捺が風呂に入っている間、オイラは捺の能力について考えていた。
ー…そうですね、医療…といえば医療ですー
といえばって一体どういうことなんだ。
医療忍術なら医療忍術って言うだろうし。
そしてあの反応。笑顔だったが、一瞬にして引きつったあの表情。
ガチャッ
「デイダラ先輩、お風呂ありがとうございました」
「おう、気にすん…なっ?!?!」
お風呂からでた捺の姿を見てオイラは思わず声をあげた。短いショートパンツからスラリと伸びた白い足に上半身はキャミソール。髪はまだ半分濡れていて、17歳の色気がでていた。
仮にも男と女だぞ…。無防備すぎだろ、うん。目のやり場に困るっつーんだ。くそ。
「デイダラ先輩?」
「な、なんだよ」
「どうかしましたか?様子がおかしいですよ」
おまえのその格好が原因なんだよ。
こいつ17歳らしいが中身は小学生かよ。
オイラはその無防備な姿を直視しないように、目を背けながら話した。
「オイラも風呂入ってくるぜ、うん」
「わかりました。待ってますね」
会話だけ聞いたら普通の男女のカップルだな、うん。…って何考えてんだ!オイラは!恋愛とか芸術家のオイラには無関係だ。久しぶりの女の無防備な肌を見て何かが疼いたんだろと自分で納得してオイラは風呂場へ向かった。
あーなんだか変な緊張感があるな、うん。女と同じ部屋とか初めてだからな。リーダーも少しくらい思春期ってもんを考えてほしいぜ。
(だめだ、のぼせそうだ。あがるか)
風呂からあがって、束ねていた髪の毛を解いた。ささっと洗ってさっさっとでて寝よう。女1人同じ部屋ってだけで、こうも緊張して落ち着かねーなんて。旦那に知られたら笑われるな、うん。
オイラはボディソープをボディタオルにつけて身体を洗いはじめた。
ガラッ
「デイダラ先輩」
「え?」
先ほど聞いた声が風呂場に響く。オイラはまさかと思い、後ろを向いた。
「なっ…おまっ、何してんだよ」
「お背中流そうと思って。すいません。迷惑でしたか?」
迷惑っつーか、おかしいだろ。捺は正座をして真っ直ぐこちらを見ていた。先ほどのキャミソールと短パン姿は変わらない。さっきより近い距離にいるせいで、胸の形や肌の白さ、細さが鮮明に見える。
「身体ぐらい自分で洗える…から戻れよ」
「背中、人に洗ってもらうと気持ちいいですよ。背中だけ洗ったら戻ります」
笑顔のまま引こうと全くしない捺。でも、なんなんだ。この笑顔。笑ってるけど、笑ってないような。
「デイダラ先輩?」
「!…わかったよ、流したらすぐ戻れよ、うん」
「はい、ありがとうございます」
諦めてボディタオルを捺に渡す。女に身体を洗ってもらうなんて初めてだな。しかも今日会ったばっかりの女に。
「じゃあ、失礼します」
ゴシゴシゴシゴシ
…洗うのうめぇじゃねぇか。力加減とかも丁度いいぜ、うん。
「…気持ちいいですか?」
「あ、あぁ…。まぁまぁだな」
…この状況でその質問はやべーだろ。あー、くそ。変な気分だ。一応思春期真っ盛りだからな、ムラってこないわけがない。
「…おまえさ、こんな事今までもやってやってたのか?」
「そうですね。生きる為でしたから…はい、背中おわりましたよ」
「お、おぉ。助かった」
話に夢中になりすぎて、この状況を忘れていたオイラはタオルを差し出す捺の方を向いてしまった。
ドキッ
(けっこう可愛い顔してるよな、こいつ)
「じゃあ、お部屋で待ってますね」
オイラにタオルを渡し、風呂場をでる捺。なんだよ、この感じ。心臓の音がおさまんねえ。
オイラはシャワーを思い切り出した。心臓の音を打ち消すように。