しい彼女が俺に食われるのをさ」
「! み、緑さん、何するつも−」
「だーかーら、死人に口なしだよ、正宗」
緑はそう言って正宗にもう1発蹴りを入れると、嗜虐的な笑みを浮かべてなまえの方に向き直った。
「さて、と。じゃあ、始めようか、なまえちゃん」
「……します」
「……え?」
「あ、あの、私、き、棄権しま−」
なまえがそう言い終わらない内に、緑は背中から1つ目の銃を取り出していた。
「逃げろなまえ!」
正宗が叫ぶ。
なまえはガクガク震えながらも一目散に走り始めた。
「あはは、なまえちゃんってホントに可愛いなあ。あんなに震えて俺に怯えちゃって……。もっともっと虐めたくなる。
ねえ正宗。なまえちゃん……俺が貰っちゃってもいい?」
「!」
緑は正宗が目を見開くのを確認してニヤリと笑うと、すぐになまえの後を追いかけ始めた。
ガション!ガション!
チュン!チュン!
緑は態となまえには当たらないようにギリギリのラインを狙って弾を撃つ。
なまえは今にも泣き出しそうな表情で、自分で自分を抱きしめながら必死に逃げ回っていた。
だが、足がもつれてその場で派手に転倒してしまう。
「大丈夫?今、かなり派手な転け方してたみたいだけど」
緑は至って明るい口調と笑顔でゆっくりとなまえに近づいた。
それが逆に恐ろしくて、なまえは尻餅をついたまま後ろに下がり始める。
「ぃ、や……来ないで……」
「あはは、声まで震えてる。煽ってるの、それ?」
コツンと背中に何かが当たり、なまえは自分が木の幹にまで追い詰められたことを悟った。
「もう……やめて……私、諦めますから……!」
「ん〜残念ながらそういう訳にもいかないんだよねえ」
緑はそう言ってしゃがみ込み、なまえに視線を合わせると、囁くようにしてこう言った。
「俺の中でスイッチが入っちゃったからさ♪」
そう言って、楽しそうに笑う緑にゾッとする。
緑はなまえの怯えた表情を見て満足げににこりと笑うと、彼女の顎を持ち上げて唇を合わせた。
「んっ!?」
突然の接吻に、なまえの頭は真っ白に染まる。
だから、緑が銃を彼女の腰骨のあたりに添えていたことにも、気がつけなかったのだ。
ガション!
「〜〜〜ッ!?」
片手で顔を押さえつけられ、且つ唇を重ねられたまま腰に激痛が走り、なまえは顔を思い切り歪めた。
「痛い?」
なまえから唇を離した緑は、楽しげな表情でそう尋ねた。
「ッ……」
正宗以外の男に、キス、された。
肉体的な痛みよりも精神的なダメージの方が大きくて、なまえの目にじわりと涙が浮かぶ。
「あーあ、完全に嫌われちゃったみたいだね、俺」
緑は彼女を見て苦笑いを浮かべた。
「まあいいや。そんな事よりさ……いいの?なまえちゃん、今俺に撃たれたんだよ?ヒットコールしなきゃ」
「! ヒッ−んぅ!?」
なまえがヒットコールをしようとした瞬間、緑は再び唇を重ね合わせてきた。
そして、また腰骨に銃を当て−
ガション!ガション!ガション!
「んぅッ!んんんっ!ンッ!!」
何発も、何発も、同じところを攻撃される。
ヒットコールをしたいのに緑の唇がそれを許してはくれなくて、なまえは知らず知らずのうちに涙を流していた。
「あーあ、弾切れか」
少し経ってから、緑は眉尻を下げてそう呟く。
「あは、こんなに震えちゃって。可愛いなあ」
彼は愛おしげになまえの頬を撫でると、両手で彼女の顔を押さえつけながら再び唇を重ね合わせた。
啄むようなキスは、次第に深いものへと変わっていく。
「ヒ……ト」
緑がようやく離れたところで、なまえは嗚咽混じりにそう呟いた。
チームホシシロのリーダーは、それを聞いて満足げに頷くと、優しく彼女の身体を抱き締める。
「……これでもう君は、俺から離れられなくなっちゃったね。これからは、俺の傍で生きるんだ」
その声は、憐れな子羊を労(いたわ)るように優しく、甘く。
「愛してるよ、なまえ」
そう囁く緑の目は、どこか遠くを見つめていた。
【補足】
緑さんは夢主ちゃんを愛している訳ではなく、あくまでその先の正宗という存在を意識している、という設定。緑さんは正宗に執着?してるから、正宗の彼女を利用して正宗をもっと苦しめよう、という魂胆でしたっ。夢主ちゃんは緑さんの目的のために利用された+緑さんの趣味に利用された、的な。解りにくくてすみません…
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ポケットに拳銃