【 高校一年生 秋 】

 「モンハンの新作が出るぞ!」

 けたたましい音を立てながらリビングに入ってきた兄と、ばちっと目が合う。ふいと視線を逸らしても、兄は構わずわたしに近づいてきた。

「しかもシリーズ完全新作!」
「もーうるさい。わかったってば」
「名前も買えよ、PSP! マルチプレイしようぜ」
「嫌だよ。モンスターとか気持ち悪い」

 テイクアウトしたフラペチーノを飲みながら、わたしは逃げるように自分の部屋に向かった。少年のようにはしゃぐ大学生の男はとても疎ましい。

「後悔するぞ!」

 後悔なんてするもんか。華のFJKはモンハンの新作なんかよりスタバの新作に夢中なのだ。
 わたしは兄に背を向けてひらひらと手を振った。


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