女の子大好きだしぃ〜
「なぁ、クロナはさ、どうやって船に乗ったんだ?親父は海の迷い子って言ってたけど詳しい状況聞いてねーし」
食事をしていると、仕事が終わったのかサッチが酒瓶を片手にクロナの隣に座った。
「あー……、なんか気が付いたら白ひげの部屋にいた。そしたら最終的に“海の迷い子”とか何とか言って納得してたけど、どういう意味なの?聞こうと思って忘れてたぁ」
「まぁ平たく言やぁ、異世界人ってことだ。今じゃおとぎ話って言われてるけど、バレない様にしとけよ。政府が血眼になって探してるって聞いたことあるし」
「手配書が出回るとロクに出歩けなさそうだしねぇ」
「ま、手配書が出るってのは俺達にとっちゃありがてェことだけどな」
酒瓶を煽りつつ、サッチは言う。
「あぁ、女の子が寄ってくるもんね。サッチはふられてばっかだけど」
「うるせぇやい!クッソー、もうマルコみたいなこと言いやがって……!」
やり取りを聞いていたコックも、他のテーブルで食事していたクルーも笑いを堪え切れず、噴き出した。
「くっそ、どいつもこいつも馬鹿にしやがってーーー!」
憤慨したサッチは立ち上がると、一気に酒を飲みほしてクロナに宣戦布告する。
「勝負だクロナ!!!次の島でどっちがモテるか!!」
「えー、やだよめんどくさい。それにメリット何にも無いし」
「俺がお前の飯を作る時はめっちゃ豪華にしてやる!……俺の財布で!」
言った後付け足したのは、部下であるコックたちの視線が痛かったからだ。
それにこの話を聞いたマルコから雷が落ちるかも、と危惧したせいだ。
変なところで冷静なサッチである。
「やだ。これでも美容には気遣ってるから。これ以上サッチのご飯食べたら太るし」
「ぐぬぬ……。じゃあ勝った方が負けた方に何でも命令出来るってのはどうだ!これならいいだろ!!」
「ん〜まぁそれならいいかなぁ……」
「よっしゃ!勝負は街に入ってから5分後に開始だ!その日一日でナンパ出来た人数で勝敗を決める!」
「次の島っていつ着くのさ?」
「明日の昼すぎだ」
「ふぅん……分かった」
「逃げるなよ!」
「はいはい」
言うだけ言ってサッチはぴゃーっと食堂から走って出て行った。
そして代わりにクロナの隣に座ったのは艶のある笑みを浮かべたイゾウだ。
「良いのかい?あんな安請け合いしちまって」
「まー、大丈夫でしょ。それにサッチは忘れてるっぽいけど今回の船番、4番隊が担当って聞いたしぃ」
「……!クックック、こりゃぁサッチは一杯食わされたな。お前さんもなかなか悪いじゃねぇか」
「あッはぁ、実際に島で勝負しても負ける気しないよ〜。サッチに負けるようならイゾウさんに誘われた時点で寝てるし」
「本当にお前さんは見てて飽きないね。下は良からぬことを考えてるようだから気をつけるんだよ?もっとも、俺としちゃ面白いモンを見せてもらえると期待してるがね」
「やだ〜、イゾウさんたらイ・ジ・ワ・ル」
「おやおや怖いねぇ、目が笑ってないよそう怒ってくれるな。この海の上じゃたまにゃ暇つぶしも大事だろう?」
色っぽい目つきでクロナを見るイゾウ。
「まぁなんでもいいんだけど。明日はかっわいー女の子探して遊んでも―らおっ」
クロナはごちそうさまでした、と挨拶をして、コックたちに飛びきりの笑顔を向けて「美味しかった!また明日お願いねー!」と言って食堂から出て行く。
クロナが去った後、残ったのは笑顔にやられたコックと女の子に遊んでもらう発言にこれはひと荒れ来るなとめまいを覚えた新米兄貴たちだった。
「ククッ、ホントに飽きないねぇ……」
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