「アイツらと一緒じゃなくて本当に良かったのか?」
無事にアクア、そしてヴェントゥスを救出し不思議な塔で、光の守護者が合流する中、コールとヴァニタスは2人、闇の回廊を歩いていた。
コールは本当ならヴェントゥスを救出した後、光の守護者と共にいるべきであるが、ヴァニタスに連れ去られる様な形で彼と共にいる。抵抗するなら抵抗できる状況だったが、「アイツらと一緒じゃなくて本当に良かったのか?」
無事にアクア、そしてヴェントゥスを救出し不思議な塔で、光の守護者が合流する中、コールとヴァニタスは2人、闇の回廊を歩いていた。
コールは本当ならヴェントゥスを救出した後、光の守護者と共にいるべきであるが、ヴァニタスに連れ去られる様な形で彼と共にいる。抵抗するなら抵抗できる状況だったが、コールはヴァニタスを拒むことなく、彼の隣にいる。
「…?確かに、アクアちゃんもソラくんも大事な仲間だよ!でもそれ以上に私はヴァニちゃんといた方が幸せだし、こうしてまたヴァニちゃんの隣にいられて嬉しい!」
相変わらず能天気に笑って腕に抱きついてくるコールにヴァニタスは頭が痛くなり、大きなため息をつく。
コールは10年経っても何も変わらない。姿は勿論。ヴァニタスのことを想い、今まで一人で彼のことを待ち続けていた。それもわざわざヴァニタスが会いに行くまでもなく、彼が現れるであろう目覚めの部屋まで守護者と赴くほどに。そんなコールをアクアやソラを含めた守護者が見たら、コールは闇に惹かれる異端者であろう。
「あ、もしかして私の心配してくれてる?!それなら安心して!事前にアクアちゃんやソラくんには口聞いてるから!」
んー、と何かを考えた後、口を開いたコールのその言葉を聞いてヴァニタスはこの予知書の乙女はもうダメかもしれないと頭を抱えたくなった。どんな口を聞いたのかヴァニタスは知り得ないが、コールの言葉で任務よりどっと疲れを感じた。
「お前、馬鹿なのか?」
「ば、馬鹿じゃないもん!…私はただ、ヴァニちゃんとまた一緒に…」
コールは何か言いたそうに口が篭るが、顔を赤らめて、俯くと、静かに頬を膨らませる。そんな姿にヴァニタスは鼻をならして「まぁいい」と前を歩き始める。
ヴァニタスと逃避行するつもりでコールは彼について来たが、眠りの世界での旅の様に、ヴァニタスの負担になることを恐れて、それを口に出す勇気はない。代わりにコールは前を歩くヴァニタスの腕をすり抜け、代わりに駆け足で歩み寄れば恋人繋ぎで彼の手をぎゅっと握った。
「今だけは、ヴァニちゃんのそばに居たいから…だめかな?」
「どうせ突き放してもついてくるだろう?」
ヴァニタスの言葉に、コールは顔を挙げ、徐々に花が咲いたように笑って「うん!」と大きく頷く。口には出さないがヴァニタスはコールのその表情が好きである。画面の下で、ヴァニタスは今一度鼻を鳴らすと「好きにしろ」と眠りの世界のときとは逆にコールの手を引くように回廊を進んでいく。
「今度はヴァニちゃんがエスコートしてくれるなんて…嬉しい!」
「うるさいから黙ってろ。置いてくぞ」
「もう!そんなこと言わないでよ!……せめて決戦の時までは…一緒にいようね」
その言葉にヴァニタスからの答えはない。コールはそんな彼の表情が見たくて仮面を覗き込むが、その表情は見ることが出なかったが、コールは微笑むとヴァニタスと繋いだ手を強く握りしめた。
(できればこの手を離したくはないな)
『大丈夫。私はずっと貴方のそばにいるから』