やっちゃうよぉ☆




「昔ねぇ、聞いた話なんだけどォ」

クロナはそう言いながらも作業する手を止めない。

「何が、だよっ!」



クロナの隣にいたサッチが返事をする。
サッチのその手も止まることなく動かし続ける。



「人間の一番美味しい部分って、適度に太った女の二の腕と太ももらしいよォ」

「……はあ?」

「そんでぇ、そいつ曰くオススメなのは目玉なんだってぇ」

「おい待て今そんな話する時だったか?」

「丸くてぷちゅってしてて葡萄みたいで美味しいんだってぇ」



へらへら笑いながら言うクロナ。
気持ち悪そうに顔を歪めたサッチ。



「いやそんな詳細な描写求めてねぇから!つーかお前サボんな!俺がマルコに怒られるだろうが!!」

「だって飽きてきたぁ」

「心頭滅却すれば火もまた涼しだろ!さっさとやれ!」

「はいはい。ホント、サッチはうるさいんだからぁ」

「お前、そんなこと言ってンともうデザート作ってやんねぇぞ!!!」

「それは困るぅ〜」



そう言ってクロナは銃口を目の前にいる男の眉間に突きつけ、一拍の間も無く引き金を引いた。

脳漿をぶちまけて倒れる男を見下ろしながら、死体の足を引っ張って海へと放り投げた。



「あーもう甲板汚しちったァ、マルコに怒られるぅ……。まぁでも海王類の餌になれて最後まで世界の役に立てるねぇ?あッはぁ」



ケラケラ笑って今度はサッチの後ろに迫っていた敵の頭をぶち抜く。

現在、モビーは敵襲に遭っていた。
そして迎撃するのも、人数の多いモビーでは当番制である。
今回はサッチ率いる4番隊だ。



「撃つなら先に言えよ!」

「撃ったよぉ」

「遅ぇわ!!!」



軽口を交わしながら、クロナは他のクルーの危ないところに割って入る。



「すまねぇ、助かった!」

「お礼はデザートでいいよぉ」

「おう!カロリー控えめな!」



命を助けてくれた礼にデザートくらい安いもんだ!とクルーは言った。

モビーに来てから如何せん、ご飯が美味しすぎて食べ過ぎ気味のクロナである。
故に最近は美容のためにもカロリー控えめをリクエストして特別メニューを作ってもらっていたのだ。

4番隊ではある意味アイドル化しているクロナ。
見た目はまあまあ良い方だし、初めての妹ということもありオッサンクルー達はみんなしてクロナを甘やかしている。

唯一違うといえばやはりモビーの長男マルコくらいである。



「ホント、こっち来てからコロシつまんないなー」

「そうか?」

「無差別のコロシって規範も何も無いから美しくないよねぇ」

「そういうもんか?ルールなんかあったってなぁ」



サッチは理解できないとばかりに肩を竦めた。
敵の喉元を掻っ切ったナイフの血を払う。



「規範があるから、スリルが生まれる。スリルがあるから生命に感謝するんだよぉ」



クロナはサッチに向かってニィと笑んだ。



「もう終わらしてきていいぃ?」

「ったく、しょうがねぇな。行ってこい」

「おっけぇ」



クロナは身体能力にものを言わせて、敵船へと向かって走りながらその道中、仲間と戦っている敵を仕留めていく。



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