#31


ー煉獄先生、
突然メールしてしまいすみません。
先日は、助けて下さりありがとうございました。お礼も言えず、帰国してしまったこと、お許しください。
昨年は、沢山お世話になりました。寒い日が続きますが、どうかご自愛下さいませ。
みょうじなまえ

返事は、翌日来た。
朝起きてメールを確認したなまえは飛び起き、思わず正座をする。

−みょうじ、
メールありがとう。
元気にやっているか？食事は摂れているだろうか？
たまに様子を知らせてほしい。宇髄や他の職員も、君を案じている。
煉獄


｢ああああああ｣
思わず布団を頭からかぶる。煉獄が、煉獄先生が‥自分の為にこの文章を打ってくれたと考えると、いてもたってもいられなかった。
すぐにカカカカ、と返信を打ち始めたが‥一度全消しする。
落ち着け、落ち着け。先生は親切心で返信してくれているのだから。

月に一度、一度だけ。メールを送ろう。

・
・
・
翌月、2月。

−煉獄先生、
お願いがあります。
月に一度だけ、メールを送ってもいいですか‥？お忙しければ、お返事は結構です。
わがままを言ってすみません。キメ学が、懐かしいです。


−みょうじ、
月に一度とは、君らしいな。
承知した。俺も、学校の様子を知らせる。


−煉獄先生、
もうすぐ卒業シーズンですね。ドイツは日本と学校のシステムが違うので、あまり実感がわきません。先生は春休みもお仕事ですか？


−みょうじ、
君のメールを読んでドイツの教育制度を調べてみたが、全く違うので驚いた。枠に囚われず、個人の意思を尊重していていいと思う。
春休みも学校だ。授業準備と、新任の教育、学会へ出席したりしている。


−煉獄先生、
もう桜は咲きましたか？昨年、学校の桜があまりに美しくて感動したのを思い出しました。


−みょうじ、
咲いている。俺は、みょうじが豪快に転んだのを思い出した。


−煉獄先生、
日本はGWですね。ドイツは平日です。こちらでもダンスを再開しました。


−みょうじ、
地味に元気にやってるか？みょうじがいないと俺は誰で遊べばいいんだ？帰ってこい。



−煉獄先生、
先月の返信は宇髄先生ですね？
お名前書いてくださらないので、一瞬驚きました。でも、ありがとうございます。



−みょうじ、
ばれたか。目を離した隙に、送信されてしまった。


−煉獄先生、
日本は暑いですか？こちらはまだ涼しいです。


−煉獄先生、煉獄先生、煉獄先生‥‥‥



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