なんたいwith三男五男


居間には今、よく分からない物体が2つほどある。襖を開けたら真っ先にお出迎えされてしまった。もぞもぞしてるソレが人間だって気付くのに大分時間が必要だったし、ましてその人間が十四松と#name#ちゃんで、何故かブリッジをしていると気付くまでには相当な道のりを経た。エッ何この状況?前にも似たような事なかったっけ?

「何してるの」
「ブリッジ」
「言い方が悪かったね。何でブリッジしてるの」
「楽しいよー!チョロ松兄さんもどう!?」
「聞いて」

あはあは笑いながら首を振る十四松はもうなんかそういうオモチャみたいだった。"どこでもブリッジ十四松くん"みたいな。#name#ちゃんはというと至って冷静な顔つきでこっちをじーっと見てくる。ブリッジしてない俺がおかしい、みたいな風潮がおかしい!負けじと見つめ返すと、視線の代わりに「したくなったからしてるの」と抽象的のカタマリめいた答えが返ってきた。本能に忠実なのがこの2人の良いところでもあり悪いところでもある。

「#name#ちゃん、いける?」
「いいよ。やろうか」

主語がないから何がいけるのか、何をやるのか分からない。ブリッジしている人間同士の共通認識でもあるのか。顔を見合わせていたかと思えば2人はこっちに近付いてくる。その体勢のまま。・・・・・・え?

「ウワーッ!!何それ怖い!」
「チョロ松ううう」
「チョロ松兄さあああん」
「ウワーッ!!」

出せる限り全力のスピードで居間を逃げ回っているのに、ついてくるどころか追い抜かれてしまいそうだ。十四松はまだ分かるとして#name#ちゃんはどこにそんな身体能力隠し持ってたの!?十四松の遊びに付き合うようになってどんどん似てきたの!?どれにしろこえーよ!首カクカクさせるのやめろ!

「エクソシストかよ!!」

渾身の力を振り絞って大声を上げると、2人は糸の切れた操り人形みたいに畳に崩れ落ちる。俺を追い回していた時とは打って変わってピクリともしない。マジで何なの。死んでないよね。

「成功したようだね」
「一松!?」

音もなく襖を開けて現れたのは一松だ。主語を使わないのが流行ってるのか?俺をよそに一松は倒れる2人を見て自分だけ納得してうんうん頷く。だから何この状況?

「2人は悪魔に取り憑かれてたんだよ。で、チョロ松兄さんのツッコミで正気に戻ったのワケ」
「ツッコミで祓える程度の悪魔に取り憑かれてたのかよ」
「ナメちゃだめだよ。俺はツッコミ慣れしてないから、歯が立たなかった」
「ええー・・・」

いつもの据わった目で言われると信じざるを得ない・・・というかムリヤリ納得させられた気分だ。俺だけ置いていかれてる感が否めない中、一松は律儀に倒れ続ける2人の下にしゃがんで内緒話を始める。聞こえてるけど。

「十四松、#name#。すっかり信じてるよ」
「やったね。さすがチョロ松、チョロい」
「演技派!」

この3人が集まると波長が合うのか、いつも悪ノリしてはいたずらを仕掛けてくる。多分それの一番の被害者は、俺だ。これでおそ松兄さんが噛んでたら迷わずゲンコツの1つでもくれてやったけど、弟達と可愛い幼なじみだから許すしかない。でも「チョロ松兄さんはチョロいからああやって悪い女にも引っかかるんだよ」と十四松と#name#ちゃんに教え込んでいる一松はやっぱり許せないし、あと死ねと思った。

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