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2.
「ところでよぉ……
お前、一体何者なんだ?」
「?」
ユールが首を傾げると、彼は苛立たしげに髪を掻きむしった。
「だーかーら、お前の周りのルフ、何か変なんだよ。
つまりお前は、唯の魔導士じゃないって事だろ?
じゃあお前は何なんだ?」
この人にも、ルフが見えるのか。
じゃあ、下手な嘘をつくより、正直な事を言った方が良いのかもしれない。
ユールはそう判断して口を開いた。
「私は……ある意味では『マギ』だよ」
青年が、目を見開く。
時間が止まったような気がした。
ユールにしろ彼にしろ、絨毯の動きは止まっていない筈なのに。
暫くしてから、その青年は声を出した。
「はぁぁぁ!?お前が……いや、お前も『マギ』!?
だっておかしいだろ!?マギはこれ以上要らない筈だぜ!?何で4人もマギがいるんだよ!?」
「……私は、マギだけど、他のマギとは違うから」
「はぁ?」
青年が眉を顰める。
「私は……迷宮を出現させる事が出来ないの……」
彼女は消え入るような声で青年の疑問に応えた。
青年は少女のその言葉に暫くの間呆気にとられていたが、再び顔を顰めて言葉を紡いだ。
「ちょっと待てよ。何なんだよ、迷宮を出現させらんねぇ『マギ』って。聞いた事ねぇぞ」
「うん。ユナン……私を育ててくれた人も、そう言ってた。私は他の『マギ』とは違うって」
「は?お前アイツの事知ってんのかよ?」
「だって育ての親みたいなものだもの」
ユールがそう答えると、青年は少し考え込むような素振りを見せた。