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 次の日 朝教室に行くと誰もいなかった。 と言っても、校門で会った天哉を除いてだが。

「朝早くに学校いっても人がいるっていいね」
「そうだな いつも人がいないと待つ時間が長いからな」
「あ、そうそう 今日さ一緒帰っ」

 帰ってもいい? そう言おうとした瞬間ドアが勢いよく開いた。壊れるんじゃないかって一瞬思ったくらいだ。 驚いてドアを振り返ってみると、爆豪がこちらを睨んでいた。ああ、今日も職員室に行かなければ……相沢先生 ゴミの用意もお願いします。できれば私好みのゴミをお願いします。分かんないでしょうけれども

「な、爆豪くん!なんて開けか」
「うるせえ! おいお前 ちょっとこい」
「無理!!」
「あ″ぁ?」

 爆豪がどんどん近づいてくるので、天哉の後ろに隠れる。天哉デケェ。おま、180ちかくあるだろ。私なんて168だぞ。出久より少しあるくらいなんですけど。 そんなことを考えているのも束の間 爆豪が私に向かって手を伸ばしてくる。 とっさに天哉でガードし、天哉は私を守ろうとする。そしてまた爆豪が手を伸ばして……
 そんなことをしばらく繰り返しているうちに、爆豪が耐えきれなくなったのか 思いっきり私と天哉を引っぺがした。

「うわっ」
「……」

 引っぺがした爆豪は私のことをジーッと見てくる。天哉は私達を見ている。なにやってんの 助けて
 しばらくその状況が続いたが、爆豪が諦めたのか席に戻って授業の支度をし始めた。何故だろうと疑問に思ったが、すぐにクラスメイトが入ってきたのでわかった。 この光景を他の人に見られたくなかったのか ふむ。天哉を巻き込んだくせにそれは気にするんですね

「??彼は何がしたかったんだ?」
「…さあ? あっ、常闇おはよー」
「ああ」

 意外とそのあと平和に過ごせた。午前中は普通の授業を受けた。普通じゃなかったのはプレゼント・マイクに「破片食少女」と言われた事だった。精神的ダメージをくらい、授業も半分雑に受けた。 多分関心・意欲の評価下がっただろうなぁ……うん。あれはプレゼント・マイクが悪い。私は悪くない。



 午前中の授業が終わり、昼になった。

「塵岡くん お昼一緒に食べないかい?」
「あ、天哉……ごめん。あんまり気分良くなくて……これから保健室行こうと思ってるんだ」
「大丈夫かい?! 無理しないでゆっくり休んで来てくれ」
「ありがと」

 心優しい天哉はついてきそうだったが、そこまでじゃないので何とか説得した。天哉は頑固なところあるかなぁ
 それにしても、めまいと腹痛が同時に来るとは……。別に貧血でもないのに……。月のアレでもないし… とりあえず保健室で休ませてもらおう。
 そう思いながら廊下を歩いていたが、足取りが不安定だったのか 足を挫いて倒れてしまった。今の時間帯みんな食堂にいるので周りに誰もいないという状況だ。運悪すぎやしないかな。 まぁ、天哉以外の人に多分助け求めないと思うなぁ

「……頭も痛いしお腹も痛いし足も痛いとか……ハハ、体調悪すぎでしょ……」

 そんなことを呟く。午後の授業は出たかったなあ。ヒーロー基礎学 確かオールマイトがやるんだよね……。昔のお礼改めて言いたかったんだけど……オールマイト覚えてるかな。ちょっと不安だな。
 ぼーっとしていると、人の気配を感じた。そちらのほうを向くと、半赤髪くんが立っていた。

「おい」
「……轟焦凍くん…」
「…何してんだよお前」
「んー……休んでるかな」
「床でか」

 oh…痛いところつくね。すぐ近くにベンチがあるけど、そこまで行くの辛いんだ。 しかし私がそんなことを言えるわけもなかった。こういう時人に言えないとダメだな。

「うん。えっと、轟焦凍くんは?」
「…食い終わったから歩いてただけだ。」
「そっか…」

 半赤髪くんよ。そろそろいってくれないかな。いい加減きつ……い……

 そう思った時は既に遅し。体の力が抜け、意識が飛んでしまった。


ー午前ー



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