とあるECの興味
「命乞い、しないの?」
永続的な痛みを与えられて、もはや感覚は麻痺している。身体は思うように動かず、声を出すことすら儘ならない。
相手は返事がないことに機嫌を損ねたのか、背にした瓦礫に縫い付けられた右腕に突き立つ刃を、更に奥へと押し込まれた。与えられた痛みに、朦朧としていた意識が引き戻される。
「……したって、聞かないくせに」
「うん、聞かないけど」
掠れた声で口にすれば、相手は悪びれもせずに肯定してみせた。
「じゃあ……するだけ、無駄だ」
「えー? キミって希望は持たない人種? ボクが気まぐれに心変わりするのに賭けてみるとかさぁ」
「するとは、思えない」
霞む視界に相手──自分より小さな少年を捉えて、はっきり言い切る。
睨むような視線に射抜かれて、少年はきょとんとしたように目を瞬かせる。少し考えるように首を傾けて、楽しそうに口角をつり上げた。
「……そういう考え方、好きだな」
嬉しく、ない。
そう呟いたはずの自分の声が耳に届く前に、意識が途切れた。
fin.
2012/11/30
