おふとんwith三男五男


居間にあるはずのない布団がのり巻きよろしくぐるぐる巻きになって置かれている。エッ何この状況?誰かが布団干して取り込んでそのままにしてるとか?まさかね。母さんは取り込んだらすぐに片付けるタイプだし、皆はそもそも干したりとかしないし。じゃあなおさら何なんだよ・・・。

「どっせ──い!!」
「うわっ!?」

いい具合に転がりそうだし蹴ってみようかと思ったら、端の方から十四松が思いっきり顔を出してきた。もう少しで弟の顔面蹴り上げるところだった!あぶねー!!チョロ松兄さんだあ、ってのんきに言ってる十四松は自分がサッカーボールみたいになるところだったなんて思いもしてないんだろうなあ。

「何してるの」
「す巻きー」
「・・・このまま海に沈めた方がいい?」
「巻き添えはやめて」
「うわっ!!?」
「す巻きだけに?」
「あ、上手い」

十四松と同じように顔を出したのはまさかの#name#ちゃんだった。十四松だけでも得体の知れない生物(強いて言うならオットイアっぽい)みたいになってたのに#name#ちゃんが加わった事でキメラ化したよ。エッていうかマジで何この状況??

「#name#ちゃん、これは何なの」
「す巻き」
「まさかの進展なし」
「意外と暑いよ」
「よくそんなに冷静でいられるね」
「十四松の突飛な行動にいちいち驚いてたら、余命がいくらあっても足りなくて・・・」
「あ、そういうレベルなんだね・・・」

割と本気の目をしていたからそれ以上言及するのはやめた。けど、何だかんだで付き合ってやってるのが#name#ちゃんのいいところだよなあ。なんかごめんね、って十四松の代わりに謝ったら#name#ちゃんはいいよいいよって笑う。控えめに言って女神に見えた。
そんな女神と弟のす巻き姿はレア中のレアのはず。というか次に見られたら奇跡レベル?写メろうと携帯を構えたら突然転がり出した。あっ、そっちにはちゃぶ台が・・・あーあ。

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