永遠の箱庭


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 聞き慣れた声が、コールを黒い部屋から出そうと声をかける。どうやらもう夕飯の時間らしい。今日の夕飯は何なのだろうか?と呑気なことを考える。

 正直な話この世界に降り立ったコールにとって、一番驚いたのはあんな男が"私"の叔父…では無く、"父親"であることだ。銀髪の混じった長い髪を結い、顔に傷のある隻眼の男を選出したこの世界にいる自分の神経と趣味を疑う。所詮この世界は眠りの世界であるから、"自分"作り出した違いものではあるが、いくら何でも気色が悪すぎる。「早くしろ」だなんて急かす"叔父"に「今行く」と返事をすれば、暗闇にはもう慣れた目で扉を探すと、静かにスーツケースだけ残してコールはその場を離れた。

 ドアを閉める一瞬、スーツケースはいつの間にか、開いていたが、そこには何も入っていなかった。


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