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突然個性把握テストを行うことになった。第1種目は50m走 個性を使用してどのくらい結果が残せるか
「……走りは個性使えないな……」
ゴミを足から出しても意味ないので、結局普通に走った。結果は7秒ジャスト 中学は8秒45だったので、速くなった。
とくに天哉は速かった。3秒台とかバケモンじゃねぇか。
「塵岡くん 50m走の結果はどうだった?」
「7秒ジャスト。天哉は3秒でしょ?」
「ああ 次は握力を測るようだな」
「握力……」
正直握力は走るより自信がある。それに個性も使用できる 指の中に鉄棒のようなものを出せば、それなりには入るはず。 私の順番が来たので思いっきり力を入れる。 ピピッ と鳴ったので確認してみると、88kgと表示されていた。
「ふう、中学より上がったなぁ」
中学30kgだったな……そんなことを考えていると、横で天哉が「88kgか!見かけによらず結構握力あるんだな」と言ってきた。 なんだ見かけによらずって。
第3種目の立ち幅跳び 第4種目の反復横跳びは個性を使って良い結果が残せた。天哉は私が意外と高記録を出しているのに驚いているようだった。なんか失礼じゃないかな
「セイ!」
朝のもめ事に巻き込まれていた女子生徒が投げた。未だに名前がわからない。 ピピッとなり、相沢先生が無言でこちらに見せる。そこには無限と出ていた。
「……∞女子」
「!?」
天哉がボソリと喋っていたことを私は聞いた。∞女子て……
いつの間にか二人組男子(緑谷と呼ばれていた)の順番になっていた。未だに個性を使用していない生徒。使うのに躊躇うことがあるということだ
天哉からソフトボールの結果を聞くと、やはり良い結果だった
「天哉走るの以外も結構良い成績だな」
「鍛錬はしているからな。そういう塵岡くんも良いじゃないか。」
「ソフトボールまだやってないけどね」
緑谷出久(天哉から聞いた)の方を見る。
「緑谷くんはこのままだとマズいぞ…?」
「ったりめーだ 無個性のザコだぞ」
「無個性!?彼が入試時に何を成したか知らんのか!」
「は?」
「え?」
「塵岡くんも知らないのか!」
その後出久が相沢先生に個性を消されたりして、ゴタゴタしていた。あとイレイザーヘッドを思い出せてスッキリした。 二回目ではあの爆豪勝己(天哉から聞いた)よりも凄い記録を出した。
「時間がない 次 準備しろ」
「……次塵岡くんじゃないか?」
「……なんでわかるんだ天哉」
「相沢先生が呼んでいるぞ」
「おい塵岡 さっさとしろ」
……この後に投げるとかものすごい嫌なんですけど…… しかし酷なもので、投げないと0mと言われた。くっ、投げるしかないじゃないか…
仕方がないので投げる姿勢に入る。
「全……腕に……て、……」
「なにやらブツブツ言っているようだな」
「なんだかデクくんみたいな子やな!」
全体重を腕にのせて、思いっきり振り切る!
「かつやぁぁぁっ!!!!」
「!?」
ピピッ
「……100m」
またジャストか…… 少し悄げていると天哉が「カツヤとは?」と聞いてきた。
「あー……うちの兄の名前。」
「……ああ」
天哉は察してくれたようだ。ありがたい。 しかし周りは「今なんて言ってた?」とか「かつき?爆豪?」とか「かつやだろ?」とか話していた。 ツンツン髪君の名前なんて叫ばないよ
ーーー
みんな全種目を終了し、結果発表となる。相沢先生が投影機で結果を表示する際に「ちなみに除籍はウソな」と一言言った
これに天哉と出久と∞女子が叫んでいた。正直自分は順位が気になっていて、結構どうでもよかった
「(真ん中くらいか)」
意外と高成績……そんなことを考えていると隣から舌打ちが聞こえた。
「(爆豪勝己…)」
結果を見てなにが嫌だったのだろう……。 何故か私の方を見て、さらに舌打ちをした。私君になにもしてないんですけど
「ねぇ」
「あ″ぁ?」
「(ガラ悪っ) 私何かした?」
「…チッ んでもねーよ」
「じゃあ何故舌打ちをしたの?」
「…るせな」
……怖い。特に顔が。結局何故舌打ちをしたのかも聞けずに終わってしまった。何か気に障ったことでもしたか……?
「あ、あの」
「?……あ、えっと 緑谷出久……くん」
「な、なんかごめんね。かっちゃん昔からああなんだ」
「まぁそうだよね。 あ、私は塵岡希沙 出久でいいかな」
「う、うん よ よろしく」
わお 腕全体で顔を隠してる……シャイボーイだな。 男子二人組の関係は幼なじみらしい。 中学一緒ということは知っていたので、そうなんだろうとは思っていたけど、実際そうだったんだね
「塵岡くん 緑谷くんと仲良くなったんだね」
「ああ 天哉。なったよ。これから1年はみんなと共に過ごすからね。徐々にみんなと仲良くならないと」
「素晴らしい心がけだな!」
……味方を増やしたいだけなんだけどね。 言ったら面倒くさくなりそうなので、やめた。
ー個性把握テストー
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