神の涙で満ちた箱庭



未来を願う


 娘を抱いた伴侶の姿が、無事に視界から消えたことに安堵して座り込む。痛む足に当てた指先は蒼白で、もう満足に動かせない。手に力が入らなくなる前に、娘を託せてよかった。
 必ず戻ると告げたあの人は、きっと戻っては来ないだろう。娘を守ると約束してくれたのだから、あの子を置いて危険な選択をするはずがない。
 あの人は、父親だ。
 必ず娘を守ってくれると信じている。約束だけは破ったことがない、優しい人だから。

 徐々に近付いてくる荒々しい足音と共に、銃器のぶつかる冷たい音が聞こえる。見つかるのは、時間の問題だろう。

「…………パメラ、ユージン」

 例え命が尽きたとしても、ずっと願っている。
 愛する娘が、愛する夫が、二人が生きる『これから』が、どうか幸せな日々でありますようにと。

「ずっと、愛しているわ」



 ─────銃声。





fin.
2019/06/25

name thanks!!


⇒パメラ(翡奈月あみ さま)

神の涙で満ちた箱庭
七つの水槽