夏休みが終わるまで後約二週間。
編入試験が終わり、気持ちにも時間にも余裕が出来た白星美空はのんびりと過ごしていた。
「ふぅ…」
ピンポーン
「はい、どちら様?」
「美空お姉ちゃん!ボクだよ!」
「はーい」
鍵を開けると元気よく扉が開く。
「勇君?どうしたの?」
「今日は天気が良いから、一緒に遊ぼう!」
「いいけど…なにして遊ぶの?」
(そういえば勇太君、後ろに何か隠してる?)
「へっへ〜、貯めたお小遣いでやっと買えたんだ!ジャジャ〜ン!」
「お!ラジコン飛行機!」
「これから初フライトに行くんだ!お姉ちゃんも行こう!」
「いいね、行くよ」
着替えて飲み物や小さいお菓子を鞄に入れる。
各々自転車に乗り、勇太オススメの空き地へと向かった。
目的地に着く。街中で草木が茂っているこの場所を一目で気に入った美空。
「早速飛ばそうか」
「うん!」
初フライトに胸躍らせる勇太。
抱えていたラジコン飛行機とコントローラーを持ち自転車の荷台から降りる。
「よーし!行くぞ〜!」
「頑張れ〜!」
軽快な音を立てて飛ぶラジコン飛行機。
初フライトは成功かと思った。
その矢先。バランスを崩して墜落するしてしまう。
「あぁっ!?」
「あ〜…垂直に落ちちゃった」
一緒に草をかき分け探していると、少し離れたところに見つける。
「あった!」
「どこ?ってうわぁ!?」
「勇君!?」
地面に置いてあったトタン板を踏んだ勇太は足を滑らせ、その下にあった底の見えない穴に落ちてしまった。
「うわぁああああ!!」
「勇君!」
すぐさま後を追い飛び降りた美空。
穴の中は舗装された傾斜がついていて、まるで滑り台だ。
勢いよく格子にぶつかりながら飛び出した美空は崩れていたダンボール箱の上に着地した。
「いっててぇ…、なんだここ?」
「いたた…大丈夫?」
「あ、うん…うわぁっ…ロボット!!」
薄暗い室内に光るオレンジ色の瞳。
素体や内部が剥き出しの巨大なロボットが、此方を見下ろしながら反応した。
『ワタシハ、デッカード…』
「「うわぁ!」」
『ワ、タ、シハ…デッカード』
繰り返される反応。
自己紹介なのかと思った二人は、危害を加えてこないと思い、挨拶した。
「ボクは勇太…友永勇太だよ!」
『トモナガ、ユウタ…』
「私は白星美空です。はじめまして、デッカード」
『シラホシ、ミソラ…ハジメ、マ、シテ』
「「よろしくね!」」
落ちた先で、私達は。
運命(デッカード)に出会った。